第15話 別の色のかけら

 桃色の宝石は、記憶を再生させた。

 浮いている。部屋の中心。光が強くなって、まわりを染める。

 ピンクの隣には、ライトブルー。Vの字。重なる。

 割れた。ふたつ響く、おなじような高い音。

 かけらが飛び散っていく。桃色と、水色。

 上向きの力が働いた。つよい光で何も見えない。山を横に、いったん止まる。見えるのは、星空。


 こっそりと変身を解除したマユが、シューに聞く。

「やっぱり、知り合い?」

『あのとき離れた、もうひとつの宝石』

「だよね。兄弟?」

『さあ。たくさんのかけらに砕けて、飛び散ったよ』

 私服の少女が、ベンチに座って話をつづける。にぎりしめた手に向かって、口をとがらせていた。

「やっぱりひどいよ。ガイロンっていう組織」

『ボクともうひとつは、別々の方向へ飛んでいったんだ』

「本当に、欠けてても痛くない?」

『痛くないよ。アレンジの宝石は、ギア』

「ギア、喋らなかったね」

 上部分が多く欠けているシューを気遣きづかう、マユ。同時に、下部分が多く欠けているギアのことも考えていた。

『水色のかけらは、ギアのかけらだね』

「いっしょにできないのかなあ」

 立ち上がって歩き出した少女が、近所に住む女性と出会った。微笑むおだんご頭の美女。あいさつをしてすれ違う。

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