第91話 モナ・リザ
超常現象ではないのだが…その存在は奇異であると思う。
世界中で知らない人はいないであろう油彩画であることは間違いない。
おそらく、これほど知られた女性はいないだろう。
だけど…美人だとは思わない。
いや、客観的に観て美人ではないだろう。
なぜ『モナ・リザ』は人を魅了するのか?
それはダヴィンチという天才が仕掛けたパズルを解こうとするからだ。
どの学校でもあったのではないだろうか?
夜中に動く『モナ・リザ』
これは都市伝説ではない。
実際に『モナ・リザ』を観た人は解るのではないだろうか?
視線が合うように描かれているのだ。
その顔は男性のようでもある、ダヴィンチ自身の顔だと言う人もいる。
有力な説は貴族夫人だそうだが…下書きというか、モナリザの絵の下には、別の女性が描かれているとか…妊娠中の女性の姿だとか…まぁ調べれば調べるほどに、ただの肖像画ではないのだ。
数字やアルファベット、記号が散りばめられていたり、一体、ダヴィンチは、この油彩画に何を込めたのだろうか?
ただの貴族の依頼で描いた肖像画に、これほどの情報を描く必要があったのだろうか?
あまり観た事は無いかもしれないかもしれないが、まるでファンタジーの世界を描いたような背景、観れば見るほど、不思議な作品なのだ。
僕は思うのだ。
ダヴィンチは、この夫人に自らの想いを込めたのではないだろうかと…。
長い年月を描けて描いたのではないだろうか、彼女が身籠ったのはダヴィンチの子供ではないだろうか…。
別に僕は絵画に詳しいわけでもないし、ダヴィンチにも詳しいわけでもない。
だけど、あのモナリザを観ていると、僕はなぜか『恋』を感じるのだ。
あの視線はダヴィンチに向けられた眼差し…のような気がする。
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