第67話水の変化

「おかえりなさいマリー様、遅かったですね。何かありましたか?」


エバァン感が鋭い!


「ええ、食事をとりながら話すわよ」


食事を楽しみながら会話を進める


「また、マリー様加減しなかったんですか?」


「いや、したのよ。しても10個できてしまってあれ以上は難しいのよ」


「マリー様ここで展開して見せてください」


「これよ」


「うーん。これかな」


「なにが?」


「ここの部分を俺が出しているのと同じに組み替えできますか?」




「ここね」


「はい」


「これでいいかしら」


「それで今度ほかの物を作るときに使ってみてくださいよ」


「わかったわ」


ガシャーン!


「どうしたの?」


「すみません、手が滑ってしまって」


「怪我してない?」


「それは大丈夫なのですが」


「なにが問題でも?」


「これ今日マリー様に見ていただこうと用意した大皿でして、これが良ければまた作ると言っていたのです。それが割れてしまって」


「エバァン、さっきの使ってみようかしら?」


「丁度いいですね」


このかけらを集めて


「なにを?」


「し!黙ってて」


この魔法陣を展開起動。


「エブァン出来たわ」


「ええ、3枚になりましたけどね」


「え!」


「数は少なくなったのですからいいと思いますよ」


「そうかな」


「これでいいです。また、大量になるよりはマシですから」


「わかったわ」


「お腹いっぱい」


「結構食べましたね」


「だって久々にリリィのご飯だったから」


「お茶いれますね」


「お願い、それにしてもクオンすごいね。どこにあの量入るのかしら?」


「クオンはいつもああやって残りを全て平らげていますよ」


「そうなの」


「クオンは猛獣ですから不思議ではないですよ」


「それもそうだね」


エブァンが入れてくれたお茶を飲み干し


「そろそろお開きにしましょう」


「はい」


お風呂に入って自室に戻った。


ゆっくりする時間も前よりはすこし出来たし、水の輝き探しが終わったら、仲間を探しにいこうかな。ここはみんなにまかせて。あーでもエブァンは誰か連れて行けと言うだろうし。誰にしようかな。何かあった時はエブァンがいた方がいいし、キリウスがいないと警戒が疎かになりそうだし、悩む。誰にしよう。


悩んでいる間に朝を迎えてしまった。


コンコン!


「いいわよ」


「失礼します」


「エブァンおはよう」


「おはようございます、食事の用意が出来たので」


「今行くわ、ねぇエブァンもし誰かを連れて歩くとしたらエブァンなら誰を連れて行く?」


「どこか出かけるのですか?」


「先に水の輝きを探すけど探し終えたら出かけに向かいたい所がいくつかあるのよ」


「どこですか?」


「まずは魔物の山、地下、猛獣区、神秘の森、空中都市でしょ」


「ちょっと待ってくださいよ。そんなに行くんですか?」


「うん、人探しにいくのよ」


「もしかして前に放った水晶のかけらですか?」


「エブァン当たり。流石ね」


「無理ですよ」


「なんで?」


「まだここの受け入れの体制が」


「そんなに員数はいないわよ。多分」


「多分ではダメです」


「わかったわよ。今調べるから」


「調べられるのですか?」


「出来るようになったのよ」


「調べてください」


魔法の帯を作り上げてそこに光るものが10個あった


「エブァン、10人よ」


「この帯何ですか?」


「これはね、水晶が取り付いた者だけがこの帯に反応するようになっていてかけらが10人に集まっているのが分かるわ。それ以外にはこれとこれはまだ探しているようだからこの二つだけは呼び戻すわ」


「今からですか?」


「ええ、すぐ終わるから」


帯に二つ程の光る点に指を触れると跡形もなく消えた


「マリー様、ありませんが?」


「もうじきここに来るわよ」


「え!」


ドン!ドン!


「ほら来たでしょ」


「たしかに来ましたけど、これどうするんですか。穴空きましたよ」


10センチ程の穴が空いている。


「塞げばいいのよ」


近くにあった棒を穴が空いている所に刺した


「これでいいわね」


「よくありません。後でちゃんと直してもらいますから。マリー様はここで水晶を呼び戻すのはやめてくださいよ。まだ残りが何個か増えたように見えましたから」


「別に穴の一つや二ついいじぁない。棒を指しておけばいいのに」


「ダメですよ。穴だらけになるのが落ちなんですから」


「わかったわよ」


「食事を召し上がってください。皆マリー様を待っていますから」


「いいのに、わざわざ待たなくても」


「そうはいきません」


「それ毎回だと疲れるから、できれば各自で食べてよ。私は部屋がいいよ。楽だし」


「はぁーわかりました。明日からそうします、ですが今日は来てください」


「今日だけよ。それならなにかのお祝いの時ならみんなで食べてもいいわよ」


「わかりました。皆にはそう伝えておきますから」


「着替えて行くわ」


「はい、待っています」


エブァンが部屋から出ると着替えを済ませて下に降りていった。


結局誰を連れて行くかは決まらずじまいで終わった。


今日はキリウスとメルアを連れて川の底に向かう事になっていた。


下に降りて食事を済ませる


「それじぁ、みんなここを頼むわね」


「はい、お気をつけて行ってきてくださいね」


「ええ、キリウス、メルア行くわよ」


「は!」


「はーい」


魔法陣を展開して移動した


「到着!」


「あ!マリー様」


「キュウ久しぶりね。おみあげ持ってきたわよ」


「マリー様、これって?」


「リリィ特性、キュウの専用料理」


「あれは?」


「それがね、花粉半分使っちゃったんだよね。だからまた行くからその時もらうよ」


「マリー様はもう。わかったこれで我慢する」


パク!


「なにこれー、美味しい」


「そうでしょ。だから許して」


「許すよ。今度からこれがいい」


「あら、そう。それならまた作ってもらうからね」


「楽しみにしてる」


「そうして」


「それで、今日は(モグモグ!)何しに来たの?(モグモグ)」


「もー食べながら喋らないの」


「うん(モグモグ)」


ダメだ。めっちゃ頬張って食べてるし


「今日は、水の輝きを探しに来たの、あるかどうかは分からないけど」


「それなら川の中探したら?(モグモグ)」


「川の中?」


「そう(モグモグ)」


「キュウ、全部食べる気だよね」


「(モグモグ)そうだけど(モグモグ)」


もー、いいです食べてて。


呆れ顔のマリーをよそ目にキュウに持ってきた特製の食べ物を食べている


「水の輝きって(ごっくん!)水なんでしょ?それなら川の中にあってもおかしくないと思うわよ」


「キリウスなら、簡単に探せるでしょ?」


「いや、それは調べたんだ。だがなかった」


「そう?本当に探した?」


「どういうことだ?」


「人魚がいる所も探したのかと聞いているんだよ」


「はぁ?」


「メアル教えてあげなよ」


「うん、人魚のいる場所は人や他の者では消してわからないようにしているから、探してないと思うよ」


「そうなのか?それでも水があれば探せていると思うぞ」


「無理ね」


「なんでだ?」


「特殊な水なの。普通川の水や雨水、人が飲む水、湧き水はキリウスでも探せる。もちろん水脈もね。でも人魚は特殊な水で過ごしているからさっき言った水とは種類が違う。だから無理なのよ」


「特殊な水とはなんだ?」


「しょっぱいのよ」


「わけがわからん」


「水に味がついていると言った方がわかるかしら?」


「まあいいわ、ついてきて」


「私ここにいるわね」


「ダメよマリー様も来て」


「来ないとダメ?」


「ダメ」


「仕方ない、私も行くわよ」


「そうだ、マリー様にこれあげる」


「何これ?」


「人魚の鱗」


「これもらってどうするの?」


「これね特別なんだよ。絶対に手に入らない物だから大切にして」


「わかったけど、どうするのよこれ」


「その鱗を足につけてみて」


「わかったわ」


ぺと!


「え!えええ私人魚になっているわよ」


「そう、それは人魚になれる優れもの。私の鱗をあげたから水の中は簡単に泳げちゃう。マリー様可愛い」


「キリウスはそんなのなくても平気でしょ」


「ああ」


「川の中へ出発」




川の中



「これ便利、泳ぎやすい」


「マリー様」


「どうしたの」


「申し訳無いのですが陸に上がったらすぐに着替えてください。フェロモンが」


「え!これもダメなの?」


「いえ、水の中では大丈夫なのですが外に出ると」


「いいわよ」


「よろしくお願いします」


「キリウス、マリー様こっち」


川の中の岩場がひしめく所に穴が空いていた


「ここ?」


「そう、ここを通るんだよ」


「通る?」


「うん」


「ここなら俺も調べたぞ」


「いいからついてきて」


穴の奥の奥へ進む


「まだいくの?」


「もう少し先になる」


しばらく進むと


「なんだこれ?」


「キリウス気がついたわね」


「ああ、これは泳ぐのにかなり、、、」


「やっぱりダメだったね。これ貸してあげる」


「これは?」


「腕輪」


「それはわかるが」


「しょっぱい水でも泳ぎやすくなるんだよ。つけてみて」


「すごいなこれ」


「へへへぇ!マリー様にあげようと作って置いたんだ。後で返してよ。マリー様にあげるやつなんだから」


「助かる。これで泳ぎやすくなった」


「キリウスよかったわね」


「実は今あげた鱗とその腕輪を着けると素敵なことが起きるだよね。でも、それは後でのお楽しみにしておいて」


「そうなの?それなら早く探すの終わらせて付けたいな」


「そうでしょ」


「うん」


「マリー様って可愛いのになんで恋人いないの?人はそういう人いるって聞いたよ」


「え!」


ドキ!


「そんな事誰から聞いたのよ」


「物達が教えてくれた。人は恋人作って結婚するってそれで子供作るとも言っていたよ」


「あははは」


余計な事を教えて。私が好きにしていいって言ったから仕方ないけど。


「違うの?」


「合っているわよ」


「作らないの?恋人?」


「今はそんなのしている場合ではないわよ」


「そうなんだ。でもマリー様が恋人作ったら会わせてね」


「作る気はないわよ」


なんだ、作る気はないのか。あいつらが聞いたらガッカリするだらうな。その中に俺もいるのがなんだろうか。いや待てよ。これから先もしかしたら。


2人の会話を聞きながらキリウスは考えた。


「ほら着いたよ」


「綺麗」


「これは見事だ」


2人の目の前にどこまでも続く広い大陸が広がっていた。


「これ水の中よね?」


「そうだよ」


なんか現代にある海みたい


「これ海?」


「マリー様よく知っているね」


「ここにもあるんだ。海」


小声で呟いた。


「ここにも?」


「いや、なんでもないよ。それでどこに人魚の居場所があるの?」


「ここ」


指差す先を見る


「ここって岩よね」


「そう」


泳いで手を触れてみる


「あ!」


「合ったでしょ。マリー様と私、キリウスなら入れるようにしてあるから大丈夫。その鍵がマリー様にあげた鱗、キリウスに貸した腕輪なんだよ」


「それ以外は、ほら」


魚がそこを通り過ぎていった


「ほんとだ」


「いくわよ」


「うん」


「ああ」


中に入るとそこには人魚達が泳ぎまわり、岩を利用した家々が並んでいた。奥の方には巨大な岩がそり立っていた


「ほらあそこにいくわよ」


「あの巨大な岩の方?」


「うん」


「メアル様、その人誰?」


「後でね」


「こっち、こっち」


岩の前に入り口があり中に入る


中は吹き抜けになっていて目の前に穴が無数に空いていた


「こっちっよ」


メルアが右側の一つの穴に入りそれに続く


「ここが私のお家」


目の前に広がる光景は圧倒されるものだった。まるで花が咲き乱れているかのようにサンゴやイソギンチャク色とりどりに彩られその中央にサンゴの椅子があった


「メルア、お家すごい綺麗だね」


「えへへ。可愛いでしょ」


「可愛いより綺麗」


「メルア様お戻りになったのですか?」


人魚達があちらこちらから現れる


「この人だれです?」


「みんなをここへ」


「はい!」


人魚の1人が泡を出し始め、それがどんどん小さくなり細かい泡へと変わる


「お行き」


言葉と共に散って行く


「まもなく皆ここへ来られます」


「わかったわ」


言葉通り、すごい数の人魚達が現れた。


「マリー様、キリウスこっちにきて」


メルアの隣に立つと


「みんな聞いて、この方はアンダーマリー様。私の主人よ。そしてその隣にいるのはマリー様の側近になっている人キリウス失礼の無いように」


「この方、以前申し上げていたマリー様なのですね」


「この子は私の側近でムアン私の身の回りの世話をしてくれているの」


「もしかしてメルアって女王?」


「そうだよ、あれ言わなかったけ?」


「言ってないわよ。もしかして私とんでもない人魚を配下にしたの?」


「今頃気がついたの?」


「うん」


「それならもしかしてマリー様が仲間にした人魚達私含めて8人王か女王をしてっるて知らないでしょ」


「え!」


「やっぱり、マリー様どこか抜けてるんだよね。説明するけど


炎の人魚  アメール 姫


水の人魚  私 女王


緑の人魚  ミー 王


土の人魚  レデー 王


光の人魚  コク 女王


闇の人魚  ライ 王 」


「そうだだのね。知らなかった。でも、アメールだけ姫?」


「うん、炎の人魚の居場所に行けないからね。あの子ははぐれてしまってずっと探しているけど見つからないと言っていたわ。マグマの中は流れが急速で常に居場所を移動し続けているせいでね。だからあの子がそこにたどり着けばアメールは女王になるのよ。別のものがなる事はないから」


「そうなんだね」


「マリー様本題に」


「私は水の輝きを探しにきたの。皆知らないかしら?」


「メルア様それって」


「多分これの事よ」


雫の中にダイヤ形をしたのか入っている物を手にしていた。


「メルアが持っていたの?」


「正確に言うと持っていたのではなくてここでしか存在しない物。ここから外へ出してしまえば消えてここへ戻るのよ」


「それじぁ、昔話は嘘だったのか」


キリウスが顔を下に向けてしまった


「いいえ、その昔話は本当にあったものよ。だって私が助けたのだから」


「はぁ?」


「水の輝きはこれであってこれではないの」


「メルア詳しく教えて」


「あの時たしかに水の輝きは存在していた。それは確か。ただ水を出すのに使ってしまったからなくなってしまったのよ」


「そうか、もう存在はしないのだな」


「それも違う。なくなってしまったのはその場所からなくなってしまっただけで存在はしている。だだこれではないの」


「どこに?」


「それは私でもわからない。だだなくなっていないのだけはわかる。作った本人だからね」


「どの辺にあるとかわからないのか?」


「うん、それもわからない」


「メルア様、俺に心辺りが一つあるんですが」


「そうなの」


「はい、ただあそこに行くには流れの速いあそこを通らなければなりません。私やメルア様ならともかくこの方達では。それともう一つメルア様はお待ちになっているので2つは反発してまたどこかに行ってしまうかもしれないです」


「それならマリー様なら平気だよ。キリウスは無理ね」


「俺では無理なのか」


「ええ、流れが速いと言ってもキリウスが今まで体験したのとは比べ物にならないほどの速さなのよ」


「それなら私が取りに行くわ」


「マリー様私が行ければいいけど無理そうだからムアンを連れて行って」


「いいの?」


「私にはキリウスがいるから」


「俺?」


「ムアンが帰ってくるまでよろしくね」


「仕方がない」


「私行ってくるね」


「ムアン、くれぐれもマリー様に失礼のないようにしてよ。もししたら」


「メルア様わかっております」


「それならいいの。気をつけてね」


「はい」


マリーとムアンは流れが速い場所に向かった

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