第13話中央都市

「キリウス、ここで間違いないか」


「ここで間違い」


「なら、捕まえるか」


「いや待て、私の怒りが収まりがつかない、ただ捕まえるだけなんて俺にはできない」


「それはみんな同じだ」


「それなら、1人ずつ相手をして捕まえる、残りの4人は、逃げられないように、呪縛の刻印をして泳がすというのはどうだ、俺の呪縛の刻印は、刻印をしたやつでなければ解けないし、もしどこかに隠れようとしても見つかる。どんな結界を張ってもだ、一度呪縛の刻印をされたら最後、逃れる術はないものだ」


「イブリース、それいいわね」


「俺はマリー様の指示を守るのみだ」


「私は、偵察を仰せつかっている。そちらが疎かにならないのであれば、私も参加したいのよ」


「クルト、お前が従うのみなら、お前の獲物はもらっていいことになるぞ」


「言い訳あるか、俺も怒ってるんだ、今すぐにでも暴れたいのを我慢しているのがわからないのか」


「それなら、決まりだな、全員で、1人ずつ、行く。その前にイブリースには、刻印を全ての者にしておく、万が一ないが、逃げられたとして、マリー様みたく、心がひろいわけでわないからな。見逃すほど俺らは甘くない」


「イブリース頼んだぞ」


「お前に言われるまでもない。エブァンその前に用意しておいた方がいいだろう、あれ」


「わかっている」


「戦闘開始時刻15分後だ。1秒の遅れは許さんからな」


「「「「了解」」」」


 エブァンは、マリー直伝の捕獲用の魔法陣を用意しその時をまだかと待ちわびていた。

 この怒りは死よりも重い。絶望という名の祝福を与えてやる。

 待っているがいい。

「くっくくくく」


 時計を出した、10秒前


「10」「9」「8」「7」「6」「5」


「4」


「3」


「2」


「1」


「0」



「「「「「戦闘開始」」」」」




「つまらん、ほら抵抗しろよ、こっちは待ってやっているだ」


「もういいのか、ならこっちから行くぞ」


 怒りをぶつけまくった。

 危なく殺す寸前で止められた。己を忘れてはいけないな。やらないよりは、マシという程度か。

 あいつらは、どうだろうか。


「あら、もう終わり、魔女を舐めすぎたのよ」


 エブァンの方は、終わってるみたいね。

 イブリースは、本領発揮してるみたいね、楽しそう。


「どうした、ほら、次食らってらるから打ってこい」


「お前らはなんなんだ」


「答える気は無いな、お前が俺に食らわせたやつ、お前にやるよ」


「や、やめろー」


「もう、終わりかよ、うっぷんばらしにもならんな」


 向こうは、エブァン、ファティマ、は終わって捕獲の魔法陣に入れているな。

 クオンは、被りついてるぞ。あれ、大丈夫か?


「おい、まだ本気を出さないのか、食らってるやってるんだからな、もういいや」


 かぶりついて半分だけガブッと加えて気絶した。


「八つ当たりにもならん」


 3人とも終わっているのか。遊びすぎたか。まいい。

 問題は、こないだ入ったキリウスだ。

 あいつは、謎が多いいからな。戦いを楽しみみているか。

 結界に行き3人と合流した。


「おい、それ生きているのか」


「エブァンか、大丈夫だ気絶してるだけだからな」


「それより、キリウスが回避してたのが、攻撃に転じてるわよ」


「どれどれ、楽しみだな」


「そうそうキリウスの戦闘初よね」


「俺はマリー様以外興味がないが、戦いには興味がある」


「とにかく、観戦するぞ」




 こんなものか、様子を見るのに回避していたのだが、この5人には、宿りがいないようだな。

 マリー様に頼まれて他の者達を監視していたのだが、成果は5人ではないことがわかった。

 だとすれば残りは、あと4人ということになる。

 さっさと終わらせて、次の獲物に向かう方が賢明だな。


「川の流れに身を任せ、声なき声に答えよ リュール」


 皆さんは終わったようですね、私も合流しなくては。

 キリウスは、みなの元へ向かうのだった。


「あれ、どんな魔法なのかしら」


「俺たちに聞くな」


「エブァン、貴方なら今の分かる?」


「ええ、もちろん知っている。あれは体内の水分が全ての細胞に働きかけて、全ての機能を停止する魔法だ、ただ今回は、生きていないといけないから、呼吸をする機能のみが使える状態でこちらに来ることになるな」


「それ、結構えげつないわよね」


「それを、お前がいうか、お前の魔法の方がえげつないではないか、みてみろ、手足はどこに行ったのだないではないか」


「ちゃんと止血してあるから、死んでないでしょう」


「それをいうなら、イブリースだって同じものじぁないの、ウエストから下どこよ」


「馬鹿を言うな、下はある。向こうで下に戻すだけだ。切り落としたわけではない。異空間に下を隔離しているだけだ、止血する必要もないからな」


「一番ひどいのエブァンの方俺は思うぞ」


「クオン、それは言わないことだな、クオンのは、止血すらしてないから、ここに来た時には死ぬ直後だったんだからな、危なくマリー様に半殺しにされるところだったんだぞ、わかっているのか」


「え、なに殺したら私達半殺しになるの」


「当たり前だろ、そもそもそんな命令は、されていない、にもかかわらず殺したらどうなるか、考えなくても分かるだろ」


「エブァンの言う通りね、命令違反は間違いないから半殺しにされるわね」


「わかったら、キリウスが来たぞ」


「お帰り、キリウスも簡単に終わっちゃったわね」


「私は、早く終わらせて、マリー様の元に戻りたいです」


「それ、同感」


「それで、次はどうするのかだ、今奴らはどこに散らばった」


「はい、北のほうに1人、南に2人、西の方に1人ずつばらけて息を潜めている、そして今回捕まえた5人には宿しはいない、残り4人の中に居ると思う」


「正確な場所は、俺からだな、これを持っていけば、刻印をされた奴の近くなると闇の光がそいつめがけて飛んでいき刻印されたやつの体の中に入っていくから、すぐにわかるさ」


「これからとっ捕まえに行くぞ、今度は、捕獲が優先だ、さっきみたいなのは無しだ」


「キリウス、警戒怠るなよ」


「はい」


「1時間後待って動きがなければ捕獲開始だ」


「1時間待つのよ」


「大型ネズミがボスネズミのところに行くかもしれないだろ、今回捕まえた中にボスがいなかったらどうする」


「わかったわよ、待つわよ、待てばいいんでしょ」


「いいぞ、ファティマだけ、やればいいさ、そのかわり俺の代わりに半殺しにあって貰うからな」


「いやよ、それ聞いてやる馬鹿ここにはいないでしようが」


「わかればいい、もう一度だけ言う、1時間待って動きがなければ捕獲開始だ」


「現地で待機」


「イブリースは、アイテムの起動を1時間後に起動できるようにしておいてくれ」


「では、作戦開始」


 キリウスは、他の者達がここを嗅ぎつけないかと思ってはいたのだが、ここに到着した時にはその心配がなくなっていた

 この捕獲魔法陣すごい、捕獲したものを出さないし、魔力を奪いながら結界をそれでまかないながら、ここの場所が常に移動しているのだから、わかるわけがない。しかも移動場所は、常にランダム。

 どうしたら、こんな高度の魔法陣が組めるんだ。そばで見ててもわからない。

 これを見せられては、私なんかあの4人には到底追いつきそうもないのだ。





 ―――――――――――――――――



 西側の実行犯宅


 遡ること2日前


(決行は、2日後、あいつが隠れる場所に現れる予定になっているのがわかった。あいつの隠れ場所が木の近くということも突き止めてある。あとは中の物をおびき出すだけだ)



(捕獲用結界は、大丈夫な)

(勿論だ)

(おびき出しに使うものも揃っているな)

(移動魔法もだ)

(抜かりはい)

(奴が、隠れ場所に入っる瞬間にやれ)

(それと同時に、作戦スタートだ)

(皆の無事を祈る)



 そして今日計画は、成功したかなに思えた。

 予定通り、捕獲した。

 手違いがあるとすれば、あの隠れ場所には、数多くの物がいたからだ。

 今その物達が大量に押し寄せている。

 全てを捕獲した。

 そこまでは良かったのだその途端内側から一瞬で破られてしまった。

 強力な結界なのにだ。

 結界が破られた途端大量にいた物達は消えた。

 一瞬で姿をくらました。

 追跡とんでもない、その隙間なく居なくなってしまたのだ。

 そもそも何でここがわかったのかそれも不思議なんだ。追跡されていた気配も、痕跡もないのだ。

 訳がわからん。



 ―――――――――――――――――


 中央部建物内


 5日前にさらに戻る。

 ウーゴは、頭を悩ましていた。街で不穏な動きがある事を配下のミルより報告が上がっていた。


「近いうちに、動きがある模様です、何かをすることまでは掴めてはいるのですが」


「念の為緊急事態にそなえろ、調査は、引き続き続けろ」


「御意」


 それからさらに3日が過ぎた頃


「動きがあり、何かを捕獲する模様、捕獲用魔法陣の展開を確認、強力なものを発動しているようです。他にも魔法店で魔道具を購入していました。店の者に訪ねたところ、音声を自在に操る魔道具だそうです。その者近くにいた者にも尋ねたところ、これが成功すれば、全ての知識が手に入れられるとブツブツ言っていたそうです」


「なんだと、まずい、そいつらを捕まえろ今すぐにだ」


「御意」


 その命令から2日経った朝


「まだ、捉えられないのか、マリー様に手出しなどさせてたまるか」


「ミル、どんな手段でも、構わん、なんとしてでも探し出せ」


 くそ、ここの奴らはバカ、ばかりだ。

 マリー様が嘆くのも今の私なら痛いほどにわかる。

 ずっと連絡を入れているのだが返答がない、大変な事をならなければいいのだが、こういう時の俺の感は当たるんだ。

 とにかく、事態を終始せねばなるまい。

 その時だった


 ドーン、ドドドド ドッドッ


 地響きがなった瞬間ウーゴから冷や汗が流れた。

 間違いなく最悪の事態が起こっている。

 俺の感は当たったようだ、当たって欲しくはなかったのだかな




 50分が過ぎた頃、連絡魔法が南にいる奴から届いた。


(俺はこれからボスの所へ行く。命令をもらいにな、事態は、最悪の方向へ向かっている。報告魔法が妨害されていて使えないのだ)


(まて、今動くのはまずい、気がつかれるぞ)


(追跡妨害魔法を最大威力にして行くから、大丈夫だった)


(そんなのあてになるものか、普通が通じなのだぞ)


(たまたま、お前が当たった奴がそうだっただけだろ、そんなのがゴロゴロ入られてはたまらん)


(よしわかった、でも気をつけろよ)


(報告が終わったら迎えに来る)


(期待はしないでおこう)


(では、また後で)




 ―――――――――――




「エブァン、動き出しました、南2人組が動きを見せました」


「キリウス、わかった、そいつらに気がつかれずに追跡可能か」


「たやすいかと」


「ならば、泳がせろ場所と人物を、確認次第、全力で捕獲しろ」


「御意」


「という事だ、残り2人になってしまったが、誰が行く」


「私が、行きたいな、北の方にいた奴あいつ私に魔女ごときとか言ってたんだよ、酷くない失礼にもほどがあるわ、エブァンちょっとだけお仕置きしてもいいでしょ」


「構わないが、口が効かなくなった時にはファティマ、お前がその番になるから気をつけろよ、マリー様でも許されないかもしれないぞ、なんせ、この中に宿りがいるのだから失敗は消して許されん」


「わかっている」


「ならば許す」


「やったー私、北!」


「あとはどっちが行くんだ」


「俺が行こう、さっきはガブッと勢い余って噛みすぎたからな、加減を覚えねばならない、練習がてら行ってくる」


「頼むから死にかけ持ってくるのだけはやめてくれ」


「わかっている」


「ならいけ」


 あとは、ウーゴだな。

 あいつは何をしているんだ。

 これでは、こないだのマリー様が見逃したのが全く役に立ってはいない。

 これに関しては、マリー様に直接聞いてみてからだな。


 どうやら、何か動きはしているのはわかっているが、詳しい話はキリウスから聞くとして、泳がせたやつはどこまで行ったか。

 キリウスを行かせているから任せるとしよう。

 最悪、情報が手に入れば、問題は、あるまい。


 さすがだな、イブリース、キリウスの補佐に回っているみたいだな。

 さっきから姿を見せないと思っていたが、キリウスの闇に隠れてついて行っているようだな。

 それなら、安心て待っていられる。


 あとは問題はクオンだな。


 ファティマは、戻ってくるぞ、早いな。


「ただいま」


 あれはなんだ、見た目からして人ではないな。動物でもないな。


「おい、これはどうゆう事だ、なぜクモなのだ、確かに口が聞けるようにとは言ったが、姿を変えていいとは、言っていないぞ。どうするのだ」


「後の処理がめんどくさいだろ」


「だって、こいつ2回も魔女ごときとか抜かすんだよ、こういうのは甘やかしたらダメになるタイプなのよ」


「そんなもん言い訳だ」


「帰ったら、ファティマも手伝えよ」


「えーやだよ」


「自分でやったんだから、責任持って最後までやれ、手伝ってやるだけましだと思え」


「はーい」


 クルトはの方は………終わったな。


 お前もか、こいつら何か間違っていまいか、教えな直してやらないとダメだな。


「帰ったぞ」


「クルトお前もだ、なぜそうなっている、手と足が逆についているぞ


「簡単な話だな、人型で魔法を始めて使ったのだがうまく言った。いい感じではないか」


「バカ言え、そいつ魂壊れかけてるだろうが」


「そうなのか、また失敗したか。今回はガブッとしない方がいいと思ったのだ、魔法に切り替えたのだがかなり小さい威力を抑えたのだぞ、抑えられる限界のところまで下げたのだが、それでもダメか」



「いや、魔力事態は、うまく言っている。それに関してはいいと思う。魂まで壊れかける寸前の所だ。それでは口を動かすが精一杯で、コイみたいにパクパクしてるだけではないか。これでは使い物にならん」


「練習が必要だな」


「とにかくだ、こいつの魂は、俺が保護しておく。壊れかねないからな」


「エブァン、すまん」


「気にするな、教える、キリウスが到着したようだぞ」


 あいつら、なぜ木に登っているんだ。


待てよ。 !?あの場所は!?


「おい、キリウス場所特定したから、一度下がれ、それ以上は危険だ」


「ですが、いいから下がれこれは命令だ、イブリースも聞こえているだろさっさと戻ってこい」


「俺の場所をよくわかったな」


「何寝ぼけたことを言っている、気がつかなければバカだな、場所は、どこかもうわかった。俺の昔の知り合いの家だ」


「エブァンが、ここまで慌てるということは、何かあるということね、私は戻ります」


「俺も戻るとするか」


「戻ってやったぞ、ちゃんと説明をしろよ」


「今から説明をしたいのだが、緊急事態だ、今すぐにマリー様の元へ戻るぞ、俺の周り集まれ」


「どうしたのよ、急じぁない」


「そうだ、説明ぐらいいいだろう」


「説明してる暇がないんだ、早くしてくれ」


「わかったわよ」


 ―――――――――――



「みんな帰ってきたみたいよ」


(早かったね、もっとかかると思ってたのに、流石マリー様の配下。ここに入れるだけはあるね)


(本当、本当、マリー様配下にするの上手いよ)


「ありがとう、みんなにそう言ってもらえると嬉しくなちゃう」


 ―――――


「キリウスこいつら、見張ってろ」


「はい」


 パタン


「マリー様、大変でございます」


「エブァンが慌てるなんて、いつ以来かしら」


「何に呑気な事を言っている場合ではないのですよ」


「どうしたの」


「それが、木の精鋭部隊が動き出したみたいなのです」


「それは、大変ね」


「マリー様、全然大変に思っていないですのね」


「バレた?」


「本気になってください。甘い連中じぁないんですよ」


「それ、なんだけどね……」


 マリーは、魔方陣で扉を出し、エブァン達を連れて木の内部に足を踏み入れた。


 目の前に現れた光景に驚きを隠せなかった。


「マ、マリー様これは」


「そう、出られないのよ、ここからは」


 中で暴れまくっている、連中が30人ほどいる。

 中では、全ての攻撃が吸収されている。何という結界を張るんだ。


「ここにいる連中は、もしかして」


「そう、エブァンが慌てた原因がこれ」


「だから、大変と思わなかったのよ」


「ですが、なぜわかったのです。私にはそれが分かりません」


「それはね、ここは木の内部だったから、木はね、自分や私と、隠れ家に案内され、入ることが許された者以外はこの木の内部、隠れ家には、入ることが出来ない、それはエブァンも知っているわね」


「はい、ですから、ここが襲われる可能性が高まったので、慌ててきたのです」


「ここが許される理由、それは忠誠、木や私、物達への忠誠がここに入る、入れる条件。ここまで言えば、エブァンもわかるでしょ」


「なるほど、それは分かりましたが」


「ちょっとまって、わからないわよ」


「エブァン、俺たちに分かるように説明してくれ」


「私が説明の続きをするわよ、入れる条件がどれか当てはまると入れるという事は、今話したわね。そして中にいるのは木への忠誠で木の内部にはいれている者なの、ここからが本題、ではなぜ結界が張られているのか」


「それです、マリー様が貼ったとしてどうしてタイミングよく貼れたのか、どうして彼らが攻撃するとわかったのかです」


「とりあえず、隠れ家に戻ってお茶を飲みながらにしましょう」


 隠れ家に戻るのだった。

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