第66話水の輝きとは

「これでいいわね」


「マリー様」


「キリウスどうしたの?」


「今エブァン達が木の排除が終わり、木を加工して材料の建物に運んでおります」


「あの大量の木終わったの?」


「はい、クオンがどんどん抜いてくれたので早かったですよ」


「みんなに悪いことしたな」


「マリー様気になさらないでください。みんなマリー様の事分かってくれていますから」


「そう言ってもらえると嬉しい」


笑顔を向けると


顔を片手で埋めているキリウスがいた。


「どうしたの?」


「いえ、なんでもありません。それよりもここは済みましたか?」


「ええ、すごく良くなってるわ」


「それは良かったです」


マリー様の笑顔は狂気になるな。思わずドキっとしてしまった。あの笑顔にやられない奴いないと思うぞ。自覚がないのも厄介ものだ。こないだクオンがフェロモンにやられたと言っていたが、俺もエバァンから教わっておいた方が良さそうな気がするな。抑えられているとはいえ、フェロモンが笑顔だけでも出ているし、これが全開になったらと思うと………教えてもらう事にしよう。


「お茶の準備をしますから城へ」


「そうね」


2人は城の大広間に行った


お茶を飲んでゆっくり!


「マリー様」


「なに?」


「1つお聴きしたいのですが、水の輝きは存在しているのでしょうか?」


「そういえばラジットが言っていたわね」


「はい、ラジットが5年ほど探したそうですがどこの都市にもなく諦めて戻ってきたと言っていましたから」


「私も聞いた事がないのよね。もし心当たりががあるとすれば川の底だと思うのよ」


「あそこですか」


「うん、キリウスその水の輝きってなんなの?」


「俺のばあちゃんが話してくれた昔話何ですがあの時なぜかあると確信したんです。今ではそれすらなんで確信したのかは忘れましたけど。間違いなくあの時はそう思ったのです」


「なら、探しましょ」


「え!」


「だって探していたのでしょ?」


「そうですが、それではみんなに」


「いいのよ。キリウスとメルアと行けばいいでしょ?」


「それは、、、私情ごとでマリー様の手をわずらわせるなんて」


「もー、どっちなのよ。行くの?行かないの?」


「………行きたいです」


「決まりね」


「本当に行くんですか」


「しつこいわよ。それだと女の子に嫌われるからね」


「わかりました」


「すぐではないわよ。もう夕暮れだし、明日一番で行きましょう」


「はい」


「キリウスがおばあちゃんから聞いた昔話聞かせてよ」


「はい。昔、水が枯れると災いが起きると言い伝えがある村がありました。そこは水に恵まれており、村中に水が流れそこを船が通るほど大きな水路もあるほどの村でした。


村人は水を大切に言い伝えを大切にしてきたのですが

ある日、その言い伝えがくそくらえだと騒ぎ出す者が現れ、洞窟を発見し奥地に足を踏み入れると、文字が岩に刻まれていました。水が枯れると災いが起きる。病気がまんえんし、住める場所では無くなるだろう。読み終えると、でたらめばかり、今までそんな事はなかっただろうが。水が湧き出る入り口に石で蓋をしました。

そこが水の流れを作っていた根源だったのにも気がつかずに。


水は枯れはじめ、水が腐り病がまんえん。次々と村人が死んで行きました。石で水の入り口に蓋をした者も例外ではなく病に伏せて、蓋をしめた事が分かると村人達は彼を攻め立て追い出そうとしましたが、1人の男がそれを止めたのです。

その男は、話を聞きその場所に行くと、たしかに小さい石が入り口に詰められ、これを取り除けばいいと一生懸命になって取り除きましたが水が出る事はなかった。その男は一粒の涙を流し、訴えました。私の母や皆を救ってくれ。俺たちがやった事は許されるものではない、それでも一度でいい一度でいいから。

一粒の涙が水の入り口に落ちるとそこから輝きを放った物が浮かび上がってきた。恐る恐る手にすると、一度だけだよ。そう言って光が消えた途端入り口から水が出始めました。村も人も助かりそれ以来、水を大切にしました。という話です」


「水の輝きを手にすれば水には困らないってことになるわね」


「俺のばあちゃんに聞いたのは水の輝きは根源から水を呼び覚ます物だと聞きました」


「キリウスはなんで水の輝きが欲しかったの?」


「欲しかったのではなくて嘘だと言っていた奴らにある事を教えてやりたかったのがそもそもの始まりで」


「そうだったの」


「始まりはそうかもしれないけど今は?」


「欲しくはないですが見てみたいです。俺もラジットも本当にあると確信したあの時の気持ちを大事にしたいです」


「わかったわ。それにしてもさっきのフレーズ誰かににているような?」


「え!」


「まーいいわ。行ってみればわかるわね」


コンコン!


「マリー様こちらだと伺いましたので来ました」


「エブァンにほかのみんなご苦労様」


「いえ、言葉の発端は俺でしたので」


「エブァンに悪いことしたわね」


「私も軽率でした。みんなの前で言えばこうなる事くらいわかりようなものでしたのに」


「そう行ってもらえるとありがたいわね。私ももう少し考えないとね」


「マリー様考えを教えていただければ私も考えてお伝えできると思いますので、やる前に教えて下さい」


「それでいいの?」


「そうしてもらえると助かります」


「わかったわ」


「それで2人で何を話されていたのです?」


「エブァン、明日川の底行ってくるわね」


「また、急ですね」


「うん、水の輝き探しに行くのよ」


「水の輝きですか。どうしても行かれるんですよね」


「うん」


笑顔を向けると何人かが頭を下に向けていた


「お前らちゃんと結界張っとけとさっき言ったばかりだろうが、いいかげんやれ」


「キリウスは知らなかったな。後で教えてやる」


「頼む」


可愛すぎる。


男達の共通の答えとなっていた。


「エブァンはここで仕事していて」


「誰を連れて行くのです?」


「キリウスとメルアよ」


「せめてもう1人連れて行く事は出来ないのですか?」


「うーん。!!アメールは?」


「まーいいでしょう。ちゃんと連れて行ってくださいよ」


「俺はここでやる事していましから」


「エブァン頼りにしているね」


妨害してても可愛いいと思うのは仕方ないか。下を向いて鼻血を出しかけている奴らよりはマシだ。


「はい。お茶のおかわりは?」


「もういいわ」


コンコン!


「入れ」


「マリー様がお戻りと聞きましたので夕食をお持ちしました」


「リリィ」


抱きついた。


「どうされたのです。マリー様」


「リリィのご飯久しぶりだし違う所で食べるよりリリィのご飯の方が美味しいのよ」


「そうでしたか。それでは思う存分腕をふるいましょ」


「やったー!楽しみにしているね」


「なんかマリー様可愛い」


リリィも抱きしめてくれた


バタン、バタン、バタン、バタン!


「大丈夫ですか」


「ほっといて大丈夫だ。リリィ楽しみにしているからね」


「はい、エブァン様も素敵な紳士ぶりですからね」


笑顔で去っていった


「エブァン、私フェロモン出てたかな?」


「はい!ですがこいつから悪いんですよ。いちいち構っていられないのでこの程度なら放ったらかしで大丈夫です」


「うー、それならいいけど」


「顔にも仮面とかつけた方が」


「そこまでマリー様がする必要はありません」


「でも、クオン、イブリース、イージェス、キリウスまでも。これ重症だと思うよ」


「ちゃんと明日までに叩き込んでおきますからマリー様はお気遣いなく。それとここの外はファティマに頼んで結界に組み込んでもらっているので、学民がこいつらと同じになる事はないので安心してくださいね」


「通りで普通だったのね」


「結界より外は効果ありませんから気をつけてください」


「それなら仮面あるわよ」


「いるんですか」


言い出したら止まらないからなマリー様は


「それでは、私が作って」


「あー、それはいいゲレガイに頼んじぁだから」


危なかった。エブァンのセンスは特に悪いのよね。もし頼んだら、仮面舞踏会みたいなのが渡されそうで怖い。それは絶対に嫌だ。


なんか寒気がした!


エブァンの方を見ると何か持っている。いやーあれは嫌だ。予想通りだよ。センスは皆無だ。


「もうですか?」


なんだせっかく仮面舞踏会で使ったやつに魔法交付しようと思ったんだけどな。


「私は早いわよ」


「わかりました」


エブァンが懐から出そうとしていた物をしまい込んだ。


今までずっと懐に入っていたってことよね。いつも持ち歩いているの?なぜ?


疑問は残るもののそれには触れないようにして


「私ゲレガイの所に行ってから食事にするわね」


「は!ではお待ちしております」


「待たなくていいわよ」


「ダメです、クオンが全て食べてしまいますから」


「そ、そうなのね」


「はい!」


そんなドヤ顔で言われても


「なるべく早く帰ってくるわ」


「そうしてください」


キー、パタン!


さて、こいつらいつまで伸びている気だ?マリー様が戻る前に教えて叩き込んでやる。


「お前らいつまで寝ている。さっさと起きろ」


バシ、バシ、バシ、バシ


頭を叩き起こして回った



「ゲレガイいる?」


「お!マリー様今度はどうしたの?」


「今度って」


「だってマリー様俺の所来る時大抵何かしらでどうにもならなくなる時が多いいから。いや全部そうだったね」


「ゲレガイ貴方言うようになったわね」


「だって本当でしょう」


「ゔ!」


「それで?」


「私の顔からもフェロモンが出て収まりが効かなくなっているようなのよ」


「多分それ大人になった影響じぁない?」


「大きくなるとそういうのは増すって言うし」


「そうなの?」


「本人にはわかりずらいかも」


「それでねそれを抑えるのに仮面とかで抑えられないかと思って」


「仮面がいいの?」


「え!それ以外でもあるの?」


「イヤリングとかは?」


「それがいい」


「それならイヤリング探してきて」


「わかった」


2つ目の異空間を開いて中に入ると


「片付けてある」


「あ!マリー様だ」


「どうしたの?」


「そうだった、みんなにお土産。ごめんね半分になっちゃったけど」


花粉の半分を物達に渡した。


「これこれ、欲しかったやつ」


「それどうするの?」


「それはね、こうするの」


物に花粉をつけると不思議なことに綺麗になっていった


「きれになっている。新しい物みたいになっている」


「そうなんだ、これはね木が材料に使われていればみんな綺麗にできるだよ」


「どんな原理?」


「うーとね。花粉が付くと木に魔力が行き渡り元に戻るってことかな」


「なるほど、今までは木には魔力がなくて外から供給していたのが中に魔力が入ったことで元に戻せたってことね」


「あんな説明でよく理解するよね。流石物の王だけある」


「あら、褒めてくれてありがとう。ここにイヤリングない?」


「あるよ」


「これ?」


「それでいい」


「マリー様、そのイヤリング気をつけて噛むから」


「噛むの?」


「うん、主人に認めてもらわないといけないからまずはそのイヤリングに魔力をありったけ注いで見てそれでイヤリングが泣いたらマリー様の物になるよ。マリー様だから大丈夫だよ。普通の人がやったら噛まれて、魔力吸い取られるだけ吸い取られて倒れるけどね」


「なんかそれ、エゲツないやつなんじぁ」


「マリー様は平気だよ。イヤリングつけたら直ぐに魔力入れてね。すぐだよ」


「わかった」


つけてすぐ魔力を注入した。しかも倍速で。


「マリー様もういいよ。めちゃ泣いてる」


「何これ肩ビチャビチャなんだけど」


「そりゃそうだよ。そんなに魔力入れたら誰でも泣くよ」


「そんなに凄かったかしら?」


「いや、すごいを通り越してやばいの間違いだよ」


「ごめんね」


「すぐに魔力返してもらうわよ」


「それぐらいでいいみたいだよ」


「これ、話さないとわかりづらいわよ」


「え!」


「え!じぁなくて貴方達も話すんだから、このイヤリングも話してもおかしくはないでしょ?」


「そうだけど、普通話すにはそれなりの時間と魔力が必要で物と魔力がなじまないと無理なんだよ」


「時間は無理だけど、魔力とイヤリングが馴染めばできるのね」


「うん。でも、馴染むには時間がって。始めてるし、最後まで聞いてよ」


「何か言った?」


「なんでもないよ」


「僕?話せるの?」


「ほら出来たよ」


「できたってレベルではないよ。普通できないからね」


「出来たんだから細かいことは気にしないのよ」


「あー、うん」


王だから出来ても不思議ではないが驚くよ


「よろしくね」


「僕お話出来るようになったんだね」


「そうだよ。マリー様に感謝しなよ」


「マリー様ありがとう」


「これからずっと一緒だからよろしくね」


「それどう言う事?」


「実は………って事なのよ」


「お前ずるいぞ。そんな抜け駆け許すわけないだろ」


「僕」


「こら、そんなにしたら可愛いそうでしょ」


「だってー」


「わかったわよ、それなら代わりの物用意してよ」


「うん」


「これなんかどう」


「1つ聞くけど、さっきみたいになったりしないわよね」


「これはただのイヤリングだよ」


「それならいいけど、さっきみたいに泣くとか噛むとか、意思が込められているのはダメだからね」


「それなら平気」


「これ貰うわね」


「うん」


「仲良くしてるのよ。しないと」


「大丈夫だからマリー様。ちゃんと仲良くするから」


「ならいいけど、私戻るわね」


「またね」


「またね」


異空間に戻っていった。


「ねぇ仲良くしないとなんでダメなの?」


「それはマリー様が望むから。もし頼んだ事以外をすれば僕たちはここにはいられなくなる。正確に言えば消えてしまうんだよ。物の王が望む事以外は出来ない。でもマリー様の望みは仲良くして、僕たちがしたい事してもいいし、手伝う事もマリー様の望みだから僕たちは自由にしていられるんだよ」


「君もマリー様の配下になったんだからちゃんと仲良くしないとね」


「わかった。みんなに紹介しに行くよ」


「いいの?」


「もちろん、これは僕がしたい事。マリー様の望みと同じ」


「君もみんなと会いたくはないの?」


「会いたい」


「それなら君のしたい事はみんなに会う事それがマリー様の望みと同じなんだよ。いこー」


「うん」


物達はみんなの元へ向かっていった




「ゲレガイ、持ってきたわよ」


「遅かったですね。それが、、、」


「また、何かにすぐ捕まるんですからねマリー様は」


「私のせいではないわよ」


「それにフェロモンの防御魔法を付与してください」


魔法交付を施した。


「これでいいかしら?」


「また、強力な付与をしましたね」


「これでもかなり抑えてやったのよ。普通にしたらこうなるわよ」


右手を空中に掲げて魔方陣を出した


「これは、すごい」


「そうでしょ。これ究極魔法最終形態なのよ。これこのイヤリングにしたらこのイヤリング壊れるわよ」


「確か壊れますね」


「だからほどいて組み替えてを10回も繰り返してようやく壊れない程度の魔法交付に出来たんだから。これはこれで苦労したのよ」


「ある意味、そっちの方が凄いといいますか」


「なんか疲れたよ」


「それ、魔力使い過ぎだと思いますよ」


「え!」


「ほら、指輪反応してますよ」


「本当」


「指輪からではなくてせっかくここにいるんですから直接触ってください」


「こう?」


「いや、俺じぁなくて」


「こっちですよ」


「こっちね」


「何を今更しているんですか」


「ちゃんと効果あるか確かめないとね」


「あのですね。僕には通じませんよ」


「どうして?」


「マリー様忘れているのでいいますが俺魔力そのものですからね」


「言われてみればそうね」


「この体もマリー様がわざわざ俺の為に作ってくれたものなんですから。魔力で人型になっているのが大変だろうからって」


「すっかり忘れていたわね」


「そうだと思いましたよ」


「スッキリした」


「それは良かったです。最近ではここの魔力もだいぶ落ち着きましたし何よりですよ」


「何かあったの?」


「マリー様が魔力を大量に送り込むからもう少しでここがいっぱいになる所だったんでよ。今はここの魔力使ってくれているからだいぶ減りましたが、それでもあの球体の三分の一も使ってないんですからね、どんどん使ってくださいよ」


「送り込むのはもうすこし減ってからにしないと同じものもう一つ作ってもらわないといけないんですから、わかりました?」


「そんな怒らないで」


「怒りたくもなるんです。ここいっぱいになったら僕消えますからね」


「え!」


「言ってませんでしたか。あくまでもここの魔力管理の為に自我を持っただけですから、もし必要なくなれば俺は消えますよ」


「それ早く言ってよね」


「今言いましたよ」


「もーそれならもう一個作る」


「はぁ?」


「これ簡単に出来なかったの知っているでしょう?」


「そ、れ、が出来るようになっちゃったのよね」


「こないだ木から究極魔法教えてもらったからそれで全て作れるようになったよの。もー簡単の一言よ」


「マリー様作れるからと言って大量に作るのだけはやめてくださいよ。いいですね一個でいいですから」


「大丈夫よ。ちゃんと一個だけ作るから」


「お願いしますよ」


…………


「どこが一個ですか」


「おかしいな。これが」


「うーわー待ってもういいですから。しなくていいです」


「そお?」


「それでこの10個どうするですか」


「え!このままここに置いておく………嘘よ。ちゃんとこれと同じようにするからね」


「それならいいですが」


30分後


「これでいいわね」


「さっきより豪華になりましたね」


「そうでしょ。見た目良くすればゲレガイもここにいても嫌にはならないでしょ?」


「そんな気遣いするなら、せめて1つにして欲しかったです」


「それ言わないで」


「エブァン達待っているから戻るわね」


「はい」


扉を開け大広間に戻るのだった

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