第3話 6月20日

元の会社からの指示により朝から書類作成に追われていた僕が、時計とにらめっこをしていた時、佐々木さんがやってくる姿が目の端っこに入り込んできた。


「清村さん、なんだか大変そうだね。で、明日飲みに行くよ」


「なんでこっちに来てまで前の会社の仕事もしないといけないんですかね、どう思います?」


「期待されている人は違うね~。私なんかもう何も頼まれないわよ。まあ、それもどうだかとは思うけど。で、明日空いているよね?」


「先週も飲みに行ったじゃないですか。僕は大丈夫ですけど、旦那さんは良いんですか?佐々木さんの帰るのを待ちわびているんじゃないですか」


「良いのよ。どうせ旦那も飲みに行っているし。うちは信頼関係があるの。この前飲みに行った人たち数人に声かけとくね」


「はい、はい」


「「はい」は一回!」

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