第65話 アカシックレコード

 別名『アカーシャの記録』『アカシアの記録』とも呼ばれる、元始から、この世界の事象の全てを記録してあると言われる宇宙の記憶という概念。


 どういうこと?

 宇宙年表であり、未来まで記録されている…。

 つまり、宇宙はすでに観測されつくしているということだ。

 あるいは、繰り返されるだけなのかもしれない。


 今…何巡目?

 いや終焉があるという意味でもある。


 終わりと始まりが点で流れる時間の線を繋いでいる。

 どんなに捻じれようとも、円を切ることはできない。

 つまり必ず終焉は訪れるのだ。


 絶望を繰り返すだけなのかもしれないと思うと気が滅入る概念ではある。


 預言者は、このアカシックレコードを視ることで予知をするそうだ。

 決まった未来を歩くだけなのだろうか?

 風が吹けば桶屋が儲かるという連鎖の理論を読み解けれるのだとしたらどうだろうか?


 この未来を引き寄せるには、こうすればいい。


 そうアカシックレコードとはあくまで宇宙の概念なのだ。

 全てが記録されている辞書ではない。


 おそらくは、世界規模で起る鍵となる事象は変えられない。

 しかし、そこに行き着く事象は変えられるのではないだろうか。


 捻じろうが曲げようが、その円は変化しない、幾度も線の形を変えて繰り返される。

 世界は変わらない。

 その歴史を繰り返す、少しだけ形を変えて…


 アカシックレコードとは、その可能性の証明ではないだろうか。

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