第2話 泥人形が泥人形である意味

歯車仕掛けの泥人形は相も変わらず、人の理想を叶え続けた。

自分なんてものを持っていなかったことに疑問を持ちながら。


「俺」の仮面は便利だった。

誰に対しても愛想よく振る舞い、それが誰かのためになっていたから。

物を作る腕や足も便利だった。

欲しいと言われたものを作れば喜ばれたから。

心地が良かった。


自分を作った人から失敗作と言われ、次の人形は優秀だったから。

比べられ、蔑まれる生活から逃げたかっただけなのかもしれない。

そうすることで存在意義を示そうとしたのかもしれない。


もう「俺」にはわからない。

完ぺきな「俺」には必要のない思考だったから、捨てた。

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