第二章 念動を使う者たち
第六節 新たな脅威! 念動のゲーセーマ
第26話 近づく夏休み
朝日を
道ばたの赤い花を気にする人はすくない。背のひくい木に、やわらかな
いたって普通の家。
「シュー、もうちょっと、分かりやすくできないかな?」
「
『そうだね。サヤカは
ひとりが持つ白っぽいケースから声がした。手のひらサイズ。もうひとりの手で、ケースの中央が光る。
「だよね。ギアが話さなくても、
「マユを見てただけ。あんまり
『カラダの
「んー」
「服が変わるのも、そういう
『そうだよ』
「よくわからないけど、記憶が戻ってきて色々わかったんだよね。シュー。よかったよ」
上部分が欠けているシュー。かけらを手に入れれば、記憶が戻る。それが少女の
ギアが欠けているのは下。1回光ると
「そろそろ?」
「そう。もうすぐ夏休み! どこかへ行かない?」
ピンポーン。高い音がひびいた。明るい顔のマユが
ふたりが
固まる、もうひとりの客人。ロングヘアも動かない。作り笑いを浮かべようとして、上手くいかない。
「学校の友達の、サヤカ。やさしいんだよ」
「こんにちは。あたしは、ミツキ、です。えっとぉ、すごい人が来るからって――」
「普通だから。マユ、変なこと言わないで。あっ。こんにちは」
三人とも笑顔になって、話が始まった。ポケットは光らない。
音楽が流れる学校。授業がはじまる。
シューとギアは、誰もいない教室で
マユは
みんな体操服。座って順番を待つあいだ、はしゃぐ生徒が多い。
同じクラスのコウスケが調子に乗った。メグミがあきれる。
隣のクラスの少年が活躍していた。短めの髪が風を切る。
「いいなぁ。レンマ。運動が
「あの子? って、静かにしたほうがいいよ。カナエ」
マユが小声で応じる。ひとりに集中せず、全体を見ていた。
列に戻る少年。何気なく追った少女の目には、どこか悲しそうな表情に映った。
マユは運動ができる。
サヤカは、運動が苦手。しかし、
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