第49話 お泊り会

その晩、一行は遊園地に併設されたホテルに泊まる。部屋の中はキャラクターの壁紙とおとぎ話のお菓子の家をモチーフにした柱やドアで現実世界を忘れさせる。


「ところで何時までこの格好をさせるんだぁ?」


チャールズは夕食の席で恥ずかしそうに言う。


「朕も…着替えたいのだが」


「俺様もだよ」


恥ずかしがる3人を第一王妃と第二王妃は嬉しそうに見ている。


「あぁ、百合の花園ですわ」


アリスは完全に妄想の世界だ。


「ところでライディース様のスカートが短くなっていませんか?」


不意にミーアがライディースに問い掛ける。


「そうか?」


クールを装うも頬を赤らめている。


『怪しい…』


リムルとネイがテーブルの下を覗き込んだ。


『パオーンですわ!』


2人は鼻血を吹き出す。それをW王妃がさり気なく処理して服には付いていない。


『お愉しみはこの後よ』


W王妃は嬉しそうに言った。




『貸し切りだから安心して』


W王妃と皆は一緒に風呂に入る。勿論、水着着用だ。


『モッコリが…』


リムルとネイがレナンジェスのビキニ姿を見て興奮している。


「こんな事は…」


ミーアは恥ずかしそうに言う。何しろ男のモッコリが水着越しに見えるのだから。


『お前…一番デカくないか?』


トリプル王子はレナンジェスを見てショックを受ける。


「見ないでください…」


レナンジェスはオカンモードを発動すると恥じらいながら胸と下を手で隠す。


『お前…男だよな?』


「はい」


『では、その仕草は何だ?』


トリプル王子がレナンジェスに問い掛ける。


「何故、私ばかり見るのですか?」


『他に目を向けるのが恥ずかしいからだ!』


そう言いながらトリプル王子は顔を紅潮させる。周りの女子はスタイルが良い。故に見る事を恥ずかしがっているのだろう。


『レナンジェス様は私達を見れば良いと思いますわ』


ネイとリムルがそう言いながら胸を寄せて誘惑する。


「婦女子は恥じらいを持たなくては…」


そう言いながら恥じらうレナンジェス。その姿に2人は今にも襲い掛かりそうな勢いだ。


『夜は長いわよ』


W王妃は意味深にそう言いながら止めに入った。




寝室に移ると5人の男子は手足を拘束される。そしてベッドに寝かされた。ついでにアリスとリムル、ネイも手足を拘束されている。


『これでは襲えませんわ!』


トンデモ発言を繰り出すネイとリムル。


「そうですわ!ミーア様を襲えないじゃないですか!」


その言葉にミーアはガクブル震えている。


『好きにして良いぞ』


W王妃はそう言うと部屋を出る。


『それでは…』


ミュージーとルーアは俺様王子に寄り添うように眠る。


「はしたないですわよ!」


ミーアがそう言うが2人は頬を赤く染めて動かない。


『ミーア嬢は俺と一緒に…』


W王子がそう言うとミーアは頬を染めて別のベッドに潜り込んだ。


「ハァハァ…レナンジェス様がすぐそこに居るのに…」


ネイとリムルは発情している。


「ミーアお姉さま…」


アリスもミーアに発情したのか吐息が荒い。


そんな中、レナンジェスだけは直ぐに眠りにつく。そして寝息をたてながら「おやつの時間ですよ」「飴ちゃん食べる?」と寝言を言っている。


『こいつ…やっぱり“カンサイノオバチャン”じゃね?』


トリプル王子は思わすそう呟いていた。




翌朝、一行は着替えると朝食会場に向かう。


『それでどうだった?』


W王妃はミーアに昨日の事を聞きだす。


「私は他のベッドで休みましたので…」


そう言いながら頬を赤らめる悪役令嬢。


『ズルいですわ!ミュージーさんとルーアさんはアリウス様と添い寝していたのに私達を拘束するなんて!』


ネイとリムルが悔しそうに言う。


「我は隣で…レナンジェスの寝息を聞いていたら…」


クールにトンデモ発言をするライディース。


『それにしても寝言で「おやつの時間ですよ」とか無いだろ!お前は本当に男か?』


トリプル王子が納得いかないと言った顔でレナンジェスに言う。


「はい、私が一番立派みたいですから」


その言葉でトリプル王子にHPは大きく削られた。

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