第65話ツタの排除

3人は大広間に戻り配下を全員集めた


「みんなで手分けしてツタの排除をするわよ」


「は!」


動こうとする配下を制止させる


「待って、これから特別な魔法を教えるわそれでないと切断はできないから」


「燃やせばいいのでは?」


「燃えないわよ」


「燃えないんですか?」


「特殊なツタなのよ」


「エブァン、クオンには説明してあるけどイブリース、ファティマ、キリウス、イージェスには説明してなかったわね。今イブリースにも言ったけど、燃やす、切る抜く全てはできないわよ。だから特殊な魔法陣が必要でそれを手に施し切っていくしかないのよ。すごい量だから覚悟してよね」


「マリー様、それを学民の手に施しても大丈夫でしょうか?」


「それはいいわね。それなら私が学民に施すわ」


「我々もそれをすれば」


「それは無理だと思うわよ。施すのはいいけど魔法を維持しないといけないわけだからそれだけ魔力を使うのよ。だからやめた方がいいわよ」


「わかりました」


魔法陣を教え始めた。


「そう、そんな感じよ。ファティマはうまいわね。もう完璧。他のを見てあげて」


「はい」


他の者を見て回る


しばらくすると全員が出来るようになっていた


「これでみんなできたわね。明日からツタの排除を開始しますそれまで各自で自分のものになるように練習しておいてね」


「は!」


「私は今日は自室に戻って休ませてもらうわ。しばらく声をかけないでね」


「は!」


「用があるならエブァンに言っておいて」


自室に戻るのだった


「どうしたんだろうな。食事もしないで休むなんて」


「今回色々ありすぎて疲れたんだろ。休ませてやらないとそれこそマリー様が倒れてしまう」


「それもそうだな、ウーゴ奪還、秘宝庫の主を助けてフロンツメーに会うってここ数ヶ月でこれだけやれば疲れて当たり前だな」


「そうよ。少しはマリー様の体をいたわってかぁないのね」


「ファティマの言う通りだ」


「俺らも食事を済ませて休むとするか」


「それがいいわ」


各自が自室に戻っていった


ベットになったマリー


現代に変化は未だにないが子供の顔を魂が見たがっているそう感じ現代へと魂を移す


(ママー)


(どうしての?)


(これ見てよ)


(あらいいわね)


(そうでしょ。これね母の日のプレゼント)


そうかもう5月になっていたわね。


(私にくれるのね)


(うん)


(でも貴方の頑張って稼いだお金大事にしないと)


(それもそうだけど、これも大事)


(ありがとう。なら有り難くもらうわね)


(付けてみてよ)


(そんな急かさないで。今つけるから)


今日は子供とショピング中異世界での方が忙しくて、変わらない日常を繰り返すだけなのだが、急いで現代に戻ったのは子供ショピングが久しぶりで私の魂が来たいと感じていたからだったに過ぎない。


毎日、仕事、育児、家事に日々を追われて過ごしているこの体。頭では会話や仕事内容は把握出来ていても魂心こんしんは会いたがっていた。私自身が魂の心があるからだと思っている。心はたしかに存在し、感じ取っているのだ。難点なのは魂が現代や異世界どちらかにいなければ魂の心がない訳で感じ取れないのは事実、現代の心がないのを補っているのは36年分の感情を頭が理解して話しているお陰で感じなくてもそれらしく答えてはくれている。


三次元作らない方が良かったかな。


でもそれをしないと現代か異世界のどちらかに魂がいれば、魂がいない世界の私の体は倒れて寝ている状態になる、もう片方の体は眼を覚ます。それだと余計に疲れて体が痛くなる。実際、体が筋肉痛になる現代の体の原因がわかった。動かない時間が長すぎるせいと体を動かし過ぎているせいでもあることがわかった。これも三次元の脳を作った事でわかったことなのだ。お陰で体を適度に休ませる事が出来るようになり、筋肉痛もなくなったわけなのだが


(ちょっと聞いているの?)


(ごめんごめん、なんだった)


(この後、ご飯食べに行こうよ)


(いいわね。何食べる?)


(私は、ラーメン)


(ここまで来てラーメンではなくて違うのにしない?)


(それなら、中華料理がいいな)


(それなら小籠包食べたいわ)


(私も)


(それなら携帯で調べないとね)


(うん)


(ここからなら、これが一番近いわね)


(ほんとだ。そこで決まり)


(決まりね)


考えてるのはこの辺でやめておこう。

それにしても心が満たされていくこの感じ、たまらないわ。これが癒しの力。しみじみ感じていた。


食事を済ませて家に戻ると、買ってきた物を開けて楽しんだ。


家事を済ませると


(ママ、おやすみ)


(おやすみ)


子供は自室へと戻る


私も布団へ潜り体を休ませた


ここが一番いい。このまま続けばいいのに、それも許されないのがわかっていた。私だけが幸せではいけない。皆が幸せでなければ本当の幸せはみんなに分け与えてやれない。その為に異世界をなんとしてでも導かないと。


決意を胸に異世界へと戻ってきた。


「うーーーーーーん」


体を伸ばして時計を出すとちょうど闇が訪れている26時を回るところだった。


そういえばマテオどうしているのかしら?


漆黒のドレスに着替えて闇へ足を運んだ


「マリー様ではないですか。今日はどのような要件でしょうか?」


「マテオに逢いにきたのよ」


「マテオは今ウーゴの所に居ますよ」


「それは知っているけど、闇に帰ってくると思ったんだけどな」


「それなら今から逢いに行きますか?」


「いいわ。あの子は?」


「カミラですか?」


「そう、あの子は闇を宿したものよ。そろそろ私の所に来てもらおうかしらって思っていたのよね」


「それでしたら今ウーゴの方に行って手伝わせております」


「そっちも」


「今中央都市ウォンに人手が足りなくて総出で立て直しをしている最中なんですよ」


「それはわかっているわよ」


「それでは俺が」


スルトを睨む


「いえ、なんでもありません」


危なかった。ダメなのを忘れていた。


「しょうがないわね。しばらくはウーゴを手伝ってあげて」


「は!」


「スルト、お茶出して」


「は!」


スルトがお茶を入れてくれて飲んだ。


「スルトこれいつもと違うわね」


「わかりましたか」


「いつものお茶とちがう」


「俺の自信作です」


「今度からこっちにしてね。気に入ったわ」


「よかった頑張った甲斐がありました」


「頑張っていたのね」


「はい」


青年らしい笑顔を私に向けてくれた時、この笑顔がみんなにもしてほしい。願わずにはいられなかった。

お茶を飲み干したマリー漆黒の闇が明ける時間が迫っていた。


「私戻るね。スルト、立て直しがひと段落ついたらカミラこっちに呼んでおいてね」


「は!」


「帰るね。スルト楽しかったわ」


たわいもない会話を楽しんでその場を後にした


自室に戻ってベットに横になると


やっとここまで来たわね。ここでしないといけないことよね。そういえばラジットが探していたものって水の輝きだったわね。私も聞いたことないのよね。ツタの排除終わったら探してみようかしら。名前負けしていなければいいものだと思う思うのよね。探すなら1番いいのは川の底に行く方が、早いわね。あそこには水の人魚達が大勢いるから探すなら手伝ってもらえそうだし。


コンコン!


「いいわよ」


時刻は1時を過ぎた頃だった。


考えごとしているとすぐ時間が経つ


「失礼します」


「エブァンどうしたの?」


「いえ、先ほど来たのですが返事がなかったので、再度来ました」


「ごめんなさいね。闇の方に用があってそっちに行っていたのよ」


「聞いても?」


「カミラを迎えに行っていたのと、ウーゴの様子をスルトから聞いていたのよ」


「そうでしたか」


「それでどうしたの?」


「それがですね。今度ツタの排除終わったらそのツタを使って道具とかを作成せしようという声がありまして」


「素敵なことじぁない。作って私にも見せてよ」


「そうだろうとは思いましたが、どうも皆が信用してくれなくて、マリー様に聞いて来いとせがむものですから」


「皆んな?」


「学民達です」


「そんな事で怒らないのに」


「俺もそう言ったんですよ。それでも押し切られて」


「いいと伝えておいて。素敵なのが出来るのを楽しみにしていると伝えてね」


「わかりました、それとマリー様その格好は俺の前だけにしないと」


「わかっているわよ。でもこれ新作を作ったの」


「いいでしょ?」


「いいでしょうではありません。着替えてくださいよ」


「マリー様、ぶぅー」


ポタポタ。


そこにイブリースが現れ鼻血を出して押さえ込んでいた


「イブリース大丈夫か?」


「ああ」


「マリー様今すぐ着替えを」


「もー」


瞬時に着替えてを済ませた


「エブァンいつもあの格好なのか」


「そうだ。襲うなよ」


「襲う前に殺されそうだ」


「それは言えるな」


「それにしてもあれは反則だぞ」


「大人になっているから余計にひどくなっているな」


「よくお前は平気だな」


「バカ言え、魔力全開であのフェロモンを妨害しているんだよ」


「あそこまでとなるとそうでもしないとお前みたいになるからな」


「うるさい、俺だってしていた」


「甘いな、全開で妨害しないと無理だ」


「そうみたいだな」


「イブリースごめんね」


「いえ、私の不注意です。結界を強化しておきます」


「そうしてくれると助かるわ」


「そこにいるのはクオンでしょう?隠れていないで出てきたら」


「マリー様お待ちください」


エブァンがクオンの様子を見る為に外に出ると同時にマリーに襲いかかった。


ドン!


「ゔぅ!」


マリーがクオンのお腹に一撃が入った


「だから言ったんですよ。むやみにランジェリー姿のままはダメだと」


「エブァンごめん!そんなつもりないんだってば」


「そんなつもりでもダメです。クオンごめんね」


すぐに回復魔法施し意識を取り戻した。


「俺は?」


「お前マリー様のフェロモンに当てられて意識をなくして襲ったんだよ」


「なんて事を」


「いや、今回のは、マリー様が悪い。あんな格好するから」


「え?」


「普段は寝間着を着ているのだが今回はランジェリーを着ていたんだ。要するに下着のままだったわけなのだが、それだとフェロモン全開なんだよ。寝間着にしていればそんな事はないのに全く油断も隙もあったもんじゃない」


「もーだから許してよ」


「クオン、とりあえず俺が妨害魔法教えてやるからここに来るときは全開で貼れよ」


「わかった」


「もし貼らないと今みたいになるからな」


「それはごめんだ」


「ならやる事だ」


「イブリースも全開で妨害しておけ」


「お前はよく気がついたな」


「いや昔に一度食らっている」


「通りで対応が早いわけだ」


「フェロモンが男にしか聞かないのも厄介だよな」


「それはあるな」


「それでクオンは何しにきたの?」


「余りに2人が遅いので様子を見にきたんですよ」


「みんなして心配性なんだから、誰に似たんだか」


一斉にマリーを配下が見つめていた。


「マリー様ですよ」


「マリー様だな」


「マリー様だ」


「え!3人揃ってそんなに私心配性かな?」


「自覚ないんですね」


「マリー様の顔を見ればわかるだろうが」


「お前に言われたくない」


「わかったわよ心配性って事にしておくから、ツタの排除するわよ。各自で練習してあるのよね」


「もちろんです」


「それならすぐ作業するわよ」


「は!」


ツタの排除に5人は向かっていった


「エブァン、そっちやれよ。俺はこっちやるからさ」


「クオンがやるなら俺はこっちな」


「なら、残りは私ね」



「学民一列に並んで、魔方陣を手に施すから」


「はい」


大勢の学民がツタの排除に乗り出し早く終わりそう。


「これなら早く終わるわね」


「マリー様本当にこの調子でいけば1時間ほどで終わりそうですね」


「改良した特殊魔法でも試してみようかな」


「ちょっとまってくださいね」


「え?エブァンどうしたの?」


「みんなマリー様の背後に急いで回れ」



「マリー様どうぞ」


「なんでみんなどけたの?」


「やってみれば俺がみんなを後ろにいさせたのがきっと分かりますよ」


絶対にやばいやつやるから。被害になる前に後ろに避難させるのが一番だからな。


「そうなの?なんか腑に落ちないけどまあいいか」


みんなに施した魔法の巨大版を作ってそれを極限まで小さく凝縮さらに威力を上げる魔法を施してと。いい感じ、これをツタに向かって放つ


ドドドド…………ドッカーン!


!?


「げ!これつかえないわね」


「よかったですね誰もいなくて」


「そ、そうね」


「綺麗さっぱりした」


「何もなくなりましたけどね」


「そうだ。これ使おう」


フロンツメーにもらった花粉を半分にして


それを魔法陣でまけば


「これで………あれ?」


「エブァンなんかいっぱい生えてきた」


「マリー様、生えたではありませんよ。どうするんですか?こんなに木を生やして、ツタの次は木ですか」


「いや、草が生える予定だったのよ。それがなぜか木が大量にね」


「毎回どうして加減をしないんですか。家々の間を木だらけにして通る道がみんな木生えてますよ。どうやって通るんですか。次から次へと、マリー様は少し大人しくしててください」


「ごめんなさい」


「エブァン言い過ぎだぞ」


「そうよ、マリー様だって私たちの為を思ってやってくれたのよ」


学民からもものすごい勢いでブーイングの嵐が来た


「みんなが甘やかすからダメなんだ。少しは反省をしてもらわないと、これが毎回だったらどうするんだ」


「そんなの決まっている」


「そうだ、排除すればいいだけだろうが」


「頭を使え」


「毎回それをすると、大変だろうが」


「大変だろうがするだけだ」


こいつらマリー様一筋だな。俺もそうだが俺より学民の方が………諦めた方が良さそうだ。怒っているなあれは。2人の時に怒らないと俺の方悪者だ


「悪かったよ。お前達がそれでいいなら俺も文句はない」


「マリー様に謝れ!」


「そうだぞ。こんなお優しい方に向かって」


「エブァン、ここは諦めて謝った方がいいと思うわよ」


「ファティマまで」


「収める為だ」


イブリースまで言いやがって


エブァンはマリーの前に跪き


「マリー様申し訳ありませんでした」


これでいいだろ。くそ!


「私の為に怒ってくれてありがとう。みんなエブァンは私の事を思って言ってくれているのよ。だから責めないであげて」


「マリー様はお優しい方だ」


「本当に」


「さすがは我々のマリー様だ」


「お前達我々ではないぞ。みんなのマリー様だ」


「それもそうだな。これではマリー様の取り合いになってしまうわよ」


「物ではないのだぞ、取り合いしてどうする」


「イブリース?後ろ見てもそれ言えるのかしら?」


「え!」


みんなの目が怖い。


「みんなのマリー様だからな。いいか、はやまるなよ」


「マリー様ー」


学民がマリーに向かって押し寄せて


「きゃー」


マリーが学民に連れ去られていった


「あらら。だから言わんこっちゃないわね。あれは当分帰ってこれないやつね」


「ファティマ呑気だな」


「仕方ないでしょ。学民にとって救いの神さまみたいな存在なのよ」


「それは分かる。だか、それのおかげでこの木俺たちで切る羽目になったぞ」


「それは」


「イブリースよせ、さっさとやるぞ、ファティマもエブァンもキリウス、イージェスさっさと終わらせる」


クオンが猛獣になって木を抜き始まるとその後は早かった


「ふぅーこれで最後なだな」


「ようやく終わったな」


「この大量にある木どうするんだよ」


「丁度いいからこれで家や建物とかを作るか」


「お!それいいな」


「加工はファティマが得意そうだからな」


「任せてそれならできるわ」


「イージェスが木を乾燥させれるだろ」


「任せろ」


「クオンはそれを材料を入れる建物に運べばいい」


「わかった」


「キリウスはマリー様を見てきてくれ」


「エブァンは何をするんだ?」


「俺は道を元に戻すんだよ」


「わかった」


各自が作業に追われている頃



みんなが頑張った成果を見るのだがこれがまた多くてたらい回しにされていた。


服屋、鍛冶屋、食事処、建築、武器、防具とまーこんな感じでそれ以外に魔法教室みたいなのもあっり、今丁度そこに案内されていた。


「マリー様にお越しいただきありがとうございます。みんな上達しているので見て欲しいのです」


「ええ」


「少し先になりますがそこで訓練しているのでいきましょう」


「ええ」


疲れてきて適当な返事になってきた。


森の一角に広場が作られておりそこに到着すると


「みんなマリー様がご覧になって下さる。しっかりとやるんだぞ」


「はい」


次々と魔法が繰り出しては大勢の学民が披露してくれた。


うーん。これすごいのかな?


「どうでしたか?」


「頑張っているみたいでよかったわ」


「お褒めのお言葉を頂いたぞ」


「ありがとうございます」


なんかもうちょっとすごいのがいいな。マリーの悪い癖が出たのだが止まる者もいなかった為それに気がつかず事を進めた。


「私から1つ魔法を教えるわ。それをみんなで覚えましょう」


「いいのですか?」


「もちろんよ。貴方達はここを守ってくれている人達なのだからもうすこしだけ強くなってもいいと思うわ」


「光栄です」


「それでは始めるわよ」


キリウスが到着し、空いた口が塞がらない状況が目の前で繰り広げていた。


マリー様学民にそれを教えてしまったせいでここら一帯が余計に広くなっていますよ。しかも俺が見た時よりも威力が格段に上がって、俺らでなければ勝てないレベルまで上がっている。いいのかこれ?いい訳ないが………俺は見ていない知らんぞ。


現実逃避するキリウスだった

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