第90話 ゴーレム
イメージとしては『石』で出来た硬い巨人ではないだろうか、じつは泥人形が正しい。
『ゴーレム』とはヘブライ語で『胎児』であり、多少の思考はができるのである。
石で出来た魔術で操られた人型の巨人ではないのだ。
とはいえ、魔術で産み出された存在であり、主人には逆らえない。
制限が多めなロボットというのがイメージに近いかもしれない。
制限多めと記したのは、その操作というか思い通りに動かすには、多数の制限が掛かりホント面倒くさいらしい。
破ると暴れるという、おまけつき。
面倒な知識を学んで、面倒な儀式を施した後、運用において面倒くさい…便利か?
ゴーレムには『emeth』真理と書かれた羊皮紙をゴーレムの額に張り付けることで動き出す。
やっと動いたと思いきや、『emeth』の頭文字『e』を消すことで『meth』死に意味を変えることで崩れ去る。
産み出すのは面倒だが、滅ぼすのは簡単という、恐ろしいほどのハイリスク、ローリターン。
伝承でも、その破天荒な活躍ぶりは有名であり、礼拝の人数合わせに作成されたゴーレムは、目に映るモノすべてに火を点けはじめて大騒ぎになったとか、作ったはいいけど、無限にデカくなるゴーレムを持て余した主が崩した際に、その土くれに埋まって死んだとか…バカで始末に負えない存在である。
力強いバカ=ゴーレム
であるのだが…コレが笑っていられない存在なのだ。
青銅の巨人に代表されるように泥だけではなく石、金属で作成されたゴーレム伝承も多く残っている。
冒頭で否定したゴーレムもどきは存在していたのだ。
そして…笑えない事実とは?
『アダム』も土から精製されたゴーレムだという解釈も成り立つのである。
それも自我を持った最初のゴーレムになるのだ。
知恵の実を食ったゴーレムの末裔が人間ということだ。
とすれば、我々は制御不可能な暴走したゴーレムだということだ。
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