第63話 MKウルトラ計画

 なんだか特撮物のタイトルみたいだが、実際に行われていた洗脳実験のコードネームだ。

《CIA』と『ダビストック人間関係研究所』が極秘裏に実施したそうだ。


 MKとは被害者のイニシャルで、1950年から1960年代まで行われていた。

 CIAが破棄仕損じた記録文書の一部が公開されたことで公になった非人道的実験。


 マインドコントロールの実証実験を行い、薬物、超音波、放射能まで思う存分、被験者を弄り倒したわけである。

 記録の大半は破棄されてしまったので全容は不明だが…一部公開だけでも充分に非人道的な実験だと推測するに充分だ。


 ちなみに『MKウルトラ』をモチーフにした映画もあるくらい有名な実験である。


 被験者の大半は、その後、日常生活に戻れたのだろうか?


 とある映画では、超能力を得た被験者を描いたりしていたが…もし、スーパーマンを産み出す為の実験だったとしたら、その一人の為に何人を犠牲にしたのだろう?


 マインドコントロールが目的なら、放射能は必要なのだろうか?

 おそらく遺伝子情報を壊すために使用したのではないだろうか。

 人間の亜種を産み出すために…


 つまり、普通の交配で突然変異を期待できないから。人為的に突然変異の発生確率を引き上げようとしたんじゃないだろうか。


 人を超越したナニカを造りだすために…


『MKウルトラ計画』も『AI』も、なぜ人は自らの脅威となるナニカを造りだそうとするのだろう?


 あるいは、自らの種の限界を国家レベルでは危惧しているのだろうか?

 60年以上前に、すでに…


 正直に言えば、人体実験無くしては、もう解明できないレベルまで来ているのかもしれない。

『ロボトミー』が公に行われていた時代の倫理観を研究者達は望んでいるのだろう。


 進化の袋小路に行き着いた人類は、自らにメスを入れることで、壁を壊そうとしているのかもしれない。

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