『勇者狩り』登場人物紹介(第五章『準備』時点)

〇ビリー

 襟付きのシャツにベストを着た上にポンチョを巻いた、典型的なガンマン。外見のイメージは、クリント・イーストウッドの“ドル箱三部作”西部劇を、ジョニー・デップに置き換えた感じ(伝わらない)。初登場を全裸にしたのも「三枚目描写はイーストウッドじゃダメだけどデップだったらアリ」という作者の偏見から。


 当初は、一匹狼の賞金稼ぎだった。勇者カレンの言いがかりにも等しい死刑宣告に颯爽と現れ、華麗な早撃ちで倒すと、その街の用心棒に収まり、マコト率いる正義の勇者一行に雇われるというストーリーであったのだが、「ただの早撃ちだけじゃチート勇者は倒せない」ことに気付いたという、見通しが三重の赤福餅より甘い作者によって、勇者を狩るためなら手段を選ばない賞金稼ぎギルドのエースになった。全体のストーリーも大きく変わった。


 名前の由来は、これもまたイーストウッド主演の映画『ブロンコ・ビリー』から。だけど、特に映画自体の内容は関係ない。


〇マコト・サイガ

 本作のヒロイン兼最強の勇者。白いローブを羽織った魔法使いで、手には錫杖しゃくじょうを持っているが、実はなくても魔法の使用には支障なかったりする。理知的な眼鏡キャラだが、全体の輪郭は丸く、幼い印象。特に描写はしていないが、鼻が小さくて眼鏡は常にずり下がっているイメージ。


 “前世”では法学を学ぶ大学生で、法学はおろか、そもそも大学にすら行ったこともない作者を悩ませる元凶。


〇ジュンヤ・サトウ

 今作における勇者という連中の尊大さと小物っぷりを描写しようと思い付きで出したら、思わぬ転がり方をしたキャラ。割と物分かりの良い子たちが多いので、重宝してる。


 授かった異能は不死身。だけど、それ以外には何一つ際立った能力が無いせいで、転生勇者の中では最弱。


〇コーザ

 本名古座康介こざこうすけ。歳はマコトの一つ下。『勇者狩り』の“異能チート”の設定を掘り下げる役目をまっとうすべく、見事なまでに情けない負けっぷりを晒してくれた豆腐メンタルな子。彼とビリーの“決斗”(←作者のこだわり)はお気に入り。


〇ケンジ

 マコトと同学年だが、大学受験には失敗しているので同窓生ではないパーティの参謀役。こげ茶色のベストにベレー帽を被せた、西部開拓時代からアメリカ禁酒法時代によくいる少年っぽい服装。広範囲の索敵や、敵の能力や精神状態すら見通す“千里眼”の異能を持つ勇者。


 あんまり表には出さないけど、小中高とずっと一緒だったマコトと同じ大学に入れなかったことに血涙を流さんばかりに悔しがった伝説を持つ、かなりの青春野郎である。


〇ピリス

 本名賀来陽菜がらいひな。勇者名に特に意味はない。SNSのハンドルネーム的な感覚で付けた。そのせいで、作者からもないがしろにされ、一カ所『ピリズ』と誤字があった。今から直す。


 頭も体型も、特に秀でたところもなく、それでもちゃっかり中学・高校・大学とキッチリ二人以上は彼氏を作っている獰猛なライオンガール。


 ぶっちゃけ普通。だけど、ほぼ生まれつき両親もいない境遇で普通なのも、わけのわからない異世界で普通なのも、ぶっちゃけすごい。普通ってすごい。


〇フー

 携える異能は『動物と話せるふれあい動物園』。十歳のお子様勇者。服装のサロペットは牧場主のディナとお下がり。五章時点で異能の底を見せていない強キャラオーラをしまいこんだ強キャラ。彼の活躍に全米が涙する(かもしれない)。


〇ボニー

 痴女。じゃなくてビリーの相棒賞金稼ぎ。実は、最初は本当にただの商売女で、名前も無かった。が、いつの間にやらナイフを持って勇者を切り刻んでいた。痴女改め女傑。


 名前の由来は『ボニーとクライド』で有名なボニー・パーカー。とはいえ、これもまた実在のボニーとはキャラ造形にまったく関係なく、スルッと出てきた名前をそのまま付けた。何となく、ボニー感があったみたい。外見は、金髪のペネロペ・クルスとスカーレット・ヨハンソンを足して二で割ったイメージ。分かりにくいったらありゃしない。


〇トゥーコ

 『勇者狩り』は、作品概要にも書かれているようにセルジオ・レオーネ監督の西部劇映画に影響を受けており、三章の中ボスだったトゥーコ(本名・藤田透一郎)は、『続・夕陽のガンマン』に出てきた同名のキャラと外見のイメージがそのまんま。なので、是非『続・夕陽のガンマン』は観て欲しい。『続』とはあるけれど独立した作品なので大丈夫。名作です。

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