第46話学ばない民と学民

それは遥か昔の話大陸が4つに分かれて間もなくした頃そこには学ばない民と学民が肩を並べ手を取り合いながら暮らして居た頃だった。


荒れ果てた大地を立て直そうと手を取り合いながら生活をし、徐々に 街並みが揃い落ち着きを取り戻していた。






「そこできるか?」


「ここだな」


「頼む」


「わかった」


「みんなそろそろご飯食べましょう」


「飯ができたってよ」


皆が集まり食事を始め、わきあいあいと過ごしていた


「どけ!」


辺りは騒然とした。治安を取り仕切る奴らが学ばない民と学民の食事をしているところにやってきた。


「これよりここの主人に逆らう者は容赦はしない。皆に伝えておけ」


「突然どうしたのですか?」


学民が言うとその場で殺された。辺りは押し黙り従うしか他になかった。発言をしよう者なら殺されてしまうからだ。


「お前たちもこうなりたくなかったら従え、皆に伝えてるんだぞ、わかっな」


皆は首を縦に降るのが精一杯だった。


奴らが去った後


「どうしてこんな事をするんだ。一体私達が何をしたと言うの」


「思った事を言っただけなのに、逆らってなどいないんだぞ」


「とにかくこいつを埋葬しよう」


悲しみが辺りを包み埋葬が執り行われそれが終わると口々に言葉が出た。


「とりあえず、あいつらの前では言葉を出さない方がいい。したがっていると思っている間は何もしないんだからな」


「そうだ、その方がいい。お前たちも気をつけろよ」


学ばない民と学民は各自にその場を後にした。






その後も事あるごとに学ばない民、学民が殺されていった。中でも学民は、反論が多く言葉を発するたび殺される。学民だからこそ次こそはと考えてしまったからだ。


殺戮は日に日に増して学民を次々殺され死体が増えていく、攻撃をするものまで出始めたせいで学民の風当たりも同時に強くなったのだった。


中央都市に1人の主人は、その主人を中心に街が栄えていったのだが、その主人は何を取り間違えたのか服従させることにやっきになっていたのが追い打ちをかけた。


そもそもの発端は学民や学ばない民を服従させ始めた事から始まる。恐怖を民に植え付け服従させ、従わなければ殺す。そんな事を繰り返し、それは各都市でも行われていたようだ。


それを許さなかったのが学民だった、服従からは何も生まれないそれを学び次へつなげようと学民と考える者と攻撃をし、復習する学民と別れた。


復習する学民は、次々と返り討ちに会い続け殺されるを繰り返す日々を過ごすことになる。


ここにはいられないと考えた学民は、猛獣の森へと逃げ込み暮らし始めた。猛獣も学民が危害を加えないとわかっていたのか、襲うことはなかった。

そんな暮らしも月日が経つにつれて、学民がそこを聞きつけ集まり始め1000名程位暮らすようになっていった。





「今日は何にする?」


「そうだな、こないだ屋根が雨漏りした家が何件か出たらしいからその修理しないとダメだな」


「材料あるか?」


「こないだあいつの家で加工してもらったのがまだ余っていたはずだから取りに行こう。手が足りないからみんなをあつめるぞ」


「おう」


皆が材料を持って雨漏りの修理をした。


他の者達は、食材探しや食事の準備などをみんなで手分けして行っていた。


昼が過ぎ頃、家々が火の手が上がった。


「おいどうした?」


「それが急に空から矢が飛んできて家に火をつけられたの」


「とにかく消すぞ」


水を汲みに行こうとした時目の前に大勢の人達が学民を囲んだ。


「何をしている?」


「生活をしているだけだ」


「嘘をつけ、猛獣を飼いならし手懐け街に攻撃を仕掛けるつもりなのだろう」


「そんな事はしないし、猛獣を手なずけるなんてできるわけがない」


「とぼけても無駄だ。俺はこの目で見たんだ。目の前に猛獣が現れても猛獣はお前たちを襲わずに去っていったのをな」


「あれはここにきてからずっとそうだ。じっとしていれば猛獣も襲ってこない。それがわかっていたから動かずにじっとしていただけだ」


「それも嘘だ、俺の仲間は猛獣に殺されている。じっとしていたにも関わらずだ」


「お前たちが武器を持っていなかったか?持っていれば襲われる。俺たちも何人か襲われている。だから猛獣にあった時武器を地面に置いてじっとしているんだ、それでも武器を持っているだけでここは危険なところなんだぞ」


「お前達のゴタクはもういい、ここで死ね」


「ふざけるな、簡単に行くからな」


火は家々を燃えながら、戦いが始まったが相手の方が有利だった。学民は武器をほとんど持っていなかったせいで次々と殺される。虐殺の始まりだった。


魔法を放ち殺されていく絵図は地獄だった。


辺りが静けさを取り戻す頃には全て虐殺されたのだった。


「これで終わりだな、生き残りがいないか確かめろ」


「………いないようです」


「よし撤収するぞ」


その時、大量の猛獣達が虐殺をした者達を襲い始めた。


次々と噛み殺されたり殴られたりされ即死していったその中にひときわ大きな猛獣の姿そこに人影が。


「何が起きている。猛獣です。しかも大量に殺しながらこっちへ向かってきます」


「撤収ー、さっさと逃げるぞ」


後ろのやつらは逃げながら命かながら数名の者が逃げ延びた。んそれ以外のやつらは皆死んでいく、猛獣の足元に人影を見る事なく。


それ以来猛獣の森は猛獣区となり、監視が設けられるようになった。







殺し尽くした猛獣の中に1人の男の子がいた。それがわしだった。


わしは、あの時猛獣の子供と一緒遊んでいたから殺されずに済んだのだが、わしの家族や仲間を殺され助けようとした時猛獣の子供がわしを加えて猛獣の巣に連れ去っていった。猛獣の巣に着くと子供の猛獣にしがみついた。


(わしは泣いた、家族と他の者が殺されているのを見て助けられない自分が情けなくて情けなくて仕方なくてな。涙が枯れるまで泣いた頃だ、声が聞こえたんじゃよ)


「声?」


(そうじぁ、その声の方を向くとそこにいたのは猛獣達だった)


「え!猛獣の声が聞こえたんですか?」


(奴らは、わしに泣くな。俺たちがお前の仇をとってやるだから泣くな、そうわしに猛獣達皆が言っているのが聞こえたじゃよ。辺りを見るとその巣の周りにはものすごい数の猛獣達がわしと猛獣の子供を取り囲んであったよ)


「またすごいですね」


(わしはな、あの時猛獣達に頼んだ。助けて欲しいとな、だが間に合わなかった。わしが来た時にはもう誰も生きてはいなかった。それを見て怒りを猛獣達にぶつけてしまった。

許さない、みんなを殺した事を絶対に許さないと

猛獣の足に隠れていたわしはその足に力込めて猛獣の足を叩いたのだよ。

わしの足の猛獣はその場から離れる事なく、一声鳴いた。

他の者に吠えたとしかわからんかっただろうがわしには聞こえた。

奴らを全て殺せと。

次に吠えた時に聞こえたのが、

我らの友を殺した報いをくれてやれ。そう吠えていた。わしは殴っていた猛獣の足にしがみつき泣くしかなかった。多々泣いていた、猛獣は、黙って立っていたよ。わしが泣き止むのを待つかのようにな。わしが泣き止む頃には全てが終わっていた。涙を拭き殺された者達を見渡しながら自分の家族のそばまでいき亡骸を見た。しばらくして、わしは全ての人を埋葬する事に決めて穴を掘り始めると猛獣達が話しかけてきた)


「猛獣がですか?」


(猛獣達はな、なぜ穴を掘るのかと聞いてきた。だから答えてやったんじゃが猛獣達は驚いておったな。あれはたしかに驚いた顔をしていたな)


「猛獣って驚くんですか?」


(驚いたな。猛獣達がなんで殺されたやつを埋めてやる必要があると不思議そうに首を傾げていたよ)


「確かに私だったら放置しますがね」


(わしも最初はそう思ったんじゃよ。だかな魂のなくなった体に罪はないと考えた。それにわしにも家族がおったようにここにいる奴らにも家族がいる。そう考えると責めてこれぐらいの事はしてやりたいと思ってしまったんじゃ)


「以外に優しいんですね」


(なんじゃ意外とは)


「すいません」


(とにかくだ、それを猛獣達に伝えたら、手伝ってくれたな、少しの時間で全て埋葬でき、わしは猛獣達と暮らすようになったのだ)


「またすごい事をしていたんですね」


(猛獣達と暮らしている内に今まで聞かなかった事を猛獣に聞いたことがあった)


「聞きたい事?」


(それはな、あの時猛獣達はわしらを友と呼んでいた事だ、わしらは友とは思ってはいなかったし周りもそうだった。皆が言っていたのは共存する為に猛獣のルールを守ればいいと幼い時に言われたことがあったぐらいだ。友になったとは思いもよらなかったからだ)


「それで猛獣達はなんて」


(わしらが猛獣を傷つけない事がわかっていたし、お前は特別だとも言われた)


(猛獣が言うには猛獣の声が聞こえる奴は友になれると言っていたな。だからあの時友と呼んだそうだよ)


「理解に苦しみますよ」


(お主はそうかもしれんな。その後、猛獣達と暮らしてわしも大人になった頃だ、木が学民を集め川の底へ学民を隔離した。他の者達も同様集められた。強制だったがな。そこでわしは死ぬまで過ごしたんだが、死んだ時木がわしに言ったのだよ)


「何を言っていたのですか?」


(2つの選択肢をやると、1つはこのまま生まれ変わるか、ここに留まり導くようにするどちらかを選べと木がわしに選択肢を与えた。魂となった者に普通はそんな事はありえんのだがな)


「すごい選択肢を用意しましたね」


(わしもそう思ったよ、だがそれもいいと思った。ここに残り世界を見続けるのもな。それでここにいるわけなのだがな)


「なるほど、通りで見てきたような言い方をすると思っていましたがやはり見てきたんですね」


(そういうことだ、お主は道を誤るんじぁないぞ。わしはそれを伝えるためにここに残ってあったのだからな。ちなみにここにある物は全て木がわしに管理するように頼まれているものでもあるんじゃよ)


「すごい人生を送っていたのですね。私もこれから奴らに捕まりに行きます。本に書いてあったように動こうと思います」


(そうか気をつけるのじぁぞ、わしはここで待っておる)


「そうでしたね、ここから出られないのでしたね」


(出ることはできるんじゃ、でもまだ木が教えてくれた者にはあっておらんからな。出るならそれからだのう)


「者?」


(そうじゃ、この話はお主がここに帰ってきた時にでも話すとする)


「その話気になります」


(なら無事に帰って来い。その時にまた語り合うではないか)


「その時を楽しみにして行ってくる」


(気をつけてな)


そう言って秘宝庫を後にしたのだった。




ウーゴが戻ると何人もの輩がそこにいた。


「お前達は誰だ?」


「誰でもいい、付いてきてもらうぞ。抵抗すればただでは済まないから大人しく従う事だ」


本に書いてあった事が現実になったか。


「わかった」


「こちらとしても助かる。痛めつけたくはなかったのでな」


「そうか」


奴らについていく。目隠しをされており鎖で引っ張られながら建物の中に入ったのだけがわかった。目隠しを取られると巨大な魔法陣が目の前に現れた。


なんですごい魔法陣を張っておるんだ。解読は不可能だな。ある程度はわかっても部分部分がわからんな。


「ほら歩け」


「すまない」


魔法陣を迂回し奥へ進むと檻があった


「ここに入れ」


「わかった」


「しばらくそこで大人しくしていてくれよ」


「わかった」


1人だけなんか従うのが嫌なのだろうなそういう風に捉えてしまう奴がいた。よく見るとあやつ俺の側近の護衛ではないか。仕方ないかそうする他に方法がなかったのだろうな。




檻に閉じ込められて半月程ぐらいたった。日数がわからなくならぬように土に線を引いていた。


俺はいつまでここにいるんだろうか。


そう思うと扉が開くのがわかった。


飯の時間ではないな。誰か入って来たのだろう。頭をあげると元気だと悟られるから普段から頭は下げて音だけを聞いているお陰で足音だけでここの配下なのかそうでないかの判別はできた。


向こうでなにやら会話をしているようだが、俺のいる場所は入り口から離れたすぎているから内容までは聞き取れなかった。


(ウーゴ様聞こえますか?)


脳裏に声が響き顔をあげると、そこにはキリウスがそこにいた。あまりにも驚きすぎて、キリウスから指摘が入ったのだった。



ーーーーーーーーーー



「来たようね、みんな忘れないでよ」


「わかっていますわ」


扉が開きキリウスが入って来た



「昨日は疲れたでしょ?ゆっくり休めたのかしら?」


「はい、0番様。お久しぶりです。ゆっくり休めました」


「それでは」


手を叩くと、キリウスの魔法が発動建物内の魔法も発動した。


「普通に話してもいいわよキリ?」


「?」


「今この時点をもって作戦を開始します。それとここの会話は全て向こうの都合のいいように変換されるので普通に話しても構わないただし名前、番号だけはどうしても変換できないからそのまま伝わってしまうので注意するように」


「は!」


「それで、マ」


咳払いをする。


!?


「0番様、これからある人物の奪還という事ですが誰なのですか?」


「それについてはキリから話があるわ」


「はい、とある人物でして、エ、1番とイ、2番が最初の都市にきた時に夜に出会ったものです」


マリーはおかしくて笑うのを我慢していた。だって番号の前にみんなの頭文字を言うんですもの。余りにもぎこちなさずぎて、涙を浮かべながら堪えていた。


「あの時の者か」


「そうです、とある方を殺したと昨日言いましたがそれは本当なんですが」


「が、なんだ?」


「今仮死状態で埋められています」


「仮死?」


「仮死の状態だと見た目は死んでいるのですが、魂は体に留まり寝ている状態になっています。魂が起きだすと体も動くようになります。体の体温は死ぬ一歩手前まで低下して心臓も微かに動く程度で留まり撹乱魔法にて死んだように見せかけています」


「なら殺してはいないだろ、一度は殺しましたよ。そこからすぐに魔法を発動させて仮死を作り出したのです。魂が復活しても死にそうです」


「それ余り良くないんじぁないか」


「そうとも言いますが、あの状況だとそれが一番騙しやすいと思ったのです」


「それなら仕方ないわね、これから作戦を言うわよ。まずはキリ貴方は戻って報告をしてちょうだい。調査なのだから攻撃などはないんでしょ?」


「それはありません。ですが、結界魔法を壊せと言っていたのでそれは流石に無理ですよね」


「できるわよ。そのかわりにもう一枚さらに強力なのはるけどね」


「それずるくないですか?」


「なんで?破壊すればいいのでしょ?」


「そうですけど」


「ならなんの問題もないわよ、あるとしたらここに、来た時には結界が張られているだけだけどね。その前に壊れても次が張られているからなんの問題もないわよ」


「後は大丈夫ね?」


「はい」


「次に1番は花粉を利用して追跡」


「2番はキリの闇に隠れて待機」


「3番はここの結界を強化」


「4番は結界の外を警戒」


「5番はマグマの中で待機」


「人魚達姿を見せて」


「はーい」


「貴方達は自分の属性に紛れて待機」


「なにをするの?」


「貴方達はどうにもならなかった時に助けてもらいたいのよ」


「わかった、その時はすぐに教えて。手伝うから」


「ええもちろんよ、よろしくね」


「はーい」


「これよりあの人の奪還作戦を開始します、あの人が最優先。助け次第ここに戻ってくるわ。ただし、もしキリが言っていた魔方陣

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