第49話クオン激突
一方クオンは様子を伺っていた。
「どうなっている」
「俺に聞くなよ」
「確かに俺たちの目の前で結界は破られたのを見た、それなのにこれはなんだ」
「だから俺に聞くなよ、わかるわけないだろうが」
目の前に結界がある。破壊したはずなのだがあるのは結界。マリーが事前に結界の内側にもう一枚結界を張っていたからだ。さらに見えないようにしていたから余計分からなかった。近くに来るまではバレないように施されていた。強化をファティマがさらに施しているので破られる事は決してあり得なかった。
「とにかくあの方が言っていたようにするぞ」
「そうだな」
20人もの人が結界に向けて攻撃を開始したが何も反応を示さずに結界はそこにあった。
「どうなっているんだ。あれだけの魔法や物理を加えたというのに何も起こらないぞ」
「ヒビすらもはいっていない」
「それなら他の奴らを呼んでもう一度だ」
しばらくするとさらに20名程が到着する
「おい何をやっているんだ。早く中に入らなければならないというのに」
「そんなこと言っている場合ではない」
「何がだ、さっさと壊せ」
「バカを言うな、この結界が破らないからお前達を呼んだんだからな」
「こんな薄い結界破らないだと。お前達の腕も落ちたな」
「そこまで言うならお前たちがやってみろ、俺が言っていることがわかる」
「なんだと」
「いいから、やってみろ」
「たく、仕方ないな。後で借りは返してもらうからな」
「壊してから言え」
あいつら仲間割れか?人間はめんどくさいな
攻撃を繰り出していた
「これで壊れるさ」
魔法の煙が消えると、!?
「なんだと!」
「だから言っただろうが破壊できないと」
「ヒビも入っていないだと」
「さっきからそう言っているだろ、俺の話を聞けよ」
「チッ、俺たちも協力するから破壊するぞ」
「毎回毎回お前達は俺の話を全く聞かないから嫌になるぞ」
「そう言うなって、さっさとやるぞ」
「たく、わかったやればいいんだろ」
攻撃は強さを増した
「これで破壊しただろ」
だが結果は同じ、ヒビ1つも入らずに結界は目の前にあった
「うそだろ」
「あいつらなら、いけるかもしれないから呼ぶ」
「あいつらを呼ぶのか?」
「そうだ、この結界は特殊な魔法だと思ってな。とにかく呼ぶ」
「わかったが俺たちは関係ないからな。先に言っておくからな」
「はぁ!まあいい」
又しばらくするとやってきたが今回は5人だった。
また増えるのか。それにしても今回は少ないな。
「お前達何をしているさっさとやれ」
「それがですね。この結界、特殊な結界のようで破壊が出来ずにいるんです」
「特殊?」
「はい。どんな魔法、物理をぶつけてもヒビ1つはいりませんでした」
「また、厄介だな。俺たちが来たからには破壊ができるからな」
「頼もしいです、よろしくお願いします」
「任せておけ」
男は結界に向き唱え始めた。
「進まん妨害くつがえし 壁となる障壁破壊せよ デス ボーメン」
ピキィ!
ヒビが入ったところから直っていった
「おいおい、これをしてもダメなのか。参ったな。一度戻るか」
「バカか、あのお方が許すわけがないだろう」
「わかっているが、ここで手をこまねいていても同じだからな。俺たちなら許されるさ」
「なんだその自身は?」
「今までの実績が物を言うってことだ」
「俺たちはここで待っていればいいんだな」
「そうだ」
(お前達何をしているんだ)
!?
(すいません、結界が破壊できずにいるんです)
(なんだと、キリが破壊したのではないのか?)
(確かに破壊していました。俺たちちゃんと見ていましたので間違いありません)
(ならなぜ結界があるといっているんだ)
(それがですね、二重になっていたようで、その結界に触れないとわからないようになっていました。破壊したのは手前の結界で奥にある結界は更に強力なものです)
(なら、あれを使え)
(いいのですか?)
(構わない、さっさと終わらせて戻ってこい)
(わかりました)
「と言うことだ」
彼らは懐から丸い形をした物を出した。
「それは?」
「これ?これはな猛獣を狩ると手に入るものだ。ただこの大きさを作るのに苦労したよ。猛獣500体が必要だったからな」
「そんなに、それでそれをどうするんですか?」
「これをな結界に貼り付けるそこに魔法をぶつけると結界を破ることができるんだよ。しかもどんな結界だろうとね」
「すごいですね」
「そうだろう。一度だけしか使えないし、また500体倒さないとこれは作れないからギリギリまで使いたくはなかったのだがあのお方が使えとのことだからな」
「始めるから下がっていろ」
「はい!」
配下40人は後ろへ引く。
あのやろ、俺が留守の間になんて事をしていた。
あれは心臓の近くにある毛だ。その毛は普段猛獣の心臓を強化したり守っているもの。
許さない、俺たちの仲間を自分達の私服の為だけに殺したんだな。俺の家族を殺した。殺したんだ。
クオンの怒りはあいつらに向いた時には5人の死人が出ていた。人型のまま襲ったのだった。
本当は元の姿で戦いたかったのだが猛獣の姿だけはするなとマリーから言われていたのを思い出し思い留まった。
クオンが猛獣の姿で攻撃を行うとここら一帯が全てなぎ倒されてしまうのをマリーは知っていたからだった。
「何をしている?、攻撃をしないか」
「ですが早すぎて」
「お前達はバカか、俺たちも速くなればいいだけだろうが」
「そうでしたね」
配下たちは加速魔法を使用してクオンに追いつく。
「お前達は、許さない。俺たちの仲間を殺した事を」
「何をいっているんだ」
「猛獣達を殺しただろ。500体」
「お前の仲間ではないだろうが」
「俺の家族だ。殺された猛獣達の恨みをはらさせてもらう」
「だからお前が猛獣の家族な訳がないだろうが」
姿は人間そのもの、言葉も話せる当たり前だった。マリーが施しをクオンが受けていたからだ。
「お前達は猛獣よりクズだ。猛獣はやたら滅多に襲わない。俺たちの縄張りにお前達が入らない限りそんな事をする猛獣はいないからだ。それなのに人間は俺たちの縄張りに入るだけに留まらず荒らす。だから猛獣達は襲う。そんな事も分からん人間など滅んでしまえばいい」
「人間のお前に猛獣の事が分かるとでも言うのか?」
「うるさい、さっさと死ねよ」
クオンに魔法が当たることはないが辺りがなぎ倒されていった。1人ずつ確実に殺していくクオン。
マリー様はこんな奴らでも殺したがらない、俺にはわからない、なぜだ、何故なんだ。
次第に人数が減っていき残りが10人になった所で攻撃が止んだ。
目の前の奴らを睨みつけ、次の攻撃に備えた。
「お前、こんなに強いんだから俺たちの仲間にならないか?」
「バカを言うなら、死ねよ」
「人間のお前が猛獣の仇などするものじぁない。あいつらは俺たちの敵なんだぞ。人間をオモチャとしか思わない猛獣の仇などやめろ。そんなことよりもだその力をもっと違う使い方をすればいいのだ」
どいつもこいつも
怒りが込み上げ魔力が高まっていく中声が聞こえてきた。
(貴方、それ以上魔力を高めたら貴方猛獣になるわよ)
!!
「誰だ?」
(あら、私を忘れちゃったのかしら)
なぎ倒されている木々の先にいたのは人魚だった。
「お前は」
(私の名を言ってはダメ)
「何故?」
(0番様からよ)
「ふん、わかった」
(少し落ち着いて、クオンが猛獣にならないように見ててと言われていたよ)
「何故0番様はこんな奴らを殺すなと言う。俺には理解できない」
(簡単、導いてあげる為。でもここにいる人達は教え導いてあげる事が出来ない人達。貴方が殺しても何の問題もないけど、貴方が猛獣になるのは0番様が許さない、だから僕がここにきたの)
「どう言う事だ」
(貴方が最後まで猛獣にならないように見ててあげるからちゃんと頑張って)
「余計なお世話だ」
(もし猛獣になったら僕が貴方を捉えないといけなくなるんだからね)
「わかった、とりあえずそこで見ているのだろう?」
(ええ)
「!?」
クオンとミーが話しているのを見てカリドの配下はびっくりしていた。
「おい、あそこにいるのは人魚ではないか?」
「確かにまさかあの建物の中から出られないようにしていた人魚だよな」
「似ているが近くに行かないと分からん」
「こいつを何とかしてから捕まえるか」
「それいいな。それならさっさと終わらせてやろう」
会話を終えると同時に攻撃が再開した。
不意をつかれ攻撃がクオンの背中に当たった。
「いってーな」
「そのまま行くぞ」
攻撃が止む事なくクオンを襲っていった
(大丈夫?)
「ああ、だが0番様がせっかく施していた防御が意味をなさずに猛獣の背中がでてしまった。困った、この皮膚は特別性なんだ。油断した」
「おい、効いてないんではないか?」
「なんだと」
「俺のとっておきをくれてやる」
トドメの一撃は手で防いだと思ったがクオンの体に当たるのだった
(あーあ、原形とどめていないよ。背中から猛獣でている。仕方ないから猛獣になるといいよ。僕から0番様にいっといてあげるから)
「そうしてもらえると助かる」
クオンが猛獣の姿へ戻るのだった。体はみるみる大きさを増し元の大きさになる。
「ふざけて嫌がる、こいつ猛獣だったのか」
「それなら話は早いな殺せ、こいつを殺せばいい毛が取れそうだ」
「お前だけでいい思いさせないからな。俺も参加させてもらう」
「好きにすればいい、死んでも助けないからな」
「わかっている、助けてもらっていてなんだが相変わらずだそよな。お前達言い方は」
「嫌なら呼ぶな」
「嫌とは言っていない」
クオンが動いた時5人が地面に転がった。高速で叩きつけたのだがあまりの早さに誰も見えてはいなかった。
「お前達では話にならん」
「やるな、俺たちが相手になってやる」
4人の背後に結界魔法を練りこんでいるやつがいた。
「楽には殺さないからな」
攻撃をするために動くクオンだがそこには拘束魔法陣が張られている。気がついて移動しようとしたとには遅く拘束されてしまった。
「クソが…」
(バカだ、むやみに突っ込むからそうなるんだ)
「くっ!」
(仕方ないなぁ、僕が助けてあげる)
「すまない」
「こいつを殺すのはかなり時間がかかりそうだこら、向こうでやるか」
「それの方がいいかもしないな」
話をしていると足元からいきなりツタが彼らを襲った。
なんだこれは。
(どんどん行くよ)
彼らをツタが動きを封じ始めた。動けば動くほどきつく締め付けられる。さらにツタには魔力を妨害するように魔法をかけ、さらに防聴を施した。そこから抜け出すことができなかった。
「あのやろう、なにしやがる」
抵抗も虚しくツタに動きを封じられ、話すことすら出来無くなった。それと奴らの持っていたものも回収した。
(んーんん、んんーんん)
なにかを奴らがいいたいようだがわからない。
(後はこの結界だ)
ツタに破壊魔法を交付するして魔法陣めがけて刺す
パリン
「助かった」
(油断しすぎよ)
「悪かったよ」
(それでどうするの?この人達?)
「そうだな、このまま捕らえるのもいいか。許したくはないがマリー様ならきっと捕まえておけと言いそうだからな」
(本当にいいの?この人達猛獣をただの材料としか思ってないんだよ)
「わかっている。それでもマリー様なら何か解決策を持っているのではないかとも思ったんだ。殺そうと思えばいつでも殺せるだろからな」
(クオンがそれでいいなら、僕もそれでいいよ)
「中に入ってファティマがいるから結界張ってもらおう」
(そしたら私マリー様の所に向かってもいいよね?)
「そうだな、エブァンに聞いてみろ、その方が無駄足にならずに済むだろ?」
(そうだね)
(エブァン、聞こえる?)
(聞こえるている、どうした?)
(こっちは、襲われたのだけど解決したよ。マリー様の所に行ってもいい?)
(待っていろ、マリー様に聞いてやる)
(うん)
…………
(マリー様が、お前もその辺りの警戒をしてくれだそうだ)
(マリー様の所に行きたかったな)
(こっちがダメな時にマリー様が呼んでもらうようにお願いをしておいてやるから頼む)
(わかった)
(よろしくな)
(はーい)
ぶつくれ、ながらも答えた
「どうだった?」
(警戒してろって言われたよ)
「やはりそうか」
(わかっていたならそう言えばいいのに)
「俺もそうだが、マリー様以外に言われるとなぜか腹が立つんだよ」
(あ!それ言えるかも)
「そうだろ、だから聞けと言ったんだよ」
(納得)
会話をしながら、クオンとミーはファティマの所までやってきた。ツタに縛られている奴らは猛獣達に見張らせている。
「貴方達どうしたの?外にいた連中は?」
「それは片付いた」
「それで?」
「俺の不覚で結界に閉じ込められてな、ミーに助けてもらって、そいつらを捕まえてくれたんだよ」
「また、突っ走ったんでしょう」
「悪いかよ」
「悪いわよ、クオン今度マリー様に鍛えてもらうといいわ」
「いや、それは遠慮しておく」
「無理だと思うわよ」
「何故?」
「ほらあそこ」
ファティマが指を指した方向を見るとそこには巨大な
「おい、あれでかすぎだろ」
「あれはね映像をマリー様に届けるやつなんだって」
「もしかして」
「そうよ、今の出来事全て届いているわよ」
「最悪だ、この後マリー様からの修行が待っているのは確定ってことだろ?」
「そうなるわね」
肩を落としてた。
エブァン達から聞いているんだが、お手柔らかにしてもらうよう一応頼んでみるか。きっと無理なのだろうが。そんな事を考えていた。
「それでた、ファティマ悪いけど捕らえた奴らに結界を施して欲しいんだ」
「いいけど、捕らえた奴らは?」
この中にいる全ての配下に人魚の会話ができるようにしてある、そのおかげで人間との会話と何も変わらない。
「今からここに連れてくるよ」
「わかったわ」
「ミー待ってくれ、俺の配下に見張らせたているから、そいつらに言ってくる。ちょっと待っててくれ」
「はーい」
猛獣化したクオンの速度はマリーの次に早い。
ドン!
音だけを残してクオンが消えた
「相変わらず早いわね」
「始めてみたよ、こんなに早いんだ」
「マリー様の次に早いからね」
「え!マリー様クオンより早いの?」
「ええ、目で追うのはまず無理、魔法で補うと見ることができるのだけど、クオンは微かに見える程度ね」
「マリー様は?」
「論外ね、何しても見えないわよ。マリー様に追いつける奴を見てみたいもんだわ」
「げぇー、それ僕達でも無理だよ」
「普通はそうよ。諦めなさい」
「そうする」
会話が終わる頃クオンが戻ってきた
「待たせた、ミーいいぞ」
「わかった、連れてくるね」
ツタに縛られている奴らがファティマの元にやってきたのだが1つ大変な事になった。
町中がツタだらけになってしまっている。
「ちょっと待って」
そう言った時にはツタだらけに
「あーあ!」
「?、どうしたの?」
「お前な、周り見てみろ」
?
辺りを見渡す
「あ!」
「あ、ではないぞ。これどうするんだ?」
「うーん」
「戻せないのか?」
「それがね、一度やると戻せないんだよね」
「これならファティマを行かせるべきだったな」
「そうね、やってしまったものはしょうがないわ。マリー様の方が終わってからなんとかしましょう。今はやるべき事を最優先ね」
「そうだな、ミーも行くぞ」
「マリー様に怒られるかなー」
「多分大丈夫だ、マリー様は寛大なお方こんな事では怒る事は無い、けどな」
「けど、なに?」
「何かはあるぞ」
「うー、それが怖い」
「諦めろ」
「諦めたくないよ」
「それを言ったら俺はどうなる?マリー様の修行が待っているんだぞ、それの方が考えたくない」
「えーいいじぁん、クオン強くなるんでしょ」
「バカを言うな、マリー様の修行ほどやばいものはないんだぞ」
「そんなに?」
「そうだ、あのエブァンとイブリースが根をあげたんだぞ無理と思うのが普通だ」
「エブァン様でも」
「そうだ、だからお前も諦めろ。俺よりはマシなんだからな」
「わかったよ」
現地に到着するとクオンは結界前で座って待機、ミーは森の中で警戒をした。
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