第29話 ブラックホール
超常現象か?
そう思う人もいるだろう…SFを描いている人は、尚更にそう思うことだろう。
だが…考えてもらいたい。
解明されない…証明できない…立派な超常現象ではないだろうか?
僕に科学的知識はない。
僕が思うブラックホールってこういう感じ的なノリで読んでいただきたい。
ある本で読んだ。
ブラックホールを定点観測すると…もちろん仮説だ。
人が吸い込まれたとすると、定点観測者からは、パスタマシーンで伸ばされたようにグニューンと中心へ向かっていくらしい。
吸いこまれた本人は秒刻みで、吸い込まれ続ける自分を見続けるのだそうだ。
映像化可能だ。
では、その中心では?
ここからが僕の話になるのだが…
中心は限りなく点に近く、その広さは無限。
中心に到達できればの話だ。
吸いこまれ続けるということは時間の流れは中心に近づく、いや入口から遠ざかるごとに遅くなる、1秒前と時間の流れ方が変わるのだから、過去の自分を見続けるということになるのだと思う。
当然、その中心に時間の流れなど在るはずも無く、過去も未来も全ては同じ空間に存在する。
だから点でありながら広さは無限になるのだ。
そこに到達するとどうなるか?
すべての事象を本をめくるように閲覧できる。
解りやすく言うと、漫画の24ページは、今、読んでも、50年後に読んでも同じ。
つまり時間の流れは無いのだ。
自分にとっては50年の時間が流れていても、登場人物に時の流れなど無かった…
ということになる。
登場人物とは時間軸に沿って生きている我々のことだ。
我々が読んでいる漫画、小説…その登場人物に時間の経過は無価値である。
だが…ブラックホールの中心から見える我々もまた、焼きつけられたページに過ぎないのだ。
ブラックホールとは、僕にとって、そういう場所であり、そういう現象だ。
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