第48話ウーゴ奪還
キリウスが闇の中に入った所を1人の人物が見ていた。
キリウスはそれに気がつかずにいた。
ーーーーーーー
キリウスが去った後、思考を巡らせていたカリドの側にその人物が姿を現した
「カリド様よろしいでしょうか?」
「どうした」
「キリですが闇の中に姿を絡ませました」
「ほーそれで」
「闇からは出てきてはいませんが、今配下に見張らせております」
「状況がわかり次第報告を上げろ、それと俺はここから別の場所に移動する。他の配下にも伝えておけ」
「は!」
まずいかもしれないな、もしかしたらここを嗅ぎつけてきている可能性大だな。一度体制を整える必要がある、まずは俺が移動して体制を整えた後に配下を迎えるようにするか。待てよもし配下が俺の所に来た時つけられている可能性も考えないとまずいか。
その人物が姿を消そうとした時
「待て、配下には集合場所を別に作っておいてくれ。そこに配下を集めさせておけばいい」
「なぜですか?」
「念のためだ、いけ」
「は!」
カリドは建物内から姿をくらましたのだった
「イル様今キリが闇から出てまいりました」
「お前は何度言えばわかるんだ、名を呼ぶなど言っているだろうが」
「申し訳ありません、どうも慣れませんで」
「仕方のないやつだ、それで?」
「は!キリは闇から出てそのまま歩き出し追跡しております」
「そうか、ここは俺が変わる。ウーゴ様からお達しだ。配下に伝達し、集合場所を作れと」
「は!では早速取り掛かります」
「いけ!」
イルの配下は命令にて動き始めた。
ーーーーーーー
キリウスが闇から出るとつけられている事に気がついた。
?
つけられているな、取り敢えず岩場で腰を落とし一息つく事にし、様子を伺う事にした。
霧状の水魔法を展開する。
盗聴魔法追跡魔法を同時に展開撹乱魔法幻覚魔法を追加これでよし。
以前マリー様に教えてもらった幻覚魔法なのだ。初めて他の者に使うからな。楽しみだ。
《イル様今キリが闇から出てまいりました》
《お前は何度言えばわかるんだ、名を呼ぶなど言っているだろうが》
《申し訳ありません、どうも慣れませんで》
《仕方のないやつだ、それで?》
《は!キリは闇から出てそのまま歩き出し追跡しております》
《そうか、ここは俺が変わる。ウーゴ様からお達しだ。配下に伝達し、集合場所を作れと》
《は!では早速取り掛かります》
《いけ!》
なるほどな、確かイルといっていたな、カリドの側近って事だな。いい情報をありがとよ。くそ!気配をくらましたか。これならその前につけられていたのがわかるな。
だから気配に気がつく事ができたのか。配下でなければ無理だったな。今度マリー様に教えていただかないとまずいな。これでは、追跡されている事に気がつかないぞ。手を打っといたほうがいい。
だが先に追跡魔法はつけさせてもらったから何とかなる。
あれは一度着くと気がつく事はないからな。なんせ体の水分に入り込んでくれる。体の水分が無くならない限りずっと貼られている
さてとウーゴ様の所に行くとするか。
追跡魔法を辿り奥地に足を踏み入れていた。
また物騒な場所だ。
一際薄暗い洞窟の中を進みながらウーゴが埋められている場所にたどり着いた。
その時
ドーン!!
やはりそうだったか。
キリウスが閉じ込められた。
ーーーーーーー
入っていったな。念の為埋める場所をここにしておいて正解だったな。
「お前は用済みだ、死んでもらう」
その洞窟は酸素がほとんどない、ここを塞げば酸素は行かなくなり死ぬ。せいぜい苦しんで死んでくれ
入り口を塞ぎ結界を張るとイルはその場を後にしたのだった。
ーーーーーーー
空気が薄くなってきている?
とにかくここにはウーゴ様を助けてから考えるか。
ウーゴが埋まっている場所まで歩くと息が上がってしまっていた。
「はぁ、はあ、はぁ、ここだな」
ウーゴが埋まっているのを確認すると水の力でウーゴを持ち上げた。
「はぁ、はあ、これでいい。生きているか?」
………
「はぁ、はあ、大丈夫そうだ」
このままでは俺が死ぬ。普段から水を持ち歩いているキリウスはその中に避難した
ふぅー、流石にあのままでは死んでいた
水の中には酸素があるお陰で命拾いをした、さてと一息つけたし戻る。
ウーゴを水魔法で保護し、外に出たのだがこれまた面倒な事をしてくれていた。
(結界を張っていきやがったな)
(なんだ壊せないのか)
キリウスの闇からイブリースが話しかけてきた。
(これは無理かもしれないぞ)
(どうしてだ?)
(この結界、マリー様が張っていたものとかなり近いやつだ)
(あの結界か?)
(そうだ、部分部分が違うくらいで他はほとんど同じだ)
(たしか……)
(ああ、マリー様でなければ無理だと思う。取り敢えずはやっては見るがな)
(キリ取り敢えずやっていてくれ、俺はマリー様に伝えてくる)
(わかった)
(それとだ、なぜ水魔法で会話をするんだ、面倒だろうが)
(俺は死んだ事にする為だ、今きている服の刻印は破壊したからな。向こうは俺が死んだ事になる)
(意味が分からん)
(マリー様に刻印を自分で破壊できるようにしてもらっていたおかげで、服と俺との繋がりが断たれて服についていた全ての魔法交付が消えているんだよ。俺が死なないと魔法そのものが消えるようにされているからな)
(それなら俺でもわかるな、マリー様の所に行ってくるから待っていろ)
(わかった)
ーーーーーーー
マリーは建物に向かって歩こうした時次から次へと報告が上がってきた。
「0番様、今ミーより連絡が入りまして向こうは片付いたとの事でミーがここにきたがっております」
名前言っちゃってるわよ。でもいいか、人魚の名前なんて他の奴らには分からないか、人魚の言葉もわからない連中ですものね。言わなくていいね。
「それは良くないわよ、ミーには辺りを警戒してもらってクオンもね」
「わかりました、そのように伝えておきます」
「ええ」
さてと、もーそんな事しているから1人投げたわよ。追跡魔法張る忘れちゃたじぁない
「はぁー」
「どうされたのですか?」
「貴方達がのんびりしているから1人逃げたわよ」
!?
「遅いわよ、追跡魔法張る忘れちゃったから逃げられた。その内またぶつかるわよ。取り敢えずここの建物内を調べて置かないといけないから行くわよ」
「は!」
「マリー様」
「今度はなに?」
半分怒り気味のマリーに配下はビクッとなり固まった。
イブリースはマリーの闇に移動し姿を現したのだった。
「マリー様お怒りにならないでくださいよ。魔力しまってください。2番が固まっているではありませんか」
「1番仕方ないでしょ。入ろうとすると入れず、また入ろうするとこれだもの。それのお陰で逃げられるなんでなんて無様なのかしらって思うでしょう」
「お怒りはごもっともですがここは抑えてくださいよ。皆マリー様の為頑張っているのですから」
「それはありがたいのだけどね」
こういう時はこれをしてあげるのが一番。
不意にマリーの頭を撫で出した。
昔マリーが今回のように思い通りにならなくなると魔力が出て抑えが効かなくなる時があった。そんな時なぜか頭を撫でると収まるのだったのを思い出し実行したのだった。
!?
顔を真っ赤にし俯いてしまった。
「マリー様落ち着きましたか?」
「お、落ち着いたから手を退けて」
エブァン、いい年になってこれは恥ずかしすぎるわよ。やめてほしい。
「はい」
昔からエブァンに撫でられるのが好きだったのだが、それはあくまでも幼い時の事、今はかなり大きくなっているのでかなり恥ずかしく俯いてしまっていた。
「とにかく2番どうしたの?」
「それがですね、ウーゴを奪還したのですがその場所に結界が張られて出られなくなっているのです」
「破ればいいでしょう?」
「マリー様でなければ破壊が無理のようでして」
「もー次から次へと、そうだ。メルアいるでしょう?」
「ここに」
メルアがマリーの前に現れた。
「メルア、この魔法教えるから結界壊して」
「いいけど、キリウス様ならできそうだと思うんだけど」
「それは無理、だって教えてないもん」
「マリー様、可愛い」
「ありがとう」
その可愛らしさをばらまくのはやめてほしい。どんどんマリー様に釘付けになるやつが増えて仕事にならなくなる。
そう思っている側に固まって動かないやつがここにいるが。
イブリースは、さっきの恐怖から一転し可愛らしいマリーの姿に心奪われていた。
か、可愛い。
マリーがメルアに破壊魔法を教えると
「あとはイブリースについていってね、ちゃんメルアを闇魔法で守らないと飲み込まれるからね」
「は!わかっております」
「メルア、私の手の上に乗れ」
「こう?」
「ああ、闇魔法」
メルアを闇で包み込んで移動していったのだった。
「これでようやく建物内に入れるわね」
「そのようです」
今度こそ建物へ向かって歩き出したのだった
ーーーーーーー
イブリースがいなくなり、魔法破壊を色々試してはいるのだが全くビクともしない。
やはりあの部分とそこの部分が決めてなのは間違いなかった。
まだ外だから空気はあるし、中にいるよりはマシだからな。
(今戻った)
!?
(お前なに持っているんだ?)
(?あーこれか)
イブリースが闇の魔法を解くとそこにメルアがいた
(なぜここにメルアがいる?)
「あれー」
やばい
急いでメルアの口を塞ぎキリウスが耳打ちをした。
(もーそう言うことは早くいってよね)
(急いでいたんだ)
(もー、キリウス様これをマリー様が破壊魔法、教えといてって言われたからこれあげるよ)
メルアが円形の水をキリウスに渡した。
その途端、キリウスの表情が変わり真剣になっていた。
(なるほどな、やはり俺が考えていた通りだったか)
(破壊できるのか)
(ああ、これならな)
(なら私がしなくてもいいかしら?)
(それはダメに決まっているだろ、マリー様からの命令なんだからな)
(それ言っちゃう)
(とにかくやれ、そうしないと怒られるのは俺ではないからな)
(いやよ、マリー様に怒られたくはないわ)
そういと結界を全て水で覆い尽くすと魔法の組み換え式がどんどんと流れにぶつかり破壊を始めた。
(これで最後)
パリン
(終わったわよ。ちゃんと破壊したからね)
(おう、さて帰るか)
(なんか疲れたぞ)
(それはこっちのセリフだ)
(私だって頑張ったんだからね)
(今回一番疲れているのはマリー様とキリウスだろ)
(ゔっ!)
(いい加減にして帰るぞ)
3人は川の向こう側に戻るのだった。
「ファティマ戻ったわよ」
「お帰り早かったわね」
「結界破壊するだけだからね、楽勝よ」
「おいこの中大丈夫なのか?」
「ええ、この中はね、外はダメよ。マリー様が10キロ圏内はしてあるからって言っていたからね」
「それなら安心だ」
「そいつがウーゴなの?」
「そう中央都市の主人でマリー様に忠誠を誓ったものだ」
「これからウーゴ様にかけてあるのを解除する」
「さま!?」
「みんなは知らないからな。元々キリウスはウーゴに仕えていたやつなんだよ。しかもウーゴの側近で絶大なる信頼を置いていたのもキリウスなんだよ。それぐらいは大目に見ろ」
「悪いな」
「いい、借りにしておいてやる」
「それでいい」
「イブリースが言っていることは本当のようね」
「けぇ!お前使ったな」
「当たり前でしょ」
ファティマが嘘を吐いていないか疑って魔法を発動したのだった。
「ファティマがそうだと言うなら私は信用するわよ」
「勝手に言ってろ」
「みんな心配をかけるような事をしてすまない」
「キリウスが悪いわけではないのよ。イブリースは悪魔なんだからどうしても疑ってしまうのよ。イブリースもごめんなさいね」
「いい、それが悪魔なのだから仕方があるまい。だが1つ言っておくがマリー様に嘘を吐くぐらいなら真実を言った方がマシだともわかっている。ましてやその配下にもそれは同じである事を忘れるなよ。後でどんな間に合うか、想像するだけでもおぞましい。下手をすれば悪魔以上の存在なのだからな」
「それ、誰もが思うた事だよね」
「メルアが正しいな」
「話はそこら辺にして初めていいか?」
「ごめん、お願い」
地面に横になっているウーゴに近づき胸に手を当てると、水がウーゴの胸の中に吸い込まれていった。
「これでよし」
「え!それだけ?」
「そうだ、後は中に入っていった鍵が解除してくれるさ」
「あれ鍵だったのね」
「お前たちには、そう見えただろうがメルア葉には鍵が中に入っていったように見えたはずだ」
「うん、ちゃんと鍵だったよ」
会話をしている最中
「ゔっ!……ここは?」
「気がつかれましたか?」
キリウスがウーゴに近づき話しかけた
「おお、キリ!?」
ウーゴの口に手を当てて、水で言った。
(それ以上名を口には出さないでください)
「それで体の方は?」
ウーゴは身体中を確認すると特に変わった所は見当たらなかった。
「大丈夫そうだが、俺ではもし刻印などされていたら分からんから何かできないか?」
そう言うと結界をファティマが貼った。
「これでいいわよ」
「ふつうに話せるから」
「すまない」
「お礼はマリー様にいいなさい。マリー様が遮断魔法を教えていってくれたおかげなんだから」
「そうか、作戦はうまく行ったようだな」
「はい、そのおかげで俺もここに戻ってこれたので」
「マリー様はすごいな。俺が考えているより先を模索するんだからな」
「次元の違う人だから仕方あるまい」
「それでだ、俺はこの結界からいつ出られるんだ?」
「とりあえずはマリー様が戻らないことには話が進まないわね」
「結界貼ったからと行って行動を制限するものでもないし、体の周りに張り付いているんだから動けるでしょ?」
「それでいいのか?」
「当たり前よ、マリー様に忠誠を誓ったのであれば私達が何かをしたらそれこそこっちが危ないんだからね」
「ファティマの言う通り、逆らう事を許さないんだよ俺たちはな」
「いや、マリー様が許してもその配下が許さなくて大変になるんじぁない?」
「メルアいい事を言うじぁないか」
「そう?ありがとう。そろそろ私マリー様の近くの水に戻るわ。待機を言われているからね。みんなバイバイ」
そう言うとメルアは姿を消した
「キリウスもしかしてだが、伝説に聞いていた人魚ではないか?普通に会話をしていたが」
「あー!そう言えばウーゴ様はご存知なかったでしたね」
………
「なるほどな、と言うことは人魚もまたマリー様の配下に加わったと言うことになるんだな」
「そうです。マリー様は可愛いのが増えてご機嫌だったでし、全部の属性揃ってはしゃいでもいましたね」
「たしかに、俺の聞いた話によると人魚を全て揃えし者大いなる力が手に入るだったか?確かそんな話だったような」
「それマリー様も言っていましたね」
「まあいい、我々の主でもある人だ大船に乗った気であればいいと言うことだけはたしかなんだからな」
「そうですね、しばらくはここにいてください」
「2人ともいつまでここにいるのよ。結界の強化に集中出来ないから城に行ってちょうだい」
「悪い」
2人は城に向かっていった。
「全く、昔話は後にしてほしいものよね」
城についた2人はキリウスの自室に入り昔話を始めていた。
「あの時より成長しているようで何よりだ」
「ありがとうございます。ですがここにいるとまだまだと思えてしまいますよ。他の者が凄すぎて自分なんか足元にも及ばないと実感させられます」
「いいではないか、それがわかるなら鍛えていけばいいだけの事、臆する事なく学べばいいんだ」
「それ、マリー様も似たような事を言っておられましたよ」
「当たり前だ、俺も日々精進しなくてはならないからな」
「これからどうするのです」
「1つは中央都市を立て直しにかからなければならないな。もう一つは……」
?
「もう一つはなんてす?」
「もう一つそれは……悪いが頼まれてはくれないか?」
「いやな、もしかしたらとは思っていたのだがな」
「だからなんです」
「マリー様にある人物にあって頂きたく思っているんだよ。その人物はある人に会ってからでなければそこから出る事はないといっているんだよ。ただある人物とだけしか聞いていないのだが、どうしてもマリー様ではないかとずっと思っているんだ。確信とか、確定とかではなく、"感"と言うべきだろうがそうだといっているんだ。俺の感は結構当たるからな。もしダメでも罰は受けるつもりだ」
「マリー様がそんな事許すわけがないよ。罰を与える時は必ず何かを奪われた時や、理不尽な殺しなどですよ。そんな事で罰はあり得ません」
「言い切るな」
「今まで散々見てきました。その中でもマリー様は特別で目が離せないほどです」
「お前にそこまで言わせるのであれば大丈夫何だろうな」
「当たり前です」
「ふふふふ」
「何がおかしいのです。こっちは心配していると言うのに」
「いやな、ちゃんと学んでいるのだと思うと嬉しくてな」
「な!」
ゆっくりとした時間を2人で過ごすのだった。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます