第14話木の内部

席に着いて、お茶の準備が整うまで物達との会話を楽しむことにした。


(おかえり、マリー様、どうだった?)


「ええ、張られてたわよ、あれ私でも壊すの大変よ、少し時間がかかるけど破れるわね。みんななら、簡単にしてしまいそう」


(えー、マリー様、時間かかるの?なら教えてあげるよ。ちょっとしたコツあるんだよ、それが出来きると簡単になるからさ)


「教えて、お願い、今度頼まれたやつ少し多くに持ってくるから」


(マリー様、約束だよ)


「私、約束破った事ないよ」


(知ってる〜)


お茶の準備が整ったようだ。


「話の続きを聞かせてください」


「どこまで話したかしら」


「それです、マリー様が貼ったとしてどうしてタイミングよく貼れたのか、どうして彼らが攻撃するとわかったのかです」



「そうだったね、結界が張られている理由、それは忠誠がなくなったから。中にいるのは、さっきも言った通り、木だけの忠誠、木への忠誠がなくなればどうなるか、追い出されて、入らなくなるというのが皆が考えること、木が考えたのは違うの、木への忠誠がなくなってしまった者が外へ出たらどうなるか、木を切ると言う手段になる可能性があると、木がそう考えて、もしこの中にいて、木への忠誠がなくなったらここに閉じ込めてしまおうと考えた。それは忠誠がなくなった者のみに、結界が張られるようにしようと。木自身の内部、さっきいた場所に構成してあったの。これは、木の内部が、出来上がった時にはすでに、出来ていたの。今回彼ら全員がその対象だった為に、あんなに大きな結界が張られてしまったのよ。木が切り倒されない限りそれは続き、木自身の意思を離れてもそれは同じように存在していた。彼らは、隠れ家を破壊しようと試みようと企んだ、その結果忠誠がなくなったということになり、魔方陣の起動条件を満たした、攻撃を予測したのではなく、企んだ時から、魔方陣が起動を始めた時にいた者だをこの中に取り込む為データを取っていたから、すぐには発動しなかったの、その後、企んだ者達が全て揃うと結界が張られた。それと同時に攻撃が開始されたの。だから私や物達が守られた結果になったの」


「では、マリー様が貼った訳ではないのですね」


「そうなるわ、貴方達がここに居ることが許されているのも、私への忠誠が理由なのよ」


「あの者達は、どうなさるおつもりですか」


「そうね、まずは宿した者を取り出したいのだけど、中に入らないといけないし、中の者達をその時どうしようか迷っているのよ」


「私目に良い考えがあります」


「キリウス、その考え教えて」


「結界内の全ての者を眠らせて、その間に、出すというのはどうでしょうか、もちろんその前に反撃があるかもしれませんが」


―――――――――――――――



「キリウス、いいわね。怪我しなくてすみそうだし、簡単に出せるものね」


(マリー様、それなから僕行く、ずるい、私も行きたいのに)


(そうだ、そうだ、君たちだけずるいよ、みんなマリー様と行きたいのに)


「みんな、さっきの教えて、それと行くならみんなで行こう、ワイワイして楽しそうだよ」


(やったー、みんなで行こうね。それなら手を出して)



――――――――――――



彼らの前に物達が飛んできて、辺りはまあるい半透明な球体が飛び回っていた。


((おい、これは、マリー様がおっしゃっておられた物達なのか、俺らには半透明な球体が飛び回っているようにしか見えないぞ))


(イブリース、クオン私だってそう見えるわよ、キリウスは、どうなのよ)


(私には見えています。もちろんエブァンも見えているんだよね)


(キリウス当たり前だ、そもそも物達の姿を見るには、マリー様の忠誠だけでは無理だ。物達への忠誠も必要となるのだが、問題は、見えないのにどの様に忠誠をするかだ。物達への忠誠を得るには、ここに居る間に魂がそれをしてくれるという事だ。この空間に慣れてくると必然的に見えてくる、お前たち2人も見え始めているのがその半透明の球体、それがそのうち形を成してくるし、会話も聞こえてくる)


(なんでキリウスは、もう見えているのよ、おかしいじゃない)


(簡単だ、キリウスは学民だからだ。魂が学んだからだ、魂も学ぶ事が出来るんだよ。これはこの世界の者ならば誰でも持っている力、考えて学とは違って魂そのものが勝手に学ぶという事だな)


(なら、鍛えようがないじゃないのよ)


(そういう事になるな)


(マリー様が光りだしたぞ、なにが起きた)


(イブリース慌てるな、今マリー様は、知識を体や魂に刻んでおられるだけだ)


(((!?知識を刻む)))


(そう、マリー様は、知識を物達からもらっているのだ)


(そもそも、物達とは一体なんなのよ)


(物達とは、この世の全ての物に、魂が宿った物の事を言い、魂が宿した物達が全てここに集まる。それがこの異空間なのだ。物達に愛されているのがマリー様で、物達が刻んだ時の分、知識を待っている。それをマリー様に教えているのが今なのだ。物達は、人に知識を教えとく事などあり得ないがマリー様は、物達に愛されているが故に、物達は、自ら教えたがるのだ。その結果今マリー様が光っている証拠、その内治るから待っていればいい)


(エブァンお前、今とんでもない事を言ってるが自覚あるのか)


(イブリースに言われなくても、あるさ。俺だって最初見た時は目を疑ったほどなんだからな)


(なんか、次元が違いすぎて呆れちゃうわよ)


(俺は、マリー様なら出来る。当然だ)


(クオンは、いいや、マリー様さえいればいいんだからね)


(キリウスは、違うのか)


(そんなわけでないでしょ、マリー様だけいればいいわよ、でもそれでも、私はみんながいた方がいいな)


(マリー様が終わったようだね)




―――――――――――――――



知識を覚え終え配下に目をやった


みんながマリー様を見ていたが、マリーはみんなの後ろにいたキリウスを見つめていた。


(ねぇ、マリー様、あれもしかして、宿したと同時同化始めてない)


「あら、よく気がついたわね、そろそろ、同化始まるわよ」


(配下に宿ってくれたから、見つけ出しに行かなくて済んだね。よかったね)


「本当に、しかもアレ、かなり貴重な属性だよ」


(本当だ、アレがマリー様の配下にいるのなら、血眼になって探さずに済んだね)


「問題は、アレがちゃんと同化するかよ、失敗したらキリウスが大変な思いするわよ、出来ればそれは避けたいわね。物を除去するのはいいけどそれはそれで悲しいわ」


キリウスからみんなを離さないと巻き込まれる


――――――――――――


「みんな、キリウスから、すぐには慣れなさい」


一瞬でみんなが離れた途端

ものすごい魔力がキリウスを包み始めた。嵐のような激しさと包み込むような優しさの魔力の嵐がキリウスを包んでいった。うす紫のまゆのような、嵐がキリウスから、なくなると、綺麗な女性が姿を現した。


「キリウス気分はどう?体調悪くなってない?」


「マリー様、私になにが起きたのでしょうか」


「あら、自覚なしで成し遂げたと言うことは、貴方の宿した物は、無ね、中々宿ぬし見つけない物を宿して、同化も済ませるなんて素晴らしいわ、私の目に来る言わなかったようね」


「なんと、キリウスは宿していたのか」


「イブリース違うわよ。もともと宿してはいなかったの、さっき宿したのよ、それと同時に同化を果たしたの。キリウスが宿したのは、無。無は、魔方発動したと同時に元の状態に帰してしまう、魔力に戻るってことなの。だから魔方陣での発動は、無かった事になるのよ。それが無、これは自分の意思で操るのが難しいけど出来るようになると便利よ」


「よかったな、習得すればマリー様の役に立つと言うことではないか」


「そうよ、貴方が要らなければ私が欲しいのに」


「私にこんな力勿体ない物です」


「私が放った水晶は、力があると水晶に認められなければ宿らないの、ましてや無を手に入れるのが本当に難しくて、私が作った水晶の属性の中でも数が少ない物なのよ、誇りなさい。選ばれたのだから」


「マリー様の言われる通りだ、しっかり力をつければいい」


「クオン、イブリース、ファティマありがとう」


「さてと、ステキな出来事の後には、後始末が待っているわよ」


「ファティマその通り、みんな行くわよ」


扉をだし、木の内部へと足を進めて元の場所へと戻ってきた。


「始まるわよ。キリウス捕獲用魔方陣を用意、エブァンは、それを強化、イブリースもその上から強化、ファティマは、転送魔方陣を用意クオンは、もし結界崩壊した時にみんなの護衛、行くわよ」




「「「「「は!」」」」」


それぞれが与えられた事を始めた。



「母なる腕に包まれし、歌とともに眠りの彼方へ誘え

ドルミー」


結界内の連中は、眠りにつくのだった。


結界に手を触れる


「我、木とともにあり、忠誠は、木とともにある、優しさを木に捧げん、レオダージリン」


ファティマの転送により結界内に入った。


「私の作りし物、我の声とともに光り輝け、ロージェ」


いた、この子、幼いじぁない。ん!幼いのではなく幼くなったのね。この子はきっと緑ね。エブァン喜ぶわよ。

同胞が増えたのだから。

結界からでて、捕獲用魔方陣の中に入れた。

残りはどうしようかな。


よし決めた、この者達に私の配下になるようにしましょう。

決して逆らえない存在だとわかってもらえばいいのだから。


まずは木の内部から、捕獲した者を移動しないとね。


「キリウス、エブァン、イブリース、ファティマ貴方達、それ維持するのにかなり余裕あらわね」


「はい」


「「はい」」


「それなら、貴方達先に戻って、私が戻るまでそのまま待機して」


「マリー様は、こいつらをどうするおつもりで」


「今から私の配下にする為にちょっと荒業事するのよ、あまり見せたくないのよね。これ、観ると魂砕けるから今度見せるという事で許して」


――――――――――――


(マリー様、あの子なら見るのみなら出来るんじゃない?)


(私いいよ、手伝う)


「ありがとう、でもダメなのよ、アレ使うと見たものが対象全てなのだから、今からここの中を漆黒にしてから見える対象を彼わのみに限定するのよ、闇は、等しく平等に与えられるけど漆黒は、やってくるものその中にみんながたえられないから、私がみんなを守りながらするのよ」


(そっか、残念お手伝い出来ると思ったのに)


「ありがとう、頼む時にお願いするからね」


(絶対だよ)


「絶対ね」


―――――――――――――――



「それは危険ではないのですか」


「大丈夫、ここがどこか忘れてない」


「そうでしたね」


「エブァン、そう簡単に言うな、それでも危険なのは変わらないぞ」


「後で説明するからまずは移動だ」


手を叩いた。


これで移動完了ね


「隠れ家ではないか、マリー様は?」


「向こうで作業をなさっているだろよ」


「エブァン、さっきの説明しなさいよ」


「そうだ、アレでは全然納得がいかないわよ」


「わかっている。さっきもマリー様がここが木の内部だから大丈夫だと言っておられたな、その理由は、マリー様が木から生まれたもう1人の木であるからだ」


「それは前にも聞いた。だからなんだというのよ」


「簡単にいうとだな、もしマリー様が倒されたら、どうなるか、それはまた生まれるのだよ。マリー様が再生して生まれてくるだけのこと、勿論記憶がある状態でな」


「それだと不死身に聞こえるぞ」


「その通りだ、マリー様は、ここにいる間は不死身だ。あくまでもここにいる間だけだがな」


「それなら、外に出たら不死身にではなくなるってことよね」


「そうなるが、そもそも外に出ても大丈夫な様に知識を入れてあるのだからそれこそいらぬ心配なのだよ」


(ここ、どこかな?なんか下にいる人たちが話してる)


(様子見ていようかな)


「あいつら配下にするのね、牙を向かないかしら?」


「アレをするんだろうな」


「イブリース、知ってるの」


「知ってるも何も、味わったよ俺自身が」


「は!それでよく生きていたわね」


「殺す魔法ではないんだ、魂に直接叩き込む魔法で魂を一度壊すんだ。その後修復してから解放すると、逆らう事が愚かな事と知るのだ。それは、頭で逆らおうとしても魂がそれを許さない。忠誠が魂に確率し裏切りがなくなる。自我もちゃんとあるんだ。それは闇の中でやれば問題はないのだが、そうでないところでやると、見たものが全てが対象になり、同じ事が見た物達の身に起きる。一度忠誠を魂に刻まれた者が同じ事をされるとどうなるか、魂が砕けてしまう。魂が砕けるだけならいいのだが、肉体そのものもなくなる。チリと化すのだ。マリー様は、それを知っていたから、我らをここに移動させたんだ」


「エブァンは、知っていただろうがな、俺の食らったやつ見てただろう」


「まーな」


「え!見てたらチリになるんじゃ」


「あの時は、マリー様お手製テントの中に居たからな」


「逃れる方法が1つだけある、それはマリー様お手製テントの中だけだ」


「俺もアレには驚いた、テントが全て弾いていたのだよ」


「それってマリー様が作ったんでしょう」


「そうだ、魔法道具だそうだ」


「マリー様も道具作れるのね」


「マリー様が戻るまで維持するわよ」


「言われるまでもない」


――――――――――――――



マリーは、漆黒のドレスを身にまとった。


みんなこのテントの中に入ってちょうだい。


(はーい)


物達が中に入ったのを見て


「何が起ころうとも決してそこから出ないでよ」


(マリー様、わかってるよ、それにマリー様が倒されたとしても、ここにまた戻って来るの知ってるしね)


(そうそう、ここの中は、マリー様の支配下マリー様そのものなのだから、死ぬことはないものね、みんな)


(それよりも、ここから出たら、私達がいなくなっちゃうよ)


「わかっているなら、よかった、始めるわ」


「我、漆黒の闇女王なり、いでよ、ジャッジニール」


辺りが漆黒の闇へマリーを中心に一気に広り、全てを包んだ。

勿論、隠れ家は、私が手出ししないようにしてあるので、そこに漆黒の闇が来ることはないが、見ることは、許されない。

妨害魔法は、意味をなさなくなり、その中に居た者が達はが解放されている。


「いきなり闇が現れた、そんな時刻ではないはずだ」


「何が起きているんだ」


みんな混乱し始めているわね


「貴方達、ダメよ。木への忠誠無くしたから結界貼られてしまったのよ、代わりに私への忠誠を誓いなさい」



そういって、皆の前に立つのだった。


「お前は誰だ」


確かにこの姿だとわからないかも、かなり成長するんだよね、漆黒のドレスを身にまとうと。


「さっき、貴方達の前に現れたじぁない」


「馬鹿なこと言うな、俺たちの前に現れたのは、子供だ」


うーん、説明するの面倒。いいやそのまま進めちゃう。後でエブァンに説明させればいいや


「私の名はマリー、貴方達を配下に導いてあげるわね」


「馬鹿な事を言ってるんだ」


問答無用でスタート。


「魂に宿りし闇よ、その魂に写し刻め、わらわへ永遠の忠誠を エンタルニータ」


魂壊れたわね、後は修復して元どおり。忠誠の人達出来上がり。って悪者みたい。私らしくないから、やめやめ。

こんな発言思いつく自体いけせん。

子供には、聞かせられないよ。

感覚麻痺してる。

そろそろ現代に魂戻そうかな、その前に配下にしないとね



「さて、皆さん聴こえる、配下になる気になったかしら」


ビクッと身体が動いた。


「はい、私達が間違っておりました、我々でよければマリー様の配下に下りたいと思います」


「ええ、勿論大歓迎よ」


「さあ、隠れ家に戻りましょう」


―――――――――――



「ただいま」


29人が一斉に跪き


「無礼の数々申し訳ありませんでした」


「マリー様の寛大なお心に感謝をしてくれれば構わない」


「マリー様、この中の者はこれからどうなさいますか?」


「エブァン、その前にここすごく狭くなったのよ、広げたらまずいかしら」


「いえ、マリー様のお部屋になりますので、お好きになさっていただいて構いません」


「そうなの、元々エブァンの部屋を借りていると木の説明書には、書かれていたわよ」


「確かにそうなのですが、それはマリー様が大きくなるまでの間の話で私の中では、マリー様の家として考えておらました」


「それなら、エブァンの部屋を少し大きくしてもいいわね、それとエブァンには苦労かけてるから1つだけだけど物達から、知識を1つ教えてもらえるようにしてあげる、エブァンは、特別よ!だって私が生まれた時から私に仕えているのだからね」


「それでしたら、イブリース、ファティマ、クオン、キリウスに、教えを1つづつお願いは、できないでしょか?」


「それは構わないんだけど、問題が1つ、物達の姿と会話が聞かなければ教えることができないのよ」


「それができればいいわよ」


「イブリース、ファティマ、クオンは、もう少しね、出来たら教えるわね」


「ありがとうございます」


「感激でございます」


「あり難きお言葉」


「部屋をこれから広くするわね」


部屋の真ん中に移動しテントに物達を移動、結界を維持し続けているのだが、その上から更なる結界を展開、準備を進めるのであった



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