第68話0068★揺れる異空間?・迷惑な迷いの森1 状況確認

あははは……なんつーか……もしかして異世界?

 普通の日常生活に、こんなモンが必要って…………

 もしかして、ラノベの読みすぎかな?


 自分で、自分に突っ込みを入れた神護は、軽く首を振ってから、手渡された卵を確認する。


 「うん……割れてない……

  それに、温かい…生きてる………」


 この卵って、こうやって温めていれば良いのかな?

 巣についたニワトリが必要?

 いや、ニワトリなんて持って歩けないし…………


 とにかくという感じて、神護は見知らぬ樹海モドキの中を歩き始めた。


 一見、鬱蒼うっそうとしている樹海モドキは、けっこう色々な顔を見せてていた。


 動物の種類も豊富らしいのだが…………。

 そう、見るからに、地球上の生き物ではなかった。

 まるで、ゲームの中のような世界と生き物に、神護はポツリと呟く


 「剣があって、変わった生き物がいて……

  これで……魔物がいて………


  もし魔法とか、魔術なんかあったら

  まさしくファンタジー」


 その瞬間、神護の言葉に反応して、魔法や魔術というワードのモノがざざぁぁぁーと湧き上がり、思わず眩暈めまいと吐き気に苦しむ。


 そして、再びさとる。

 この世界が、異世界でファンタジーな、お約束の世界だと。


 はぁ~……俺…もしかして…なんか…

 ものすごぉ~く…とんでもないモンに………

 かかわっちまったのか?


 でも、今一瞬だけど

 魔法か魔術かはわからないけど

 呪文らしきモンが見えた


 そういうたぐいが脳裏によぎったから、きっとそうなんだろうと、神護は納得する。


 とにかく、俺になにをさせたいのかは

 見つけないとな…………


 そして神護は思う。

 まずは、このわけのわからない、空すらまっとうに見えない、森林地帯場所から移動だな、と。


 とりあえずと思い、神護は樹海モドキの中を歩いて、どこかに人が歩いたらしいモノが無いかと探す。


 いや、獣道はそこここにあるのだが………


 よくよく探しても、人が日常的にどころか、定期的にすら訪れていないらしいことに気づく。

 そう、かなり詳細に探しても、そういうモノがないのだ。


 既に何度となく夢の中で訪れているが、現実世界に戻るとほとんど内容を覚えていなかった。

 とは、いえ、この世界の森林地帯で、卵を渡されたことは覚えていた。


 「はぁ~……とりあえず……

  ここが異世界と想定して………


  俺に卵を手渡した者って

  どこから来たんだ?」


 そう考えた瞬間に、ズキッと来たが、深く思考したわけでもないので、それだけですむ。





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