第69話0069★揺れる異空間?・迷惑な迷いの森2 探索

 ふむ、これくらいの思考だと

 さほど痛みはこないようだな


 どうやら、卵を手渡された

 あの時のコトを深く考えようとすると

 痛みが酷いようだなぁ………はぁ~…


 そんなコトを考えながら、神護はちょっと頭を振って、あてもないまま歩き出す。

 黙って、そこに立っていたって、状況は変わらないから…………。


 一応、この異世界にも野生動物はいるようなので、神護は無意識に腰に下げた剣の柄を握る。

 使ったことのない剣なので、神護も動作に不安を覚える。


 「はぁ~…まいったなぁ……

  これが、日本刀なら……


  古武術と一緒に、抜刀術とかは

  習ってるけど………


  そういうダンビラ系のモノは

  扱ったことないしなぁ……」


 チラリと自分が腰に佩いた剣を見て、嘆息する。


 たぶんだけど、これでもコイツはわりと

 瀟洒なんじゃなかろうか?


 下手すっと、ゲームに出て来るような

 幅広の重いバスターソートや


 大きさと重さで切る?ような

 クレイモアみたいなのもありかもなぁ…………


 じゃなくて、草食動物がいるんだから…………

 たぶんほぼ間違いなく

 捕食の肉食動物もいるよなぁ


 あの大型草食動物の毛皮の模様……

 見た時に思ったのは………


 たぶん、あのネコ科の肉食獣の模様って

 捕食者へのカモフラージュだろうから………

 いるよね……大型なのが………


 嬉しくないけど、虎とか豹に似たの……

 あと、熊あたりかなぁ?…森林ン中だから


 いやだけど、きっと蛇の類いも居そうだなぁ…………

 小さくて綺麗で無害なら気にしないけど

 毒蛇と大蛇はゴメンだなぁ…………


 日本の本州に棲む蛇で、毒があるのって

 マムシとヤマカガシぐらいだよなぁ……


 神護はブツブツとそんなことを呟きながら、とりあえず、周辺を気にしながらウロウロする。


 しばらく移動した神護は、なんの進展もないのに飽きて、立ち止まる。


 そして、何時こちらで装備したか記憶はないが、卵専用のとぉ~っても内側がフコフコな巾着を、無意識に服の中から出す。

 そう、柔らかくて丈夫な長めの紐で、首から巾着を提げていたのだ。


 神護は、その巾着を開き、手渡された卵を手に取り、まじまじと見詰める。 


 手渡された時よりも、少し大きくなった気がする卵を、神護は不思議そうに見つめる。

 そう、この卵は、卵の状態のまま、すこしずつ大きくなっているようなのだ。


 しかも、手のひらの中の卵は、自然の状態で、母鳥に温められている卵のように、温かった。


 「最初、目覚めた時に見た卵のサイズって

  あの効能バッチリって言われている


  ニワトリなのにもふもふな、烏骨鶏うこっけい

  小さな初卵くらいだったのに………


  いまじゃ、普通の鶏のM玉ぐらいの

  大きさになってる?


  もしかして、こいつは卵の姿のままで

  じわじわと、大きくなるってことか?」


 普通なら『いや、そんなこと、ありえねぇ~から』と言いたいところだが、なにからなにまで、不可思議づくしなので、神護は軽く首を振って、現実を直視する。


 不思議生物なら、それもありかもなぁ…………






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