第5話「声優の」彼女

当日、先生に誘われてアフレコスタジオに行く事なる。

他のスタッフの方は、仕事をしている。


「気にしないで、いっておいで」

笑顔で見送らて、先生と出かけた。


「初めてでしょ?アフレコ見学」

「はい」

「これも、いい勉強になるよ」


クリエイターは、刺激を受けた方がいい。

これも、そのひとつか・・・


アフレコスタジオに着く。

まるで、迷路だが、先生は慣れた様子で先導してくれる。

スタジオの方とも、顔なじみで、挨拶をしている。


そして、スタジオに着く。


「おはようございます。先生」

そういえば、芸能界は24時間、おはようございますだったな・・・


先生は、声優さんたちとも和んでいる。

俺は外から、眺めていた。

やはり、彼女は来ていないようだ。


ほっとしたような・・・残念なような・・・


「やあ、久しぶり」

彼女が、ひよっこりと顔を出した。

なぜ?まだ出番は先では・・・


「出番が無くても、スタジオで勉強するの」

「そういうものなの?」

「うん」

今は、押しも押されぬ人気声優となった。


声優以外にも、歌やラジオなど、数多くの仕事をしている。


「大変だったね」

「まあね。でも、楽しいよ」

彼女は、にこやかに答える。


もしかして・・・


「ああ、知ってよ」

先生が言う。


「僕だけでなく、スタッフもね」

「どうしてですか?」

「もっとも、君と○○さんが、同級生というのを知ったのはごく最近だけどね」

「どういうことですか?」

先生は、続けた。


「○○さんが、『もし、スタッフに君がいたら、連れてきてほしい』って・・・」

彼女を見る。

「エヘヘ」

笑みを浮かべる。


「君も頑張ってるね。輝いてるよ」

「君には負けるよ。俺は、まだまだだ」

「うん」

はっきり言う子だ。


「じゃあ、そろそろアフレコが始まるから」

「えっ、今日は出番がないんじゃ」

「本役ではね。でも、エキストラで出るんだよ」

エキストラって・・・


そして、アフレコを見学する事となる。


監督からの、激も飛んでいるが・・・


「さすが、プロ」


  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る