024:魔銀。
獲得DP:1184914
殺害数:12
捕獲家畜数:0
現家畜数:2
現DP:1202746
不労DP:142/h
【獲得アイテム】
・人間の死体×10
・ヴァルキリーの死体
・ホムンクルスの死体
・銀の長剣×5
・魔銀の長剣
・銀の短剣×2
・レックの魔杖×2
・ガリアの長弓×4
・魔化されたローブ×2
・チェインシャツ×12
・亜竜の革手袋×10
・銀の重鎧×2
・銀の軽鎧×4
・銀の全身鎧×3
・魔銀の全身鎧
・収納系魔道具【小】×12
・通信系魔道具×2
・鋼のナイフ×72
・この辺りの地図
・ハイポーション×2
・上級ポーション×24
・ポーション×60
・薬草×36
・衣類多数
・携帯食料と水
・金貨や銀貨がかなり
・馬×6
【獲得スキル】
《無缺偽装》
《魔力知覚》
《フレアバレル》
《雷光加速》
《斬撃》
《切断強化》
《剛防壁》
《多元城壁》
《ドラゴニックアロー》
《フリーズアロー》
《遠視》
《必中眼》
++++++++++
「……銀が多いな」
「ギシ〜」
「にゃー」
俺の強化フェイズはまだ終わらない。
うむうむ。
圧倒的満足。
俺は今回のリザルト結果をPCにまとめ終え、改めてそれを一覧にして見てみるとふつふつと今更ながら実感が湧いてきた。
頑張ったなー俺。
そして俺の配下。
一応、俺は毎回リザルトをデータとしてPCに残している。
集めたデータから見えてくるものが必ずあるからね。
大切よ?
データをまとめて記録として残しておくのって。
そういうとこ意外と真面目なのよね、俺。
例えば今回のデータからも分かることがある。
それはこの世界における『銀』の価値。
明らかにめちゃくちゃ使われている。
そこまで珍しくないものなのかもしれない。
当然、コイツらが精鋭だったからだとか、アルム王国の銀の産出量が独占レベルって可能性もあるから断定はできないけど。
そして明らかに、この国の兵士が少なくともEランクの冒険者よりは強いということも分かる。
手応え的にもそうだけど、装備が明らかに別格だし。
うーん。
でもやっぱ情報が足りないな……。
あの村娘たちを家畜化する前に色々聞いておくんだったなー、やらかしたー。
……行くしかないか。
情報収集がてら街か村に。
《無缺偽装》というちょうどいいスキルも手に入ったし。
まぁ、少なくとも《領域》が村の半分を呑み込むくらいまで広げてからだけど。
それにまだ不安だわ。
ダンジョンの外に出るのって。
一応、このダンジョン最高戦力だからね、俺。
行くならとりあえず村だけど、先の話だな。
んじゃ、リザルト再開ー。
今回死体が人間のものだけではない。
ヴァルキリーとホムンクルスの死体がある。
ヴァルキリーはあの女として……いつ殺したんだホムンクルス。
全然人間と区別つかんな。
─── いやー、思った以上にヤバいな、カンナ様。
何人も配下を王国に潜入させてるっぽい。
すげーわ、単純に。
情報も筒抜けだし、なんなら王族すら既にすげ替えられているかもしれない。
何が穏便派だよ。
裏から王国を牛耳ってるじゃねーか。
まっ、そんなことは最初からわかってたけど。
名前を聞いた瞬間、カンナ様とやらが俺と同じように選ばれたタイプのダンジョンマスターだとわかった。
なら、普通の人間なわけがない。
正常で常識のある一般的な人間であるはずがないんだよなー。
管理者Lの趣味を考えると。
そんな奴が穏便派?
面白いことを言うわー。
近々接触してくるかもな、カンナ様。
配下を2人殺したわけだし。
しかもけっこうな上玉。
でも、言葉の抑揚と顔の筋肉の緩み具合と目の動きと手の仕草から、あのヴァルキリーが嘘を言ってるとは思えなかった。
だからまあ、"ダンジョン内を視る"ことが出来ないというのは事実だろう。
つまり、殺したのが俺だとはバレていない。
あくまでこの辺りで死んだということ。
それが相手の持つ情報の全てなわけだ。
うん、いけるな。
温いわ。
相手は自身に恭順する者に価値を見出している。
だから派閥なんてものを作っちゃってるんだろう。
なら、いける。
嘘をつくの得意だし、俺。
はい次ー。
今回、俺に足りないものがひとつ明確になった。
それは─── 装備。
実力うんぬんの前にまず装備だわ。
俺の包丁……使えなくなっちゃったし。
そりゃそうだよなー。
包丁って武器として作られてないし。
だから当然、武器として作られたものとぶつかれば、当たり負けるのは包丁の方だわ。
……なんだよ包丁剣士って。
今更ながらふざけんな。
なんか"中級"がついて一層ダサくなったわ。
まぁいい。
装備については目処がついてる。
その目処ってのが───『魔銀』
……だっっっっっさ。
"魔"ってなによ。
この中で1番ダサいわ。
魔王なみにダサいわ。
他に良い名称なかったのかなー。
お前装備何使ってる?
あぁ、俺は魔銀製のヤツ使ってる……って絶対言えねぇよ。
恥ずかしすぎる。
真顔でそんなこと言えるやつ見てみたい。
……この世界、普通に居そうだけど。
───でも、性能はヤバい。
実は今、着てみてるんだけどね。
魔銀の全身鎧。
まず、サイズが自動的に調整された。
しかも、普通はいない翼の生えてる人用に変形するという。
ふぁんたじー。
あのヴァルキリーの姿が変わっても、鎧になんの違和感もなかった理由が分かった。
あの女と一緒に鎧も変わってたんだわ。
加えて、魔法を防げる。
これは半端ないな。
どのくらいの魔法まで防げるのかはわからないけど。
これは後で要検証だな。
あと、有り得ないほど軽い。
というか、質量を全く感じない。
すごい性能だわ本当に。
ただ…………………………
「……コスプレにしか見えない……」
「ギシッ、ギシシシ。似合ってるッすよボス……ギシシ……」
「うるせぇ」
ペシッ
「アタァッ!」
妙に凝ったスタイリッシュなデザイン。
極めつけがこの黒ーい翼ね。
それがどうにも……気合いの入ったコスプレイヤーにしか見えない……。
恥ずかしくて外歩けねぇよ……。
これが普通なのか……。
これが普通だって言うのか……。
この世界…………だいぶ痛いわ。
うー、こればかりは慣れるしかない。
さて、この鎧を黒くしとこう。
暗闇により紛れられるように。
えーっと……200DP、ね。
意外とかかるな。
ダメだ。
まだまだこの貧乏感覚が抜けない。
俺は石油王になったのに。
んで、最後にもう一つやることがある。
・武器変換[1000]:武器を他の武器へと変換する。質量の範囲内。
これ。
これで完璧。
俺は『魔銀の長剣』を『魔銀の包丁』へと変換する。
ギリギリ包丁2本に変換できた。
こうして、めでたく俺は魔銀尽くしの装備になった。
完璧だわ。
……ダサいけど。
あとは─── 魔道具。
初めての魔道具。
感想は、シンプルにすごい。
この世界の文明の一端に触れた感じ。
見た目以上にたくさーん物が入る四次元ポ〇ットと、携帯電話。
今回手に入った魔道具を簡単に言い表すと、そんな感じ。
通信系魔道具はヴァルキリーな隊長さんと、反対側のもう1人が持ってた。
事前に登録したもの同士で連絡を取り合うことができる……ぽい。
ちょっと調べてみた感じではね。
使う度にちょっとだけ魔力いるけど。
んー、リザルトの確認もあらかた終わったし、ダンジョンの強化でもしようかな……あっ。
その前に、確認しときたいことがある。
俺はくぅーっと翼を伸ばし、そのまま鎧を着た状態で『カタログだよん♧』をクリックした。
チェックするのは───ヴァルキリーだ。
何となく確認しておきたくなった。
本当に10000000DPなのか。
俺はカタログのモンスターの欄をスクロールしていく。
カタログはDPが低い順に並んでいるので、スクロールすればどんどん創造コストの高いモンスターになっていく。
そして、数秒。
ついにヴァルキリーを見つけた。
ただ………………1000000DPだった。
桁が1つ少ない。
1000万ではなく100万。
嘘をつかれた……と一瞬思ったが、どうもそうではないのかもしれないとすぐに思い直す。
なぜなら、ヴァルキリーの前後がガッツリ1000万単位のモンスターだったからだ。
例えばヴァルキリーのひとつ上は『インフェルノドラゴン』で10001000DP。
ひとつ下が『フェンリル【亜種】』で9999000DPである。
そう、不自然にヴァルキリーだけ100万DPなのである。
「いやーおかしすぎるわ」
「にゃー」
「な、ルルもそう思うよな」
「ギシー」
「お前はうるせぇよ」
ペシッ
「アタァッ」
それから俺はしばらく考えた。
そして、ひとつの可能性気づく。
それは─── 種族。
あの女の姿はどうも俺と似通っていた。
翼を持つ以外にはほとんど人間と変わらない見た目。
もしかすると……『ヴァルキリー』ってのは、『堕天種』の近親種族なのかもしれない。
すると、さらに仮説が浮かび上がる。
その仮説を検証すべく、俺はカタログを再びスクロールする。
そして───
「やっぱり……やっぱりだ間違いない。こんな超重要なことを言わないって、何考えてんだよ管理者L……くたばれ」
やはり、俺の仮説は正しかった。
カタログを見渡せば、どうも『天使系』と『悪魔系』の魔物が不自然に安いのだ。
具体的にはその前後の10分の1のコスト。
近親種族は─── どうやら他の魔物に比べて、圧倒的な低コストで創造できるらしい。
……ふざけんな。
これは重要すぎる。
絶対に最初に伝えるべき内容だろ、死ね管理者。
それと……俺は天使系と悪魔系両方の近親種族なのか……。
相反する種族な気がするんだが……天使と悪魔って。
……でも、獲得DPが100万代だったのはなぜだ?
単純にそういう仕様とか?
殺して獲得できるのは創造DPの10分の1になる……みたいな。
まあどうでもいいか。
あのクソ管理者の考えることなんて、完璧に理解することなんてできないんだし。
…………。
…………。
…………。
いやいやいや!
まじか、これはヤバいって!
あんな強いヤツ創造できんの、今。
ヴァルキリー創造できんの、今!
やべー、やべーよこれは。
一気にうちのダンジョン強くなるわー。
やるしかないっしょこれは。
あのとんでもな強さを実感したヴァルキリーは、創造しないといかんでしょうよっ!
……っと、意気揚々と俺はヴァルキリーを創造しようとしてたんだ。
その時、俺のダンジョンとしての感覚が告げる。
侵入者の存在。
しかも、分ってしまうことはそれだけではなかった。
その侵入者には────天地がひっくり返っても絶対に勝てない。
俺は確信する。
やべ、カンナ様来た。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます