　ものを売り買いする時はルクルと呼ばれる貨幣を使います。ルクルは大陸中で共通の通貨で、各国の文化が反映された意匠が施されています。物価は地域によって変動しますが、400ルクルあれば1ヶ月不自由なく暮らせます。

　交易は経済の要です。ガレリス同盟は食糧の輸出率こそ高いのですが、技術用品は輸入に頼っています。グランベル帝国は作物が育ちにくい土地ゆえに食糧の半分を輸入で賄っていますが、魔術の発達により食糧以外の問題は解決しつつあります。ローザリア聖教は穀物生産高が高く、それを中心に輸出を行なっています。

　陸地での運び手は主に馬か、帝国においては飛竜が活躍します。同盟では街道の整備がされつつありますが、帝国は山がちで道を整備するのには大変な労力を要するため、飛竜の力を借りて移動しています。海を隔てた国とのやりとりには船が使われます。ダーナトラム海にいる海賊に対抗するため、商船でも武装をしているのが特徴です。貴重品の輸送には軍船が護衛につくこともあります。

　商取引の担い手は、ルードル商会の商人たちです。ルードル商会はどの国にも所属しない自由都市ルードルに本拠を置く巨大な商会で、その手は同盟、帝国、聖教それぞれに深く及んでいると言われ、各国の権力者たちにとって決して無視できない存在です。彼らの扱う商品は多岐にわたり、それゆえに〈よろず屋〉と呼ばれています。　