第2話~私のお兄ちゃんはどこにいるんだろう?~
叶ちゃんは
小学生に、なると
近所のお友達や同級生に
お兄ちゃんがいる子が多いことに
気付き
なぜ家にはお兄ちゃんがいないのか
理解ができませんでした。
あれっ?どうして家には
お兄ちゃんがいないんだろう?
うちのお兄ちゃんは
どこにいったんだろう?
と思っていて
帰ってお母さんにきいてみると
「そうね~どうしてかしらね、
もしかしたら良い子にしていたら
弟か妹なら
来てくれるかもしれないわね!」
するとすぐに叶ちゃんは
「違うの!叶はお兄ちゃんがいいの!」
とこのやり取りを
なぜ家にお兄ちゃんがいないんだろうと
感じる度にお母さんに同じ質問を
何度も繰り返すのでした。
しかし、ある日同じ質問をすると
お母さんは急に泣き出してしまいました!
叶ちゃんは
子供ながらに、この質問はもうしたら
ダメなんだなと気付き
お母さんに聞くのは
止めることにしました。
それでも叶ちゃんは
なぜ家に、家の中にお兄ちゃんがいないのか
理解ができずにいました。
きっとどこかにいるはず
根拠はありませんが
なぜかそんな事を感じていました。
すると
それから、しばらくして
お母さんは大切な話をするよと言って
教えてくれました。
「あなたが産まれる前にね、
あなたにもお兄ちゃんがいたのよ。
でもね、ある日、
突然神様のところに帰ってしまったのよ。」
叶ちゃんは
「あぁ、やっぱりそうだんだった」と
お兄ちゃんはどこかにいるはずで、
お兄ちゃんがほしかった
自分の気持ちに納得できたのでした。
そして
背が伸びて大きくなるとタンスの上には
お兄ちゃんの写真と仏壇があることに
気が付きました。
「そうか!おばあちゃんは
お兄ちゃんと、おしゃべりしていたのか。」
またひとつ謎が解けた叶ちゃんでした。
お母さんがお兄ちゃんの話を
してくれるようになってから
お母さんは毎日のように
お兄ちゃんの話をしてくれました。
一度、計算や漢字を教えると
すぐに覚えてしまったり
お風呂でママの失敗のモノマネをしては
ママを笑わせたり
ママが真面目な顔で怒っているのに
いないいないばぁをして
笑わせるのが得意だったり
しかし、お母さんは
お父さんの前では
お兄ちゃんの話をすることは
ありませんでした。
余計に叶ちゃんは
お母さんから秘密の話を聞いているようで
叶ちゃんはお母さんから
お兄ちゃんの話が
聞けるこの時間が大好きでした。
いつまででも私の知らない
お兄ちゃんの話が聞けるのが
嬉しくてたまりませんでした。
そして無意識にお父さんの前では
お兄ちゃんの話はしてはいけないと
思うようになりました。
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