第138話0138★白夜の異変5 なんとか、翼の状態を整えられました
神護の説明を一生懸命聞いていた白夜は、ちょっと考える。
〔えぇ~とぉ~……普通 飛翔族の翼は生まれたての赤子でも
鳥の雛のような翼の姿は してないと思ったんですが……
なんか かなり変則的な気がします
ただ 父上の説明は
やっぱり 記憶や《力》を持ったままで【転生術】を使って
無理やり輪廻転生は
でも 無事に転生して 翼も持てたのだから…………
あとは 父上と旅をしながら
そして 何時か 私達の真の故郷へとたどり着き………
かならずや 一族の復興を果たしてみせる
それまでに なんとしても 私達 飛翔族を付け狙う
なんとしても 退けなければ………〕
神護は、白夜が黙って考えている間に、出来る限り羽化したてのひよこのような翼のケアにいそしんでいた。
治癒と清浄を繰り返す間に、とりあえずのカタチを整えた翼は、圧迫によって縮こまっていた部分が綺麗に伸びた。
同時に、うっすらと覆っていた水の膜も綺麗に消えていた。
ただし、翼を出す為に切った……今は、翼の根元にあたる部分だけは、やはりすこし体液が滲み、じゅくじゅく感が残った。
これは……たぶん……何度、治癒と清浄をかけても
綺麗さっぱりにはならないな
新しい、しっかりとした皮膚が根元を覆わないのって……
この後も翼が成長する為だな…きっと……
つーと、俺が出来るのは、ここまでかな?
「白夜」
「は はい 父上」
「白夜の翼は、小さくてまだまだ脆いのことが見てわかる
それに、安全の為だったのかな?
今はもう消えたけど、しばらく間、水膜がうっすらと
翼全体を覆っていた
翼としてのカタチは、きちんと整えたし
縮こまった状態から普通に伸ばされた状態にもなった
ただ、翼は綺麗に伸びたが、翼の成長が完全に止まるまでは
根元はうっすらと…新しい皮膚を張るのが精一杯だな」
白夜は、自分が考え込んでいる間に、神護が繰り返し治癒と清浄をかけ、翼の状態を最善にしてくれたことを知る。
「ありがとうございます 父上」
嬉しそうに、背中の翼に乾いた暖かい柔らかな風を送り、幼い翼がよりふわっとなるようにしている神護を振り返る。
これ以上の改善は無理と判断した神護は、隣りの大きな岩にかけた白夜の着替えを手渡す。
白夜は、いそいそと下着をはき、背中の開いた長袖のふわふわなフォーマルドレスを着込んだ。
神護は着替えを手伝い、着替えの為に乱れた背中の小さなひよこ翼を整えなおす。
もちろん、翼への負担がないように調節して…………。
そして、まだ移動する予定が無いので、翼の負担を減らす為に、マントは側に置いた布袋の中に畳んで、とりあえずしまいこむ。
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