第16話【呼び出しボタン】

 〝ある建物内にて〟


 温かな日が射し込む室内。


 ここに白髪の老人が、コーヒーを片手に一人掛けの椅子に座っている。


 彼は、1日の半分をいつも同じ場所で過ごしていた。


 しかし、いつも同じ時間帯になると『お腹が空いた』と、地団駄を踏む始末。


 どうやら、困った事があるみたい。


 気になりますか?……では、ちょっとだけ覗いて見ましょう。


 ☆


 昔は1000年に一度の天才と言われた博士『すみましぇ~ん、店員さ~ん!?。Aランチセットはまだですか~?』


〝ポチポチポチ〟……待てども待てども来ない。


 再度挑戦。


 昔は1000年に一度の天才と言われた博士『すみましぇ~ん、店員さ~ん!?。Bランチセットはまだですか~?』


〝ポチポチポチ〟……待てども待てども待てども来ない。


 再再度挑戦――――


 昔は1000年に一度の天才と言われた博士『すみましぇ~ん、店員さ~ん!?。Cランチはまだですか~?』


〝ポチポチポチ〟……待てども待てども待てども待てども来ない。


 再再再度挑戦――――無限ループ


 ☆


 その光景を幾度もなく見ている者が一人、柱の影に隠れていた。


 見習いの研究員『くそっ、。数日前からボケた博士が、この〝研究所〟を木っ端微塵に出来る当たり確率1/10000のボタンを押して続けている。まぁ

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