第3話 実現される思い
きりっとした顔で、少女は答えた。
「助けたい」
『マユにはその力がある。思いの
「お願い。シュー!」
ピンクの
まるいケースが現れた。白っぽくて手のひらサイズ。もともとひとつだったかのように空中でぴったりと合わさり、再び小さな手に戻る。
『エックスカラット』
ピアノ中心の音楽が鳴った。
光に包まれるマユ。
かがやいて、服が変化していく。はずむような高い音とともに。
桜の花よりも濃い、桃色を
ブラウスは肩の部分がふくらんでいて、半袖。
手首に
短めのスカートをゆらし、移動ポケットの飾りとして、シューがおさまる。
前髪の右上がなびく。剣のような形の髪飾りがついた。
うしろ髪はそのままで、後頭部だけ小さくひとつに束ねられた。ちょこんと。
決めポーズも名乗りもない。
『あの黒いのに、思いをぶつけるんだ』
「思い? ひどいことしないで」
桃色の少女と黒い
「ちょっ。ちょっと、どうしよう」
『ふたつの
『思いを力にかえるモノを、
「ねんどうし? 牛じゃないよ、わたし」
『牛じゃないよ。気に入らないなら、すきに決めて』
すこし離れた場所にいる黒い
「じゃあ、
『長くない?』
「略してラディラブ」
『言いにくくない?』
「ラディラブ・ピュア!」
『うん。シキベツできれば、なんでもいいよ』
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