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 「そうか、法も決めないといけないんだったな」

みんなと同じく端末に目を落としていた藍川くんが顔を上げて

「とにかく全員で協力し合うことが一番大事だから、1日1回は必ず午後7時にここに集まって話し合うことにしよう」

と言うと、今度はすぐに拍手が起きた。

「それと、ちょっと勝手だけど、この部屋は集会室って名前にするから、いいよな?」

これには別に拍手はなかったけど、誰からも反対がなさそうなのは間違いなかった。

 「今決めたのを送信するので、そのまままた二人にお願いします」

「・・・」

「・・・」

田月くんと野村くんが端末を覗き込む真ん中で藍川くんが端末を操作した。

 そうすると、すぐにまた警報音が鳴ったので見ると、“@国王の法”というメールが届いている。


8月1日 @国王の法

~今日の法は【全員午後7時に集会室に集まる】です。 藍川~ 


 「やらないといけないことは全部終わったようだけど」

自分でも端末の確認をした村井くんがみんなを見回す。

「このあとはどうする?」

どうすると訊かれても私には勿論分からない。

 「ずっとここにいても仕方ない。マニュアルとかいうのもあるけど、まずは、暗くなる前にこの建物の外がどうなってるか調べないか?」

左から声がしたのでチラッと視線を向けると、長谷田くんのようだった。

「そうだな」

相槌を打ったのは、声からしてたぶんヒデくん。

 「外を調べるってことで、みんないいか?」

「こんなところにずっといれないでしょ?」

訊き返すような森さんの言葉。

 「ここの外を調べるというのに誰も反対しないようだけど、行きたくない人は行かなくていいと思うから、今は3時ちょっと過ぎだけど一旦解散、少し余裕をもって7時10分前にはここ集合ということにしよう」

村井くんが言うと、すぐに長谷田くんが立ち上がった。

「自分で言い出したんだから、俺は外に行く。できれば俺以外も外に出てくれ」

 「俺も行く」

次に立ったのはヒデくん。

「こういうのには俺も行かないとな」

後ろから声がしたけど、この声からすれば健ちゃんだ。

 健ちゃんが立つと、男子は席を立って、出入り口の方へ向かった。

 「行ってらっしゃーい、気を付けて頑張ってねー」

森さんだ。

「他にも部屋はあるんだろうし、うちらは中を見てみるからねぇー」

森さんの言葉に何だかちょっとホッとする。

 外に何があるか全然判らないのに出るのはスゴク怖いけど、みんながみんな外を見に行かなくても、建物の中を調べるのも大事かもしれないし、それなら私にもできそうだ。

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