第39話 火の玉

 ファイヤーボールである。

 火球であり、燃える球なのだ。


 霊的に文字を充てれば『飛乃魂』とでも僕なら書くかな。

 飛ぶ魂の意。


 子供の頃から気になっている、アレ熱いのか?

 触ったらアチッとなるのだろうか?

 そもそもなぜ飛ぶのだろうか?


 正確に言えば浮いているだけのような気もする。

 魔法で言うファイヤーボールは飛んでくるが、アレ浮いてるだけ…


 いやもし…アレが熱い魂ならば、ウィザードのファイヤーボールとは違い、ネクロマンサーがコントロールする魔法でもいいような気もする。

 同じ火傷系のダメージを与える魔法として。


 似たような現象で『ウィルオー・ザ・ウィスプ』がある。

 こちらは日本風に言えば『鬼火』『狐火』に近いのだろう。

 ちなみに私の父親は子供の頃に見た事があるらしい。

 母親も海外でUFOだかなんだか解らん発行体が浮遊するのを見たと言っていた。

 私? まったくない。


 どこぞの教授ならプラズマ!!と断言しそうだが…


 西洋だと沼地に現れるらしい。

 天国へも地獄へも行けない男の魂という伝承もあるようだが、沼地の発行体は天然ガスだと思う。


 この『ウィルオー・ザ・ウィスプ』証明写真、動画は湖面に燃える木を流したりして造るそうだ。


 まぁ恐ろしいというより、不気味であり、自然現象が民間伝承として伝わった、ごくオーソドックスな超常現象なのだろう。


 東洋も西洋も、自然に敬意と畏怖を持って接した時代があったということだ。


 死してなお、焼かれ続ける罪人の魂と思えば…もの悲しい存在なのかもしれない。

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