13話 狂気なプレイヤー

「ようやくお目覚めか」



 気が付くとそこはプリンがいた小屋ーーではなく、見知らぬ倉庫のような場所だった。



「⋯⋯だれ?」



 私はロープで縛られ知らない人達に囲まれていた。

 着ていた防具は全て剥がされ銃も取られている。下着として着用していたジャンプスーツだけ着ている形だ。



「クククッ⋯⋯いきなりだがお前に質問だ。お前が一緒にいた男は今どこにいる? 返答によっちゃあーー」

「こっから出して!」



 私は男が全部言い終わる前に答えた。

 縛られてるロープを取ろうと体を動かしながら。



「残念。ハズレだ」



 そう言って男達はニヤニヤしながら私に近寄ってきた。



「来ないで! あっち行って!」



 必死でロープを取ろうと体を精一杯動かすが、全く取れる気配がない。



「クククッ⋯⋯もう一度チャンスをやる。 男はどこにいる?」



 私にナイフを近付けながら男はそう言った。



「知らない! 男って誰の事よ」



 多分プリンの事だと思うけど本当に知らない。なんなの? こいつら。

 さすがにこんな事してくるのは、NPCじゃないと思うけど。

 プリンはプレイヤーだったし、他にもプレイヤーがいてもおかしくない。



「ふん。残念だ」



 男はさらに私にナイフを近付けた。



「本当に知らないし。あの後一人でどっか行ったし」



 もう勘弁して。このロープ全然取れないし。

 私なんか捕まえたって、なんも持ってないから意味ないのに。



「男の事、知ってんじゃねぇか」



 その言葉と同時に、男は私の足にナイフを当て、私の着ていたジャンプスーツを切り裂いた。



「あぁっ!!!」



 切り裂かれたジャンプスーツから肌が露出した。

 血が滲み出て足を辿り地面に零れ落ちる。


 痛い。

 痛いよ⋯⋯助けて、大輔⋯⋯。



「クククッ⋯⋯嘘をついた罰だ」



 男はそう言って何かの肉を食べ出した。

 ニヤニヤしながら肉にかぶりついている男の脇からは、男の仲間が網の上に肉の塊を置いて焼いているのが見えた。


 それはよく見ると⋯⋯人の足のようだ。



 え? 私この人達に食べられんの?

 頭の中には最悪の考えが浮かんだ。

 恐怖が迫り来る。



「いや⋯⋯やめて」



 私がそう言いながら体を動かすと、男はさらにニヤニヤして話し続けた。



「あん? あぁアレか? 大丈夫だ。女は殺さない。ゆっくりじっくり味わうさ⋯⋯クククッ」



 私は怖くてたまらなかった。

 声すら出す事が出来ない。

 もう死ぬ⋯⋯痛い思いしながら死ぬんだ。

 そう思った。



「お願い⋯⋯助けて」



 こんな頭おかしい人達に助けを求めても意味ないのに⋯⋯そう言う事しか出来なかった。

 なんで私がこんな目に遭うの?

 涙を浮かべ男を睨む事しか出来なかった。



「クククッ⋯⋯まずは足から美味しく頂くよ。それから腕。そして最後は⋯⋯この綺麗な体」



 男は私の体をベタベタ触りながらそう言った。



「いやっ! 触んないで!」



 本当に気持ち悪い。

 この人達、人を食べて生活してるの?



「あぁ、そうそう。忘れる所だったよ⋯⋯この綺麗な形をした胸も、切り落として美味しくしてやるよ」



 そう言って私の胸をその汚らしい手で生々しく触ってきた。



「⋯⋯っ!!」



 嫌だ。気持ち悪い。

 でも怖くて声がでないよ。助けて⋯⋯。

 私の目に溢れる涙。



「クククッ⋯⋯まずは美味しく頂く為に、生身の体にしなくちゃな」



 男はナイフを胸の間に当て、私の着ているジャンプスーツごと肌を切り裂いた。



「きゃあっ!」

「ふっ⋯⋯いい体してんじゃねぇか。旨そうだ」



 男はそういいながら、不敵な笑みを浮かべ体を触ってきた。

 切り裂かれた胸の間から真っ赤な血が滴り落ちている。


 すると男は胸の辺りの裂けたジャンプスーツを掴み、勢いよく引っ張りゆっくりと脱がせた。



「いや⋯⋯やめて!」



 私は必死で抵抗した。すると男はーー



ドスッーー



 私の顔面を思いっきり殴った。



「ちょっとうるせぇぞ。黙らねぇならやっちまうぞ」



 男の顔付きが一瞬で変わり、私にそう言い放った。

 私は怖くて⋯⋯黙るしかなかった。



「やればできるじゃねぇか。そうだ、黙るんだ」



 そう言って男は、露出した私の胸を嫌らしく触りながら、不敵な笑みを浮かべている。






「待ってろよ、今美味しくしてやるからな⋯⋯クククッ」

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