第28話 9月25日

朝から電車が止まっていた。


途中駅で人身事故との車内放送があった。

人身事故の内容は定かではないが、最近人の死には少し敏感になっている。

特に自ら命を差し出してしまう行為には、これまで以上に悲しみとちょっとした憤りを感じてしまう。

確かに、うまくいかず生きていくことが嫌になったことはこれまでもあったし、どちらかというと小さい頃はいじめられっ子だったので苦しい日々が続いたこともあった。

また、僕の想像以上に大きな苦しみを背負って、最後の方法を選択するということがあることも頭の中では理解できる。

様々な要因、そして生きにくい世の中であろうけど、生きたくても長く生きられないかもしれない人が身近にいると、自ら命を差し出す行為は例えようもないほどに寂しく悲しいものだった。


生きてりゃいいのさ。

僕はただ口ずさんでいた。

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