第109話0109★ネズミーランドは危険がいっぱい?19 イベント開始10


 ホタルから言葉に、神護はちょっとコメカミをクリクリしながら考える。


 えぇーとぉ……このちっさい妖狐の《力》の

 解放には《契約》が必要らしいけど……………


 俺は、これ以上契約……する気は無い………

 今の俺は、飛翔族の【守護者】らしいからな………


 ……だいいち、引き当てた?のは、竜治だ


 これの担当は、竜治だろう……

 ここは、この妖狐と竜治の《契約》が適切……

 たぶん…きっと………


 なにより、この妖狐は竜治を見ているし……

 妖狐の本能が、自分と1番相性が良い相手として

 霊力の強い竜治を選ばせたんだろうし…………


 ここは、さっさと竜治と妖狐に《契約》をさせて………

 先に……次のポイントに、進まないと…………


 空間が捻じ曲がって重なっていることで、何時……

 敵キャラが出現するかわからないしな…………


 思考をまとめた神護は、自分の肩に乗った、尻尾がポアポアの妖狐のギンに話しを振る。


 「ギンと言ったな……

  その《契約》の対象って竜治でイイか?

  引き当てたの竜治だから……」


 神護の意図に素早く気付いた妖狐のギンは、素直に答える。


 「はい…ええどすぇ~……ボぉ~クぅ~に…………

  いっとう最初に触れたんわ……竜治さんやし………


  そのお強い霊力が触れたお陰でぇ~…

  《封印》が綻びたんやから……

  ボぉ~クぅ~との相性イイんやわぁ……」


 そう言ってから、神護を見てホタルを見た妖狐のギンはちょっと惜しそうに言う。


 「アンタはんは〈ドラゴン・ソウル〉の主はんやから……

  元々…ボぉ~クぅ~は《契約》できしまへんよって


  竜治はん…ボぉクぅのぉ……主はんになってぇなぁ~……

  《契約》……お願いしますえ~…………」


 妖狐のギンのお願い?に、竜治は心底嫌そうな顔をする。


 「遠慮しておく……他の人間を選べ……」


 取り付く島の無い竜治の冷たさに、妖狐のギンと神護は苦笑する。


 「竜治、お前が、コイツを断ると

  キツネが大好きな優香が、引き取りに来るぞ………

  それでも…イイか?」


 神護の言葉に、妖狐のギンは、にこにこして嬉しそうに言う。 


 「そうどすかぁ~……可愛らしい女の子はんの………

  下僕いうのんも……えろう…楽しそうどすなぁ~……


  エロエロな意味で……あっ……間違えてしもうた………


  色々な意味やったわ…さっ…はよ《契約》《契約》………

  女の子はええわぁ~……いい匂いで…たまりませんなぁ~…」


 竜治が考える余裕をなくす為に、妖狐のギンは、神護の肩で嬉しそうにぴょんぴょんと飛び跳ねてみせる。

 が、実際には、霊力の強い竜治との《契約》を望んでいたりする。

 女の子は確かに妖狐ゆえに好きだけど、強い霊力持ちはもっと好きなのだ。






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