第2話 現れた怪物
「どこから来たの?」
『さあ。そんなことより、前を見ないとあぶないよ』
歩いていた少女が、
「シュー。わたし、力になりたい」
『力って? かけているモノをおぎなうってこと?』
「記憶だよ。どうすれば思いだせるかな?」
空をとぶ鳥も、さんぽしている犬も、マユの持つものに見向きもしない。通りすぎる人が、ふしぎそうな顔を一瞬だけ見せる。
『できないね。ふつうの人には』
「まあ、そうだよね」
『マユにはできる。ボクに気づいたことが、そのショウメイだよ』
少女が、咲きほこる桜のような笑顔を見せた。
「あ。メグミだ」
前を歩く同じクラスの少女を見つけて、マユが早歩きになる。口元へ近づくピンクの宝石。
「とつぜん話して、びっくりさせようよ」
『やめたほうがいい』
シューがつぶやいたとき、遠くの地面から黒いかたまりが
巨大な着ぐるみのような
近くの人たちは、誰も驚かなかった。
「こっち! メグミ!」
遅かった。振り向く前に、メグミが倒れた。
黒い
「何か。なんとかしないと」
『どうしたいんだ?』
シューの声には
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