第17話 別の色の回想
帰り道。サヤカは、出会いを思い出していた。
あのときと変わらない
「髪飾り、じゃない。
木の根元で、
割れてふたつに分かれているにもかかわらず、
それを、ほかの誰も気にしていない。周りを見回しているのは一人だけ。
「誰かいるの?」
手をのばさない少女に
「あなたは、そこにいるの?」
サヤカは、自分の部屋で着替え始めた。
灰色に囲まれた
「勉強は自分でしたほうがいいと思うけど」
つづきを言う前に通話が終わった。
思い切り
「行かなくていいかな」
サヤカのつぶやきに、
「何かが、ある?」
あの日。
道で、黒ずくめの男がカナエの前に立っていた。
「
桃色の光がカナエに近づく。黒く染まった。
なにかを求めて歩き出したように思える。
うすい
手の届かない別の世界の
サヤカは何もできなかった。ただ、遠くでマユが
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