第2話:指名の電話
「もしもし、福田直之さんの携帯電話でよろしかったでしょうか。」
電話から聞こえる声は男の声だ。穏やかそうな営業マンのような声色で俺の携帯電話であるかと確認をとる。
「はい、福田直之で間違いありません。ご用件は何でしょうか。」
俺のような三流のライターに直接アポイントを取ってくる。それは悲しいことではあるが、何か裏があるのではないかと俺は警戒する。
「そう緊張なさらないでください。私、益田プロダクションの佐藤と申します。福田さんにお仕事の依頼がありまして、ご連絡差し上げました。今、お時間はよろしいでしょうか。」
益田プロダクション?知らない名前だ。だが、仕事というのであれば願ってもいない。多少怪しかろうが、わざわざ指名された仕事を選んでいられるような状況ではない。
「お仕事の依頼ですね。ありがとうございます。時間については問題ありません。是非お話を聞かせてください。」
「かしこまりました。では直接お仕事についてのご説明をしたいので、よろしければ直接事務所までご足労をいただけないでしょうか。」
「わかりました。住所を教えてください。」
「ありがとうございます。住所は…」
俺は住所を佐藤という男から聞き、コンビニに止めてある自分のジムニーに乗り込み益田プロダクションに向かった。
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