第11話 わたしにだけ見えない
中学のとき、うっかり妊娠してしまった。
そのときの彼が、ネットで怪しい堕胎薬を買って渡してくれた。
薬を飲むと、生理痛のような痛みがあり、すうっと赤い血が流れた。
形のわからない変な肉のかたまりが、血まみれで出てきた。
わたしは、それをビニール袋に入れて、近所の河原に埋めた。
でも、やめとけばよかったかなと思う。
あれ以来、わたしは彼氏ができない。
わたしが好きになった人たちは、みんな、わたしを見ると悲鳴をあげて逃げていく。
その人たちは言う。
「君が悪いわけじゃないんだ。君は、すごくステキだし、いい子なんだよ」
じゃあ、なんで?
その人たちによれば、わたしのあとを、ずっと、ついてくるものがあるらしい。
血まみれの肉塊が、ズルズルと、這ってくる——
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます