第2話 勝ち誇った笑顔
DVLがGLFを認識してから二十分がたち、まだ緊張状態が続いていた。
ゆっくりと歩幅を意識しながら歩き、DVLとの距離を縮める。
『あれは、自立制御型のロボット。詳しいことは帰ってから教えるわ』と、志伊良が言った。
「これはどうやって倒したらいいんですか?」
『DVLの機体中心部を狙えばいいよ。前のタッチパネルから武器を選択して、すぐに武器を手配するわ』
言われたようにタッチパネルから、ライフルを選択した零は、ビルがライフルに変形したことに驚いた。それをさっと掴んでDVLに照準を向ける。
DVLは、唸り声をあげて勢いよく突進してきた。弾丸を打つが、全く歯が立たず、GLFが飛ばされた。
「クソ!! どうすればいい?」
『空を飛んで!! 翼はただの飾りじゃないわ。コントロールレバーを十秒間上に上げれば飛行モードに移る』
GLFがゆっくりと宙に浮く。ミカエルという名前と同様にもはや天使だ。
ライフルを空中から撃ちまくる。一気に周囲が爆発した。
右腕の部分を失ったDVLがまた唸り声あげて、こちらに拳銃を打ち込む。
また、ライフルを打ち込む。周囲のビルを巻き込みながらDVLは爆発した。『目標の活動が停止したわ』と、志伊良さんが言った。
『おめでとう、貴方の初体験は成功で終わったわね』
GLFをゆっくりと地に下ろし、DVLを確認しにいく。
崩れた残骸が、零を優越感に浸らせた。
§§§
「では、ゆっくりと説明するわね」
無機質な部屋で、零は志伊良による今回のことに関しての説明を受けていた。
部屋に空の赤い光が入る。もう夕方だ。
「今回、貴方が倒したDVLはアガリアレプトという自立制御型のロボット。実は……今、日本という国はDVL団体という、具体的に言ったら悪魔を信仰している宗教団体に、宣戦布告をされているの。アニメみたいな話でしょ。でも、これは本当の話で、政府はLP研究所と合同で新たな軍事兵器を開発した。それが、GLFという対自立制御型兵器有人二足歩行型兵器ミカエルなの」
「長い名前ですね」零は苦笑いを浮かべた。それを見た志伊良は立ち上がり、窓の外を眺めた。
「――ミカエルは、名前や姿を見たら分かると思うけど、天使をモチーフとしているわ。貴方はこれからもミカエルに乗ってDVLを破壊していってほしいの」志伊良は振り返り、微笑みながら言った。「これからよろしくね」と。
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