とある昔に見た夢が今でも忘れられない。

弟と私の二人が、柵に囲われ、よく見慣れた公園にいた。

柵の外は一回りに密林が生い茂り、さらにその外側には大海原が広がる、絶海の孤島だった。

二人はその場を立ち去ろうとしても帰れない。

困り果てていると、振り向き際にやれやれと呟きながら、

1mはあろうという程の怪鳥が仁王立ちしていた。

弟は忽然と姿を消して、いつの間にか怪鳥がそばにいたのだ。

何とその鳥は、空の飛び方を教えてくれるという。

見るといつの間にか背中には生気に満ちた羽が、上方を向いて生えていた。

宙に浮かぶのは容易だったが、なかなか低空飛行から抜け出せない。

必死になっても公園の柵に、ミシリという音を立てながら激突する。

見上げてみると、あの怪鳥はもうだいぶ高い位置で泳ぐかのように体を揺らしていた。

同じ場所で、ずっとこちらが来るのを待っている様子だ。

いや、上空ではなく前方か。

ふと、あの怪鳥は上ではなく前にいるような気がした。

前へと浮かびながら直進する。

するといつの間にか後方に小さく、あの公園があった。

そうだ。上にでなく前方にしか飛べないのだ。大地からの角度を広げて、空へと舞った瞬間だった。無事に脱出した私は、そこで目から覚めてベッドから立ち上がった。

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