　X染色体から辿ると行き着く先…アフリカの女性であり、現生人類の発祥地がアフリカであるという説の有力な根拠である。

　とにかく誤解が多いのだが、これは特定の女性を指すわけではない。

『イヴ』という呼称から勘違いされているのだろうが、１人の女性に行き着くわけではない。

『イヴ』は同世代で唯一、現生人類の種を残せた女性であるわけだが、この特定方法は、年代特定が比較的容易なサンプルが行き着いたひとつであり、その結果は歴史的な重要なポイントではない。

　測定方法は、多民族からミトコンドリアDNA塩基配列を解析、系統樹を作成した。

　結果、現生人類は2つの系統樹から成るのだそうだ。

　ひとつはアフリカ人のみの枝、もうひとつはアフリカを含めた全ての人種から成る枝、つまり人類の共通の祖先はアフリカにいたとされるわけである。

『ミトコンドリア・イヴ』とは、古代に存在したであろう女性に対して付けられた名であり、今も我々の中で息づく原子の記憶なのである。

　アダムは土から創られた…土、肌が黒い方が自然ではないだろうか。

　その妻となるべく創られたイヴも…。

　人類の起源はアフリカにあるのではないだろうか、皮膚の黒いアダムを白人は嫌うだろうけど。

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