幸せの詩(うた)

まきや

願い

布団の中の君



柔らかいの光


まどろみながら起きる


もう小さすぎるベビーベッドから


声が聞こえる


そっちのベッドで寝たい


君は危なっかしげに


でも力強く柵を乗り越えてきて


私たちの布団に潜り込む


三人で川になって


ぬくぬくの時間


ぽかぽかの体温は


みっつでひとつのかたまり


君の顔は


寄り目になるぐらい近くて


温かい息が混じり合う


君は言う


さっき見た夢のコト


寝るときの雷が怖かったコト


知らぬにひとりで行ったトイレのコト


聞いてるよ


聞いてるんだけど


パパの寝息につられて


うつらうつら


私が寝そうになると


顔をつついてくる君の温かい指


小さな親指の爪が私にそっくり


私はにこりと笑いかける


今日はお休みの日


鳥たちのあいさつの声


遅刻したバイクは新聞配達の人?


カツカツという靴の音


カーテンのあいだからす柔らかい朝陽あさひ


私たちを照らす


一筋の道



壊そうとする人たちへ


あなたがこれから奪おうとしているのは


こんな幸せのとき




壊してしまった人たちへ


あなたが奪ってしまったのは


私たちの温もり



もう、幸せの朝はおとずれない

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幸せの詩(うた) まきや @t_makiya

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