第67話0067★またまた夢の世界の森林の中です1



 夢の世界に降り立つと、神護は強烈な眩暈めまいと吐き気に襲われた。


 あうぅぅぅ~…すっげぇ~…眩暈めまい………

 三半規管がおかしくなっちまってる


 その言いようのない感覚に翻弄される神護は、素直に眩暈めまいなどが治まるのをじっとして待っていた。


 しばらくして、その船酔いのような感覚が抜けて、頭痛も眩暈めまいも治まった神護は、ゆっくりと躯を起こす。


 「はぁ~……やっぱ……ここかよ…………」


 そう呟いてから、神護は違和感を感じて、辺りを見回し、自分自身を見回す。

 と、気が付けば、指に指輪が嵌まっていた。


 えっとぉぉぉぉ……コレって……なに?

 なんで、俺の身体に、こんなに過剰な装飾品?


 うわぁ~……腕に腕輪……うげっ……

 足首にも……アンクレットみたいなの嵌まってる


 首にも違和感あるし…頭にも………

 極めつけが……剣帯に剣かよ………


 それに、なんか背負っているような感覚が………


 そして、神護は、おぼろげだが思い出す。

 誰かに卵を手渡されたことを…………。


 「えっとぉ……あれって……誰でなに?」


 それを考えた瞬間に、頭にズッキーンという頭痛と共に、再び強烈な眩暈めまいと吐き気が訪れる。

 ぐわんぐわんになりながら、神護は瞬時にさとる。


 だぁぁぁ………考えるな、俺

 これって、あれだ………くそっ…

 卵を手渡した者とか、状況を考えるな


 自分にそう言い聞かせた神護は、再びうずくまる。

 十数分後、神護は眩暈めまいや吐き気などからやっと解放され、ほぉーと溜め息を吐いていた。


 とにかく、あン時の記憶を

 誘発しそうだから………


 でも、見えなきゃ考えなくて

 すむはずだ……たぶん…きっと

 

 卵を手渡された時や状況などを考えると、頭痛に眩暈めまいに吐き気を覚えるとさとった神護は、自分が背負っている大きな袋に、身に着けていた装飾品を全部放り込んだ。


 しばらく休んだ神護は、周辺を探索する為に、ゆっくりと立ち上がった。

 そして、気づく…………。

 まだ、剣と剣帯を外していなかったことに…………。


 更に、位置が全然あっていないことに…………。

 そう、剣を吊り下げる剣帯の位置がかなり下なのだ。

 その意味するところは、神護より長身の者が身に着けていたという証しだった。


 神護は、本来の持ち主のことを考えないようにしながら、一応、剣帯の位置をずらして、剣を扱いやすい位置へとおさめる。


 いや、神護も考えたのだ。

 コレを身に着けていたということは、コレが必要な世界だと…………。




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