第40話 陰謀論

 UMAでもなく、超常現象でもない…のだが、語り継がれて実態は掴めないという点では立派なUMAだと思う。


『JFK』暗殺

 もはや半世紀語られ続ける謎なのだ。

 いや『謎』なのだろうか?

『リー・ハーヴェイ・オズワルド』が犯人として捕まっている時点で本来は陰謀論など出るはずも無い話なのだ。

 CIAが…マフィアが…色々と囁かれる理由は?

 基本的にどれも薄いように感じるのだ。


 僕が思うに…

 ダラス地区でケネディは不人気だった、それゆえに訪れたわけだが、そんな地区で起きた暗殺だ、そんなに不思議はない。


 犯人はオズワルド、これは間違いないように思う。

 ただ…彼はなぜケネディを暗殺したのか?


 ダラスでケネディは思いのほか歓迎されていたのだ、これは本人も予想外だったらしい。

 そこが怪しいのだ。

 ダラスの有力者が結託したのではと僕は思ってしまう。

 マフィアを通じて、オズワルドに実行を依頼したのではないだろうか。

 オズワルドは地元でも少々変わった人物であったらしい。

 アメリカに馴染めず、共産圏ソビエトへ亡命、そこでも馴染めず、帰国している。

 たまたま就職できたのが狙撃現場の倉庫である。

 それもケネディ暗殺の数週間前…

 海兵隊の経験もあるが、同僚殺しの容疑をかけられたり、銃の不法所持で彼は減法会議で有罪になっていたりと素行には問題ある人物。

 狙撃の腕前はなかなかだったようだが、1流とは呼べないレベルなのだそうだ。

 ちなみに倉庫からケネディを狙撃するには、相当の腕前がいるとのことだ。


 そんな問題多き人間を雇うかな?

 僕は就職の手引きから狙撃までは、一連の流れだったのではと思っている。

 狙撃させるためにソコに就職させたのでは?


 逮捕後の彼は殺害されるのだが、殺害したのはナイトクラブの経営者でありマフイアと深い繋がりのある男『ジャック・ルビー』警察署地下でTV中継の最中、オズワルドを至近距離から射殺している。

 彼はなぜ警察署に入れたのか?

 そもそも警察官もTV中継されているとはいえ、ケネディ暗殺犯を、そんな無防備に晒すだろうか?

 殺す場を設けたようにしか思えない。


 大袈裟な陰謀論だろうか?


 僕からすれば、ダラスの有力者とマフィアが変わり者と厄介者を使って迷惑な大統領を暗殺した…

 場合によっては市民ぐるみで行われた暗殺だったのではないだろうか?


 オズワルドの放った銃弾が当たったかどうかは解らない。

 狙撃は複数人で行われたとしても、街ぐるみの暗殺なら目撃者など出るはずも無い。

 警察内部にも…協力者がいたとしても不思議な事か?

 署長とマフィア…有力者…繋がりがあって当たり前、ルビーがヒットマンに選ばれたことも……だとしたら納得できる裏があるのではないだろうか。


 複雑に考えるまでもない…暗殺だったと僕は思う。

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