66話 ブリットン警察署 ~残酷な現実~「★」

 どうやら洞穴を見つけたようだ。

 マールがあまりにもちょこまか動くせいで、私達との距離は空いてしまった。

 マールの姿は砂嵐で見えないが、大きな叫び声とうっすら見える真っ赤な作業着を頼りに、なんとかマールの元へ辿り着く事ができた。



「遅いよォ! こっちこっちィ!」



 既に疲れはてている私達を手引きするように、近付いた私達に手招きしながら更に奥へと進んでいった。



「ね、どこまで行くの?」



 マールが手招きしながら向かった先は、思ったより長く不安になった私はマールに問う。



「え? もうちょっとだよォ。⋯⋯それにしても砂嵐ひどいねェ」

「⋯⋯うわっ!」



 私は何かにつまずいてバランスを崩した。

 なんとか転ぶ前に体制を立て直して、躓いた先を見てみると巨大な岩のようなものだった。

 砂嵐の中でも多少見える程だが、白い物体だ。



「おい、大丈夫か?」



 プリンは咄嗟に叫んだ私に手を差しのべて心配してくれている。



「うん、大丈夫」



 私はたいしたケガでもなかった為、軽く返事をして再び先へ歩き始めた。



「あっ! ここ、ここォ!」



 どうやら着いたようだ。

 うっすら見えてくる洞穴の入り口らしき、岩で囲まれた空洞を見ると、私は早く休みたいという思いからか小走りで中へ入った。



「やっと着いたね」



 私は一息付けると思い一目散に洞穴に入ると、なりふり構わず地面に寝そべった。

 相当疲れていたようだ。

 この砂嵐の歩きづらい中、歩くのに必死で気付かなかったが相当歩いただろう。

 とにかく休める洞穴が見つかって本当に良かった。



「よし、ここで砂嵐が止むまで休んで行くぞ」



 プリンは洞穴に入るや否や地べたにドスっと座り、荷物をドサッと置き、手だけを動かし焚き火の準備を始めた。

 どうやらプリンも相当疲れていたようだ。



「あっ! ちょっと待ってあれ!」



 私は興奮のあまり疲れを忘れ、見つけたものを拾おうと走った。



「なにィ?」

「これこれ! 探してたやつ!」



 それはメタルアーマーの体。

 ようやく見つける事が出来た。


 これで全部位揃ったからやっと装備する事が出来る。



チリチリチリーー



「うわ、やば! 放射能が⋯⋯」



 私はその場から離れ、プリン達の元へ駆け寄った。



「見て見て! これ、やっと揃ったよ。かっこいいでしょ~」



 自慢げに装備したメタルアーマーを披露するも、二人共疲れていて反応すらしない。



「あ~ん⋯⋯? よかったなぁふぁあ~。俺はもう寝るぞ。テン、朝起こすからすんなり起きてくれよ⋯⋯ふぁ~あ」



 プリンはそう言いながら、大きなあくびをして今にも寝てしまいそうだ。



「あ⋯⋯うん。おやすみプリン」



 私は静かにその場に座り込んだ。




 マールは眠そうな目を擦り、必死に頭を上げ何かを思い付いたかのように口を開いた。



「ねぇテン、テン達は嵐が止んだらどこに行くのォ?」

「う~ん。特に決まってないかな。とりあえず嵐が止んだら管理官を探しに行く。途中ではぐれちゃったからさ」



 警察署の中にいたマールは知らないだろうから、管理官について少しの説明をした。



「そのロボット、はぐれちゃったんだァ⋯⋯警察署に行かなきゃいいけどォ」



 なぜか私とは真逆の考えだった。

 私は警察署にでも辿り着いていたら、保護されていると思ったんだけど⋯⋯。



「なんで警察署に行けばダメなの?」

「警察署の連中はみんなロボット嫌いだからねェ。受け入れてもらえるかわからないよォ! ほら、ロボットってみさかえなく攻撃してくるでしょォ? だからみんな毛嫌いしてるんだよねェ」

「⋯⋯そうなんだ」



 私はその事を聞いて警察署にだけは、辿り着いてほしくないと⋯⋯そう願った。

 毛嫌いしているなら殺されかねないし。

 私は一刻も早く管理官を探したくて仕方なくなった。

 でも明日天気がよくなるかもわからないし、天気がよくなって探しに行ったとしても、見つかるかもわからない。


 私には全てにおいて、この先の不安しか残らなかった。




 マールを見るといよいよ限界らしく、コテッと横になり既に寝息を立てている。

 私は横になっているマールの横に行き、隣で同じように横になった。

 そして二人がすっぽり入るくらいの大きめの毛布を手に取り、私とマールの上に静かにかけ、深い眠りについたーー











後書き

ーーーーーーーーーー

名前 テン

   レベル12


武器 改造威力Hitrangeヒットレンジ10mmピストル

     →命中率と飛距離に加え威力も強化した


防具 ライト付きヘルメット(E)

           →DF(0) RD(1) EN(1) W1

   VULTジャンプスーツ(新品)(E)

           →DF(0) RD(15) EN(1) W1

   メタルアーマー(右手)(E)

           →DF(4) RD(2) EN(2)・W2

   メタルアーマー(左手)(E)

           →DF(4) RD(2) EN(2)・W2

   メタルアーマー(体)(E)

           →DF(8) RD(5) EN(4)・W6

   メタルアーマー(右足)(E)

           →DF(5) RD(3) EN(3)・W3

   メタルアーマー(左足)(E)

           →DF(5) RD(3) EN(3)・W3


▼現在能力▼


Ultimateアルティメイト Powerパワー 『4』

Newdaysニューデイズ 『5』

Inspiインスピrationレーション 『7』

Qickvartsクイックバーツ 『9』

Unknownアンクノン Lackラック 『1』

EverNeverエバーネバー 『1』


▼習得済スキル▼


Lockpickロックピック

 ランク1 BerryEasyの鍵を解除できる

・ランク2 Easyの鍵を解除できる

Hideハイド Enemyshootエネミーショット

 ランク1 V.A.R.T.S.バーツ使用時物陰の敵を撃てる。精度減少

Bloodブラッド

 ランク1 スチムパックで40%回復、RADアレイで40%除去

Extremeエクストリーム

 ランク1 体力20%以下で全能力20%上昇

Specialスペシャル

 ランク1 ハンドガンの威力20%上昇

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