第10話川の底
食事を楽しみながら、話をし始めた。
「それで、その学民だけどどうなのかしら」
「それがですね、学民ではない者が生まれたわけではなく、学民達がそれをしたです、そのもの達は、外の世界へ憧れていました。
ですがここの教えを守り育ったが為に外には、出なかった。
いや出たくなかったというべきでしょうか。
そのもの達は、学びました。外に出るのは怖いなら、魂だけだでも移動して、外に出られないものかと。
長きに渡り、秘密裏にいろんな方法を進めてきたそうです。
そしてようやく完成したのがここ最近の話です。
まずは、腕のあるもの10人を送り込んだそうですが、ここでトラブルが発生したのだそうです。
送ったのはいいが、帰ってこれなくなった。
そしてここに残っている体が老い始めそうです。慌てた者たちは、連絡手段としてアイテムを異世界に送れるアイテムで、帰れるアイテムを送ったそうですが、それすらでも出来ない状態でした。
自分達では、終始がつかなくなり、それを束ねていた者が私の所に来て自体が発覚したのです。
私も色々試したのですがそれでも、中々進展できなかったのですが4日前魂の一つが帰ってきたのです。
様子を見ていたのですが昨日3名の者も帰っていたので、アイテムの効果があり、帰ってこれていることがわかった所です」
なるほど、アイテムの効果を試しているのか、これはこいつも絡んで実験していたのね。
嘘が下手というか、なんというか。
そもそも魂の移動には、それだけでは魂と肉体が大変な事になる。
どうしようかな、勘違いを訂正しないで、このままにして置くのもありなんだけど、ここの学民には、学んでもらった方がいいでしょうね
「そう、わかったわ、エブァン、イブリース、ファティマ、クオンちょっとこの空間に入っててちょうだい」
空間を割いて入り口を作った
「何をなさるのでしょうか」
「貴方達にも見えるようにしてあげる、その代わりこの空間から出てはだめよ、絶対に」
「は!」
4人はその空間に、入っていった。
「マリー様は、何をお考えなのかしら」
「俺はあの方がなさる事に、口を挟むつもりはない。昔からそれは変わらない、従ってきたからな木にも」
「クオンは、真面目だな、俺は従えていた方だから気になるんだよな」
「多分、あれをなさると思うぞ、ただ余りにもここが混乱になるだろうから、俺らをここに入れたんだと思うぞ」
「あれって何なの?」
「これ以上は、、、」
睨んでおいた。エブァンは、種明かしを楽しんでいるみたいだ。まったくも。
「さて、貴方は私を見くびるにもほどがあるみたいね。そんな、学民(まなぶたみ)には、お仕置きが必要だったみたい。木は学民を愛し守ってくれていたにも関わらず、それを裏切った。その代償は大きいわ、ちゃんと外に出れるようにもしてあり、学民ならば術を学び川の底から外へ出ていって生活が出来るだろうと願っていたのにそれすらもせずに、異世界に手を出すなんて愚かな」
「な、何を、、、、、!?」
「ようやく気が付いたのね、そう全てを仕組んだのは貴方ズッカールプッペ。私は貴方との会話で全て見せてもらいました。貴方がしてきた全て。私にはわかるんです。会話には魂が宿り、それには意味をなす、それは事実と異なると、魂は宿らないという事になる。嘘には、魂はやどらないのよ。そして貴方は、魂のない嘘を私についた。所々本当はあったけど、ほとんどが嘘の塊、私が言いたいことは、わかるわね」
「とんでもありません、嘘など」
嘘が本当なんてわかりるわけがない。堂々言っていれば、大丈夫、証拠もないんだし。
「だから、学(まなび)は大事なのよ」
「結界よ我の声に答えよ」
「マリーさ〜ま〜会いたかった」
ひとりの子供がマリーの前に現れた
「子供が一体どうやって」
「紹介するわね、この子、ここの結界を守っているキュウ貴方達をずっと守って来た結界のスペシャルリストなのよ」
「マリー様に私が貴方達がしてきたこと全部話したの、ダメだよ、嘘は、せっかく守ってきた私がバカじぁない」
「キュウ、結界を魔力有りに変えて結界最大強化できるわよね」
「もちろん、その前にマリー様あれしてお願い〜」
「仕方ないわね、久しぶりだから、今回は長めにしてあげる」
キュウに抱きついた。
「わーいマリー様の美味しい、マリー様ふわふわで気持ち〜、大人のマリー様素敵〜」
抱きつき返してきた。今キュウは、私の魔力を吸っているだ
「そろそろいいかしら」
「マリー様ありがとう、魔力濃厚な上にちょっとの魔力で結界張りまくれるほどなんだもん。今回いつもより多いいから大事にする」
「喜んでもらえてよかったわ、キュウ始めてちょうだい」
「はーい」
「そんな、そんな子今までいなかったじぁない」
「だって、キュウは、私が呼んだ時にしか姿を見せないの、そもそも私以外の人にあの子は従わないわよ。ちなみに言うけど、キュウは、学民で、虐待、奴隷、半殺し、八つ裂きにあった子の1人、それを木が助けた子なのよ」
「そ、そんな」
「キュウ準備できた?」
「マリー様いつでもどうぞ」
「そうは、させない」
ドン!?
「大丈夫?、結界に阻まれて怪我はしてないかしら」
私に攻撃をしてきたのだが、結界が弾いてズッカールプッペに当たった。
「どうして」
「それはね、私身体には敵意に反応してあらゆる攻撃弾いちゃうように体が勝手に結界を貼るのよ。大丈夫そうね」
「バカな、魔力がないここでそんな事が出来るはずないのよ」
「確かにね貴方の頭ではそうなるかしら]」
マリー様は、それをここに居た時からずっとしていたと言う事になる。
それを維持するには、自分の中の魔力を使わないといけない。
それを維持し続けていると言うことは魔力が膨大になさればなし得ないことなのだ。
いくら学民だとはいえどもここまでの魔力を持ち合わせることなどない。
「時を司る者達、今を司る者達、過去を司る者達、未来を司る者達、私の声に耳を傾けて私の意思に答えよ タイムナウンパストヒュチャー」
その瞬間、全ての学民は、全ての過去、今、未来を体感するのだった。
分岐点、に差し掛かったようだ。
ここからが本番。
学民が術を学び外での生活を選んでいたのであればどうなった未来を築けたかを知ることにある。
それを選ばなかった学民が今の状態にする為に選んだ道、進んでしまった過ちが今に至る。
学民は、この後どうするべきかを考え学ばないといけない。
せめて私の手でここは終わらせたくないからこそ、今考え学び、先へ進む道しるべを私の手で導いてあげなくては、きっとそれが異世界には、必要だから、その為に私は生まれたのだから。
全ての学民の体感は、終わった。あとは、学民達の学びに期待したいな。そろそろ解ける。
「キュウ、ありがとう、お陰で助かった」
「マリー様、今度はいつ来るの?私ここばっかでつまんないよ、だって嘘ばかり言ってるんだよ。本当に昔の学民より酷くなってるんだよ。もうやだ」
「そう言わないで、キュウ、きっとこれからステキな事が起きるわよ、学民は、今まで導いてあげる人がいなかったのだから、私がきて道を示しての。みんな考え学(まなぶ)わ、そうしたらここの結界は、潰されないようにするだけの結界になるから、そしたら私の元に戻ってこれるわよ」
「本当に!」
「ええ、それには学民をもう少しの間守ってあげないといけないの。キュウなら出来るでしょ」
「いいよ、守ってきて1500年経ったしね、あと少しなら我慢する」
「キュウは優しいね、学民を見守ってあげて」
「マリー様がたまにはここにきて欲しいんだけどな、500年一度も来ないのは寂しいよ」
「あの時は、特別だだったのよ、今度は、そんなに開けないからね」
「わかった、今度くる時あれ欲しいな、500年前にもらったやつのお揃いがいい」
「ええ、持ってくるわね」
「楽しみがいっぱい嬉しいな」
「エブァン、イブリース、ファティマ、クオン出てきても大丈夫よ」
4人は時空の狭間から、出てきた途端これだ
「マリー様、一体何をしたの」
「我々にもわかるように説明を」
「私は従うのみだが説明は、聴きたい」
「いつものように説明をと思いましたが、出すぎた真似を申し訳ありません」
と、いつも説明が大変なのである程度は、エブァンに任せてはいるのだが、今回はほかの学民にバレる恐れがあったのであえてそれを阻止したのだが、やはりこうなるのよね。
仕方ないので、説明をと思っていると
「私達は何で木が示してくれた道を外れてしまったのかしら、ちゃんと2つの道を用意してくれたのにも関わらずそれすらも無視したと言う事なの」
「そうね、たしかに道を示してくれたが、逆にそれ以外、無いのかと考えてしまったと言うのが正解なのよ。
確かにそれもあり得た、それもいいと木は思ったから、今がそうなのだと私は思うの、けどね魂移動は、ここの世界に残された体の老化を逆に進めてしまう。
悪いことではないが、もしここの肉体がなくなればここには戻ることはできない。そして魂もまたここには戻れない。
これは、向こうの世界と、ここの世界の干渉を許さないから。そしてそれを成し遂げることはない。
必ず犠牲が出てしまう事がわかっているから、犠牲が出れば悲しむ者が少なからず出てしまうもの。それはどのな時でも変わらぬ感情、愛しい者が居なくなれば悲しむ、逆に、いなくなった者からすれば寂しくなる。それは全ての生き物に共通するもの。だからこそ少しでも悲しみを寂しさがなければいいと私は思うのよ」
「私は、、、、」
「ズッカールプッペこれからよ、これから学民は、新しい学びを手に入れた、ならばあとは何をするべきなのか私が言わなくてもわかるわね、ズッカールプッペも学民なのだから」
「はい」
「本題に入るわね、私が来たのは今の事のほかにもう一つの用があったの。キリウス貴方に頼みがあったのよ」
「!?私にですか」
「そう、キリウス私の配下にならない?」
「!?」
「お待ち下さい、キリウスをマリー様の配下などとんでもないのです。この子は、まだ未熟そんな者を配下になどできません」
「ズッカールプッペ、未熟でいいの、この子は学事を恐れず学んだ。知らない事を学と言うことは怖さ、恐れがつきものなの。それを乗り越え、知る事をし、理解、学び取る事ができなければ魂は砕ける。私の配下にあるこの4人は、魂そのものが強いのよ。だから壊れても、砕けることはないが、ほかの民は違う。砕けてしまう。学民でも、民と比べれば強い魂なのだけれども、それでもここにいる4人よりは弱すぎる。さっきの見せた時にキリウスは、壊れはしたが砕けることはなかった、そして、さっきの体験しても、壊れることはなかった。その二つに耐えられたのは、貴方とキリウスだけなのよ」
「それでも」
「ダメよ、ズッカールプッペは、ここを導く役目があるのだからそれをしなさい。それは、貴方の過ちの償いなのだから、あとは、キリウスの気持ち次第、強制はしない、貴方が思う通りにすればいい」
[おれは…」
ズッカールプッペを見た
「いいわよ、キリウスがしたいようにして、私にはここを導いてあげないといけない、でもキリウスは違う貴方の未来を決めるのだから自分の気持ちを大切にしなさい」
「わかりました、マリー様少し考えさせていただいても構いませんか」
「もちろん、ゆっくり考えて、その間ここの民の様子を見て心の修復をしています。いつでもきて」
「行きますよ4人とも」
[よろしいのですか]
「いいのよ」
城からでて、結界の中央部に向かって歩いて行った
(俺はズッカールプッペ様に長年側に支えてきた、裏切りにならないだろうか。だが、マリー様と一緒に行って世界を見てみたい気持ちが大きくて、ここの近くの街だけではなくそれ以外も好奇心がまさっているのは、間違いない)
――――――――――――――――――
中央部に向かって歩きながら4人には、先ほどの説明を行なっていた。
「そんな感じよ」
「マリー様もお人が悪いですよ、それにエブァンもよ、わかっているなら、なぜ教えてくれないのよ」
「そうだ、これならばもっと学べきなのではないか、でなければ我々だけ、知らん事が多すぎではないか」
「確かにイブリースが言うことは正解だな。我々ではエブァンにすら追いついていないと言うことになるなんとかしなくてならん]
「説明しなかったの悪かったが、マリー様に止められたのだよ]
「!?」
「「!?」」
「そう言うことだから、許してね」
ちょうど中央部到着したのだった。
「キュウ聞こえているわね」
「はーい」
「街のみんなをここの中央部に集めてちょうだい」
「はーい」
「これから何をするんですか?」
「見ていれば分かるから、見ててね」
―――――――――――
30分後
辺りを見渡しほとんどが耐えきれてなくて壊れているのね、数名は、ギリギリ保ててはいるがいつ壊れるかわからない感じになっている。
「キュウ、結界内魔力ありのままにしてある?」
「マリー様、してあるよ、たださっき魔力使いすぎてギリギリ待つ感じなの」
「それなら、キュウ私のあげた魔力使いなさい」
「だってあれは……」
「あとであげてからね、お願い」
(マリー様のお願い聞かなかったら、誰のお願い聞けばいいのよ)
「はーい」
キュウは、結界内に魔力を有りに切り替えた
「マリー様準備できたよ」
「では、始めましょ」
「〜〜♪〜〜〜♪♪♪〜♪♪〜〜〜〜♪♪〜♪」
マリーが歌い始めた途端全ての者達が癒されていった。
壊れた心ですら魂もが癒し、祝福で満たされていく。
見ている4人ですら、癒されているのが分かるほどに、そして美しく幻想的な歌声が辺りを包んで行くのだった。
この声はマリー様。
自分が悩んでいるのが不思議なくらいに満たされていった。
俺は決めたぞ。ズッカールプッペ様にこの事をお伝えして許してもらおう。
マリー様は、私達を許して下さるのですね。そして学民を祝福してくださるのですね。私はマリー様の腕の中で包まれながら育っていたのだと実感させられているのだと。そう思わせる。
歌声は彼女の中にも流れて行ったのだった
キリウスは、ズッカールプッペの元にやってきた。
「ズッカールプッペ様、俺は……」
「決めたのですね」
「はい、マリー様の元に下る事を許して頂きたくお願いにきました」
「それで、いいのです。キリウスならマリー様のお役に立てるはず、だってマリー様が認めてくださったのだから」
「はい、ズッカールプッペ様は、俺の、いや私の憧れです。それはこれからも変わりません。どうかお元気で、私の一番弟子をズッカールプッペ様のお側につかえるようにしています。近寄りましたら、挨拶に伺います」
「ええ、キリウスも、元気でね」
こうしてキリウスは、配下として加わるべくマリーの元に歩んでいくのだった
――――――――――――――――――
1時間が過ぎた頃歌は終わった。
「これで、みんな元どおりになっているわね、よかったわって、なんで貴方達まで泣いてあるの]
「まさか、マリー様の歌聴けるとは、、、思わず、、」
「本当だ、話には聞いていたのだが、ここまでとは」
「Zzz…zz………Zzz」
「久々の歌声素敵でた」
約一名寝てる、格好はおっさんなのだが中身は猛獣だ。
クオンには、ただの子守唄になっているようね。
「マリー様れ
「マリー様の配下に降りたく思います」
跪き私の前に現れた。
[それでいいのですね、先に言っておきます。私の配下になったからと言ってズッカールに会いたくなればいつでも行っていいのですよ。キリウスの気持ちを踏みにじってまで配下にしたいとは思わないの。だから自分の気持ちを1番に考え、知って、学びをして欲しいのよ]
「有り難きお言葉、ではズッカールプッペ様に逢いにいくときは報告いたします。それならば私も、心置きなく逢いに行けると言うものでございます」
「キリウスがそうしたいのであれば、構いません」
「ありがとうございます」
これで、調査ができるわ。
「1日あげますので、出発できる準備をして寝て」
[御意]
その間、宿に泊まるのだった。その夜皆が眠りについた頃、0時を回る頃闇が全てを覆い尽くす。
その中を私は歩いていた。
闇より声がかかる。
「お久ぶりでございます、マリー様」
「あら、スルト元気そうね、王になってからは、どうなのかしら」
「マリー様のおしゃった通りになりました」
「うまく漆黒馴染んでいるようでなによりです、そろそろイブリースもここに来る頃よ、さっき私がここに到着したのに気がついたみたいで慌ててここに向かっているわよ」
「左様でしたか」
「せっかく、内密に会おうとしたけど失敗したみたいね。仕方ないわよね。ここイブリースの支配下なのだものね」
「確かに、でもマリー様であれば本気で隠そうとなさればそれも容易いかと」
「スルトまでにお見通しは、困ったわね」
イブリースが来るまでの会話を楽しんでいたのだった。
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