第48話 モナカちゃん先生は甘えてみたい 1-2
「ハルマ、ハルマ! にいさま!」
「え……にいさま?」
「ハルマにいさまと一緒にいたいの! 駄目?」
「だ、駄目じゃないよ? で、でも、何でそんな急に……」
「パパが言ってくれたの。ハルマと一緒になれば、普通に生きれるって!」
「ふ、普通? あれ、俺は特別な存在なんじゃなかったのかな?」
モナカちゃん先生は、好きで先生になったわけじゃないのかな。そしてパパとは誰のことだろう。
「それよりも抱っこ!」
「うっ……」
「抱っこ!」
「は、はい」
何も断る理由は無いのだけど、何でかイケないことをしている気になる。それくらい小柄な女の子? だ。
「えへへ~」
おお? 可愛い。可愛いけど、モナカちゃん先生は本当においくつなのか。
「モ、モナカちゃん、いまいくつ?」
「14歳なのじゃ!」
「……えっ」
ロリ馬認定!? 何で先生なのかは不明だけど、何かざわざわしていたのは気のせいじゃなかった。
「どうしたの? ハルマ」
「え、えーと……何かイケないことをしているかなぁと」
「それはモナカが子供だから?」
「ま、まぁ……」
もしさやめが近くにいたら、ロリ馬認定だし……円華からは見損なわれてしまうかもしれない。
「ふっ……やはりハルマはモナカの見込んだ通りの男じゃな」
「へ?」
「モナカは14歳などではないのじゃ。本当の年齢なぞ、気にするでない。前も言ったが、明空よりも上なのは認めよう」
「では何故、こんなことを?」
「モナカは思い出の中に恋はないのじゃ。モナカにも思い出が欲しい……
「い、いや、そんなことは」
「誰しも特別扱いされて、それがいいこととは思っておらぬ。明空もそうなのじゃろう? せめて、レイケの目の届かない所で甘えてみたかったのじゃ」
「そ、そうだったんですか」
実際の年齢はもはや聞けないし、恐らく上だと信じるしかないけど甘えたいとか、恋とか……そういうことだったなんて思わなかった。
「ハルマ兄さま、抱きしめて?」
「ふぉっ!?」
「モナカ、ハルマのことは気に入っているの。こんなことをお願いするのも、ハルマだけなの」
「それはあの、思い出を残したいってことかな?」
「なの!」
「そ、それなら、だ、抱きしめ……」
――ぎゅっ!
「モ、モナカちゃん!?」
「このまま少しの間、ハルマを感じていたい……のじゃ」
「は、はい」
何やらモナカちゃんにも何かの事情がありそうだ。これも俺が特別だとか判明したからなのかもしれない。
特別な庶民な自分と一緒にとか、学園の女子たちには特別なのだろうか。
こうしてしばらく、モナカちゃんを抱きしめてしまった。もちろん、変なことはしていない。
「……ふむ、これが男に抱きしめられるということの幸せなのかの」
「お、お気に入り頂けましたか?」
「うん……ありがとうなのじゃ!」
学園のお姉さん先生といい、モナカちゃん先生といい……寂しいのかな。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます