第145話0145★バニラビーンズは香り付けするモノです



 あっ……アレが……バニラのサヤか?

 なんか、予想とかなり違うんだけど…………


 てっきり、蔓があんだけ太いから、てっきりサヤも大きくて

 長いかと思ったのに、せいぜいが倍くらいしか長くないし………


 そのかわり……すっごい量がなっているな……

 樹上で蔓に繋がったままで、発酵してるのか?


 近付くだけで、白夜じゃないけど、かなりクラクラするな


 神護が、バニラの蔓を確認し、バニラビーンズが入ったサヤを見付けた頃。


 白夜は、神護の腕の中から、バニラを見ていた。


 ふぅ~ん…コレが バニラと呼ばれるモノか……

 初めてぐ あまぁ~い香りだ

 果物の匂いとも違う………濃厚な甘い香りだな


 とても 心惹こころひかれる香りだ

 このバニラって どうやって食べるんだろう?


 果実は どれなんだろう? 早く 実を食べてみたいな

 この匂いだ きっと瑞々しい甘い果実の筈………


 バニラというモノがどういうモノか知らない白夜は、神護を見あげて言う。


 「父上 すっごく甘い香りがしていますが いったいどれが

  このバニラと言われたモノの果実なんですか?

  とても 甘くてイイ匂いなんで 白夜 その果実を食べたいです」


 神護は、白夜のセリフに、クスッと笑って言う。


 「白夜……バニラは、香料なんだ……ようするに………

  香辛料の一種で、果実本体を食べるモノじゃ無いんだ


  これは、お菓子などの香り付けに使うモノなんだ………

  たとえば、プリンとかアイスなんかに…………」


 神護の言葉に、食べられないモノと知って……期待していただけに、白夜はガックリと肩を落とす。


 「そうですか こんなに イイ匂いなのに…………

  バニラとは 果実本体は食べられないんですか……」


 そう呟くように言ってから、白夜はガバッと顔を上げて聞く。


 「そうだ プリンとはなんですか? アイスって?」


 キラキラお目々で、白夜は神護に問い掛ける。


 「ああ……プリンは……鶏卵…え~と…卵と牛乳………」


 「父上 牛乳ってなんですか?」


 えっとぉ~……ソコから……って…そうだよな………

 こっちとあっちじゃ、生物も違うんだったっけ………


 「牛乳は、ウシと呼ばれる家畜の乳のことだ…

  ちなみに、卵は……鳥類の産んだモノを言う……


  他に、亀とか蛇も卵を産むんだけど……たぶん……

  ソレも使えるとは思う……で、卵と乳を使って……


  この甘い香りを放つバニラで 香り付けしたモノを

  プリンっていうんだ…甘くて美味しいぞ…………


  あっ……そうそう……重要なこと忘れていた………

  甘味料に、砂糖を使うんだけど……


  砂糖って、言ってわかるか? 白夜」


 神護の問いに、白夜は小首を傾げた。



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