3話 ーーそしてあなたがUNIQUEな存在になるのです!「★」

『やぁ! VULTTOKヴルトトック社へようこそ! あなたが生き残るためには、このVULTTOKヴルトトック社の教材が必要不可欠』



カチャーー



 テープを取り出した。

 何故かというと、この映像は死ぬくらい見たからである。

 ゲームを始める前のダウンロード時間に、この映像が流れる。


 それは⋯⋯。


 UNIQUEユニークというものの説明だ。




ーーーーーーーーーー


Ultimateアルティメイト Powerパワー

 物理的な力、持ち運べる荷物の重量、近接攻撃のダメージに影響を与える。


Newdaysニューデイズ

 コンパスに赤マーカー(敵)を示す距離に影響を与える。

 多くの帽子類で+1される。


Inspiインスピrationレーション

 レベルアップ時の追加スキルポイントに影響を与える。


Qickvartsクイックバーツ

 V.A.R.T.S.バーツAPアクションポイント量に影響を与える。


Unknownアンクノン Lackラック

 全てのスキル値に少しだけ影響を与える。

 攻撃がクリティカルになるかどうかにも影響する。


EverNeverエバーネバー

 肉体の物理的強度を表す。

 HP(最大体力)、環境ダメージ抵抗値に影響を与える。


ーーーーーーーーーー




 この頭文字を取ったのがUNIQUEユニーク


 このUNIQUEユニークを面白おかしく説明をするのが、このテープの特徴だ。


 そしてこのテープの最後には『そしてあなたがUNIQUEユニークな存在になるのです』で、締めくくる本当にユニークなテープなのである。



 そしてもう一つ、Pitboyピットボーイの中に入っているUNIQUEユニーク。これに割り振る事ができるポイントが入っていた。




Ultimateアルティメイト Powerパワー 1▼▲

Newdaysニューデイズ 1▼▲

Inspiインスピrationレーション 1▼▲

Qickvartsクイックバーツ 1▼▲

Unknownアンクノン Lackラック 1▼▲

EverNeverエバーネバー 1▼▲




 Pitboyピットボーイの中にあるUNIQUEユニークを押すと、こんな感じのものが表れる。

 10ポイント用意されていて任意のものに割り振る事ができる。これはゲームと変わっていない。



「ん~どうしよっかな。やっぱこれかな」



 私はとりあえず必須のものに大半を割り振った。

 後は適当に⋯⋯。


 最初にこのゲームに出会った時は、何もわからずに適当に割り振っていたのだが、これが重要な事に気付いてからは慎重になっている。



「⋯⋯これでよしっと」




Ultimateアルティメイト Powerパワー 3▼▲

Newdaysニューデイズ 1▼▲

Inspiインスピrationレーション 5▼▲

Qickvartsクイックバーツ 5▼▲

Unknownアンクノン Lackラック 1▼▲

EverNeverエバーネバー 1▼▲




 まぁこんな感じだ。


 なんと言ってもInspiインスピrationレーション

 これはレベルアップの時に貰えるポイントが多いというもの。必須であろう。これに割り振っておけば、断然楽になる。


 次はQickvartsクイックバーツ

 これはV.A.R.T.S.バーツで使用するAPが増える。ほぼV.A.R.T.S.バーツしか使わない私からしたら、外せないスキルである。


 Ultimateアルティメイト Powerパワーは重量。

 これも地味に大事だ。重量が最大になると重くて歩けなくなる。そんな時に敵と遭遇したら、目も当てられない結果になる。だからこのスキルは案外重要だ。


 EverNeverエバーネバーはHPが増えたりするから、大事ではあるが先に言った3つ程ではない。

 私はこのEverNeverエバーネバーをエバネバって略していた。大輔にバカにされたけど。



 まぁ、とりあえずこんな感じで準備は完璧だ。


 そろそろ外に⋯⋯でもこれ、夢にしたらなんか長いし鮮明なんだよな。

 それにさっき巨大ゴキブリから攻撃受けた時、痛かったんだけど⋯⋯。

 夢って痛み感じる事ある?


 これ、本当に⋯⋯夢?



 私はゲームをしている時に、急に睡魔が襲ってきて倒れた事を思い出した。

 そもそも睡魔ってそんなに急にやってくる? 倒れる程?

 テレビから妙な光が出てきたのも気になるし。



「もし夢じゃなかったら⋯⋯やばくない?」



 こんな世界になってほしいとは言ったけど⋯⋯いきなりとか心の準備できてないし。

 どうしよう⋯⋯だんだん不安になってきた。



「大輔⋯⋯」



 無性に大輔がいない事に不安を感じた。私達はいつでもどこでも一緒にいたから。

 コンビニ行くにも一緒だし、本当にどこに行くにも⋯⋯。

 店の店員にはいつも、仲いいねって言われていた。

 どっちかが体調崩して、コンビニに一人で行く事になった時なんか、今日一人? どうしたの? って必ず言われる。


 それなのに私⋯⋯大輔がいなかったら何もできないよ。

 本当に夢じゃなかったら⋯⋯? 私は大輔を探す決心をした。


 私がもしあの時テレビの中に入ってしまったなら、同じ空間にいた大輔も入ってるはず。

 絶対に!


 大輔が来ていないか探そう。

 大輔がいれば、これが夢じゃないのも証明される。


 そう思った私は、とにかくここから出ようと、呼吸を続けるこの機械の右端に付いている赤色の丸いポッチを押した。



カチーーガチャーーウィーンーープシューー



 このVULTヴルトの中で一番大きな扉⋯⋯外へと繋がる扉が目の前で大きな音を立ててゆっくりと開いた。



「⋯⋯よし、行こう」



 扉が開くと同時に、そこへ行く為の通路がこちらに向かって伸びてくる。

 私はその細い通路を進み陽光の先へと旅立った。











後書き

ーーーーーーーーーー

名前 テン

   レベル1


▼現在能力▼


Ultimateアルティメイト Powerパワー 『3』

Newdaysニューデイズ 『1』

Inspiインスピrationレーション 『5』

Qickvartsクイックバーツ 『5』

Unknownアンクノン Lackラック 『1』

EverNeverエバーネバー 『1』

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