第3話 人形が壊れたその日

「俺」は技術は優秀だからと腕を見込まれ、居場所ができた。

物を作り続ける仕事だ。

腕で物を削り、耳で道具の確認をし、同じ仲間には「俺」対応する。

相も変わらず完ぺきだった。


ある日、歪が生まれた。

体の歯車が狂い始めた。

足の歯車が回らなくなった。

回らなくなった歯車は交換したが歪な足になった。


次に仮面が崩れ始めた。

それも作り直そうとした。

今度の仮面は綻びだらけの形だけのものだった。


自分は作り直せても周囲は違った。

作り直すのに少し時間がかかってしまっていた間に周りの環境が変わった。

綻びがある仮面はそう長くは保たなかった。

環境に適応できずボロボロと崩れ落ちた。

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