強い彼女と弱い俺
勝利だギューちゃん
第1話
☆強い彼女と、弱い僕
彼女が死んだ。
悲しみはなかった。
嫌いだったわけではない。
むしろ、愛していた。
誰よりも・・・
ある日、彼女に告げられた。
「私は、後半年の命なの・・・」
冗談かと思った。
しかし、彼女はこういう悪質な、冗談を言う子ではなかった。
「そんな顔しないで、私は後半年は、楽しんでいきるから」
「・・・ちゃん・・・」
「だから、君も私に付き合ってもらうからね」
俺はキスすることはもちろん、ハグする事も出来なかった。
情けないと思う。
「それでいいよ」
「えっ?」
「そこが君のいいところ」
彼女は微笑んでくれた。
そして、彼女と楽しい時間を過ごした。
いろいろな所へ行った。
旅行もした。
彼女の家族と、食事もした。
彼女の一家は、日本のしきたりや風習をとても、重んじていた。
そう、とても・・・
そして、半年間を精一杯生きて、彼女は逝った。
その顔は、とても安らかで、苦痛などなかった。
通夜や葬儀の帰り、彼女の両親に声をかけられた。
「娘と、仲良くしてくれてありがとう」
「僕は、何も・・・」
「いいえ、あなたのおかげで、娘は安らかに旅立ちました」
悲しみがなかったというのは、泣いてしまえば怒られるからだ。
彼女はとても優しかったが、俺が悪い事をした時は、叱ってくれた。
でも、いい事をした時は、とても褒めてくれた。
なので、泣く事が出来なかったのだ。
ここで我慢すれば、また彼女に褒められると思ったからだ。
だが、後日に彼女の両親が手紙を持ってきてくれた。
彼女から、僕への最後の手紙だ。
「あなたになら、わかると思って」
どういうことだ?
手紙を広げるとそこには、大好きな○○くんへと書かれていた。
その下の文面には、こう書かれていた。
Zuerst spreche ich in meiner Muttersprache.
Wie Sie dachten, ich war keine starke Person.
Es ist eher eine schwache Person.
Aber ich habe mich gut benommen.
Als ich Sie traf, war ich überzeugt, dass Sie ein Mensch in derselben Welt waren wie ich.
Also wollte ich, dass du stark bist. Es ist nicht dein Körper, sondern dein Herz.
Ich habe gut über dich gesprochen, aber ich liebe dich.
Ich denke, Sie sind sich dessen nicht bewusst, aber Sie haben den Reiz, Menschen anzuziehen.
Schau es dir an.
Wenn Sie zu mir kommen, ohne etwas zu finden, werden Sie nicht vergeben.
Dann lass uns dort drüben treffen.
Als dein lieber Freund
これを読んだ瞬間、俺はもう我慢できずに、わんわんと泣き出した。
これでは、いつか向こうで再会した時、彼女に叱られるな。
ビンタのひとつやふたつは、覚悟が必要だ。
でも、それでも良かった。
俺も彼女みたいに、強く生きよう。
そう、誓った。
ただ、あの世には国境がないことを願う。
強い彼女と弱い俺 勝利だギューちゃん @tetsumusuhaarisu
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